年齢とともに気になり始める「ほうれい線」。
中でも、口角のあたりまで長く伸びて見えるほうれい線は、実年齢以上に老けて見えたり、疲れて見えたりする原因になります。化粧をしても鼻横から口元にかけての影が消えにくいと感じる方もいらっしゃいます。
ほうれい線が長く見える原因には、頬のたるみによる影や、皮膚に残るシワ、鼻横のくぼみなどがあります。また、口角から下のマリオネットラインも目立ち、ほうれい線とつながって見えている方もいらっしゃいます。
この記事では、ほうれい線が長く見える原因と、セルフケアでできること、当院で行っている治療を実際の症例とともにご紹介します。
口角より下まで続く線は、ほうれい線でしょうか?
ほうれい線は、小鼻の横から口角の方向へ伸びる溝です。一方、口角からあごへ向かう溝は、マリオネットラインと呼ばれます。
両方が目立つと、鼻の横からあごの近くまで、一本の長い線が続いているように見えることがあります。「ほうれい線が下まで伸びた」と感じていても、口角より下では、マリオネットラインや口元のたるみが重なって見えていることがあります。

鼻横のくぼみが気になるのか、口角近くのシワが気になるのか、口角より下のたるみまで改善したいのか。同じ「長いほうれい線」というお悩みでも、気になる場所によって治療する部位が変わります。
ほうれい線が長く目立つ主な原因
実際の診療でも、「ほうれい線だけを消したい」とご相談に来られた方を拝見すると、頬や口元のたるみ、骨格、皮膚のハリの低下などが重なっていることがあります。
頬のたるみで、口元まで影が目立つ
年齢とともに皮膚の弾力が低下し、頬の脂肪の量や位置も変わってきます。
頬のふくらみと、ほうれい線の溝との段差が大きくなると、その境目に影ができ、口角の近くまでくっきり見えます。
口角の横にもお肉のたるみがあると、マリオネットラインやフェイスラインのもたつきも一緒に目立ちます。ほうれい線のシワだけでなく、頬や口元のたるみも気になっている方では、両方を診て治療を考えます。
笑っていない時にも、皮膚にシワが残る
笑うとほうれい線が深くなるのは、表情によって頬や口元が動くためです。若い方にも見られます。
年齢とともに、皮膚のハリを保つコラーゲンの産生や、皮膚の弾力は低下していきます。
皮膚のハリや弾力が低下すると、笑うのをやめてもシワが残りやすくなります。口角近くまでシワが刻まれていると、笑っていない時にもほうれい線全体が長く目立ちます。
「以前は笑った時だけだったのに、今は無表情でも残っている」という場合は、頬のたるみだけでなく、ほうれい線部分の皮膚にできたシワも治療の対象になります。
若い頃から目立つ場合は、骨格や頬の厚みも関係する
ほうれい線のできやすさには、生まれつきの骨格も関係します。
例えば、小鼻の付け根が骨格的に低いと、鼻横に影ができやすくなります。また、頬に厚みがある方では、頬と口元の境目に段差ができ、若いうちからほうれい線がはっきり見えることがあります。
こうしたくぼみや段差に、年齢とともに皮膚のシワやたるみが重なると、以前よりほうれい線が長く、深くなったように感じることがあります。
鼻横のくぼみについては、鼻横のほうれい線・くぼみの原因と治療でも詳しく解説しています。
長いほうれい線は、セルフケアで短くできますか?
保湿と紫外線対策は続けてください。乾燥による小ジワを防ぎ、紫外線による肌の老化を抑えるためにも大切です。ただ、鼻横の骨格的なくぼみや頬のたるみ、無表情でも残るほうれい線を、スキンケアだけで大きく改善するのは難しいです。
洗顔後は肌に合う保湿剤を使い、日中は日焼け止めに加えて日傘や帽子も活用してください。私が監修・開発したスキンケアについては、Nasora HCリンクルリフトクリームでご紹介しています。
マッサージで一時的にむくみが和らぎ、すっきり感じることはありますが、ほうれい線を短くしようと強くこすったり、何度も引っ張ったりすることはおすすめしません。皮膚への刺激になるためです。
長いほうれい線を改善する治療と症例
診察では、無表情でもシワが残っているか、笑うとどの部分が深くなるかを見ます。鼻横のくぼみや、頬の厚み・たるみがほうれい線の影をどの程度強めているかも、治療を決める際に確認しています。
シワを薄くする治療と、くぼみを補う治療、たるみを引き上げる治療では、改善できる部分が違います。
| 気になる部分 | 当院で行う治療 | 治療の役割 |
|---|---|---|
| 無表情でも残るほうれい線のシワ | グロースファクター | 皮膚に刻まれたシワを薄くする |
| 鼻横やほうれい線周囲のくぼみ | ヒアルロン酸 | へこんだ部分を補う |
| 頬や口元のたるみ | 糸リフト | たるみを引き上げる |
皮膚に刻まれたほうれい線には、グロースファクター
長いほうれい線で、当院が特に重視している治療のひとつがグロースファクター注射です。
グロースファクターは、細胞の成長や修復に関わるたんぱく質の総称です。当院では、ほうれい線部分の皮膚のコラーゲン産生を促し、シワを改善する目的で注入しています。無表情でも口角近くまでシワが残る方に行う治療です。
ヒアルロン酸のように注入直後からくぼみを補うのではなく、数か月かけて徐々に効果が現れます。当院では、長期的な改善を希望する方にグロースファクターを提案し、将来のシワやたるみが目立ちにくくなることも期待して治療しています。
下の写真は、口角近くまでほうれい線が伸びて見える30代女性に、グロースファクター治療を行った症例です。治療前と3か月後を比較しています。

ほうれい線グロースファクター治療の通常料金は、両側180,000円(税込・自由診療)です。主なリスクは腫れ、内出血、違和感、左右差、しこり、凹凸、過形成などです。
鼻横やほうれい線のくぼみには、ヒアルロン酸
鼻横やほうれい線のくぼみが深い場合は、ヒアルロン酸を注入してへこんだ部分を補います。施術直後から効果を実感したい場合はヒアルロン酸、長期的な改善効果を希望する場合はグロースファクターをおすすめしています。
ヒアルロン酸はもともと私たちの身体の中にある成分で、美容医療ではゼリー状に加工した製剤を使用します。ほうれい線やマリオネットラインなどのくぼみに注入し、周囲との段差を小さくします。
鼻横のくぼみが深い部分と、口角近くにシワが残る部分では、必要な治療や注入量が異なることがあります。ヒアルロン酸を入れすぎると口元がふくらんで不自然に見えるため、くぼみの深さや皮膚のシワに合わせて、注入する場所と量を調整します。
こちらは、ほうれい線とマリオネットラインにヒアルロン酸治療を行った60代女性の症例です。治療前と3か月後の写真では、鼻横から口元、口角の下までのシワや影を見比べられます。

皮膚に刻まれたシワと、その周囲のくぼみの両方に治療が必要な方では、先にグロースファクターでほうれい線のシワを治療します。その経過を見て、くぼみが残っていれば必要な部分にヒアルロン酸を追加します。治療を選ぶ際の診察や併用については、別の記事でもご説明しています。
ヒアルロン酸の通常料金は、1本目77,000円、2本目以降は1本69,800円(税込・自由診療)です。主なリスクは腫れ、内出血、しこり、凹凸、感染、血流障害などです。
頬のたるみを引き上げる糸リフト
糸リフトは、特殊加工された医療用の溶ける糸を皮下に挿入し、皮膚の内側からたるみを引き上げる治療です。頬のたるみによってほうれい線が目立ち、口元やフェイスラインのもたつきも気になる場合には、糸リフトを行うことがあります。
施術直後からリフトアップ効果が出ます。ただし、鼻横のくぼみや、皮膚に刻まれた折れジワそのものは、糸リフト単独では改善しにくいことがあります。必要に応じてグロースファクターやヒアルロン酸を併用します。
下の写真は、口横のたるみとほうれい線が気になっていた40代女性の糸リフト症例です。施術前と施術直後を比較しています。

糸リフトの通常料金は、PCLリフト1本22,000円、PLCLリフト1本27,000円(税込・自由診療)です。使用する糸の種類と本数で総額が変わります。主なリスクは腫れ、内出血、痛み、引きつれ、左右差などです。
頬の軽いたるみも気になる場合
HIFUは超音波、デンシティは高周波を使い、皮膚や皮下組織を熱で引き締める治療です。頬の軽いたるみやフェイスラインのもたつきに使います。ただ、鼻横のくぼみや、皮膚に刻まれたほうれい線そのものへの効果は弱いです。
長く目立つほうれい線でお悩みの方へ
「昔より顔が伸びたように見える」「口角が下がって疲れて見える」「マリオネットラインまでつながりそうで不安」。どこが一番気になるのか、どう見えるのが嫌なのかを、診察でお聞かせください。
鼻横のくぼみを浅くしたいのか、口角近くまで残るシワを薄くしたいのか、頬や口元のたるみも改善したいのか。以前ヒアルロン酸治療を受けた方は、思うように自然に改善しなかった部分についてもお聞かせください。実際のお顔を拝見しながら、治療でどの部分を改善できるかをご説明します。










