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【医師が解説】体重を1㎏落とすために効率的な食事制限と運動療法

著者:
西日本初、関東唯一ほうれい線・シワ治療専門クリニック 
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会 医師 齋藤秀明 ドクター紹介はこちら  

多くの方が「体重を落としたい」と考えたとき、運動や食事制限を試みるかと思います。

そもそも、実際に体重を1㎏落とすためには、どれくらいカロリーを消費すればよいのでしょうか?

おおよそですが、体重を1kg減らすためには約7000kcal消費すればよいと言われています。

7000kcalを消費したり減らすためには、毎日1時間のウォーキングや、毎日の食事からご飯1膳もしくは食パン2枚ほど減らす必要があります。

そういったことを毎日継続的にできれば一番ですが、食事の誘惑や運動のつらさから、なかなか継続できずに挫折してしまう方も少なくありません。

実は、体重を減らすための方法として、運動や食事制限以外にも方法があります。

今回は体重1kgの減量に必要な消費カロリーの基本知識を解説し、現実的な運動と食事制限の目安を解説します。

また、「運動や食事制限が続かない」と悩む方のために、当院で提供している無理なく減量を目指すための医療的な選択肢をご紹介します。

体重1kgを落とすために必要な知識

男性で2500kcal・女性で2000kcal以上摂取すると太りやすい

私たちは、体温の維持や呼吸、心臓の拍動など、生命を維持するために最低限必要なエネルギーを常に消費しており、これを基礎代謝と呼びます。

  • 基礎代謝の目安は 男性で約1500kcal、女性で約1200kcal程度です。
  • 1日の総消費カロリーは、基礎代謝に日常の活動による消費が加わり、男性で約2500kcal、女性で約2000kcal程度が目安とされます。

体重は、この1日の総消費カロリーよりも多くのカロリーを摂取すれば増え、少なければ減る、というシンプルなカロリー収支によって決まります。

脂肪を1kgを落とすためには約7000kcalの消費が必要?

ダイエットで落としたいのは、体内に蓄えられた脂肪です。

油1gあたりのカロリーは9kcalですが、人間の体脂肪1gには脂質の他に水分や他の物質が含まれています。これを計算に入れると、脂肪1gを落とすためには約7.2kcalの消費が必要とされています。

そうすると、脂肪を1kg落とすには、理論上、最低でも次のカロリー消費が必要となります。

1ヶ月で脂肪を1kg減らすには?

脂肪1g=7.2kcal  ⇒  脂肪1kg=7200kcal

7200kcal ÷ 30日 =1日あたり約240kcalのマイナスが必要

つまり、現在のカロリー収支から毎日240kcal以上多く消費するか、少なく摂取し続けることが、脂肪1kg減量の第一歩となります。

7000kcalを消費するには、毎日約1時間の運動が必要

運動で1日240kcalを消費する目安として、体重50kgの方の場合、具体的な運動と実施時間は以下のようになります。

  • ウォーキングであれば約1時間
  • ジョギングや水泳(ゆっくりとしたペース)であれば約30分

年齢や性別、体重などでも変化しますが、これで約240kcalを消費できる計算になります。

食事制限だと毎日ご飯を1膳減らすことが必要

食事制限で1日240kcalを減らす場合、具体的には以下の量が目安となります。

  • ご飯:軽く1膳
  • 食パン:1~2枚
  • 特定の菓子類:1個分

ですので、毎日の食事などからこれだけ減らせばよいことになりますが、減らしすぎることは逆に太りやすくなってしまいます。

【注意点】無理な食事制限は基礎代謝を低下させるリスク

食事のみで体重を落とそうと、急に無理な食事制限をすると、身体が飢餓状態と認識して、基礎代謝が減ってしまうことがあります。

基礎代謝が減ると、摂取カロリーが少なくても体重が落ちにくくなり、リバウンドしやすい体になってしまいます。

7000kcalだけでは脂肪は1kg減らない

これまでの話だと、約7000kcal消費したり、減らしたりすると、1kg脂肪が減るんだ!! と考えられますよね。

実際に毎日1時間のウォーキングや、食事制限を1ヶ月試されて、「えっ?1kg減ってるけど?」という方もおられるかもしれません。

しかし残念ながら、体重が1kg減ったからと言っても、1kgの脂肪だけが落ちるわけではありません

それは、消費されるエネルギーが、体内の脂肪だけでなく、肝臓などに蓄えられた糖や、筋肉を構成するタンパク質からも作られてしまうためです。

1か月の間運動や食事制限を頑張って1kg減ったとしても、脂肪だけではなく筋肉も痩せてしまっているかもしれません。

やっぱり脂肪の燃焼には運動+食事制限!

では、体重を減らしつつ、効率よく脂肪を燃焼するにはどうすればよいのでしょうか?

それには以下のことが重要になってきます。

  • 有酸素運動だけでなく、筋力トレーニング(無酸素運動)を取り入れ、筋肉量を維持・増加させて基礎代謝をUPさせる。
  • 筋肉量を維持出来て、基礎代謝が減らない程度に食事を制限する。

結局のところ、無理なく健康的に減量するためには、運動と食事制限の両方を適度に組み合わせるのが最も現実的で最短な方法です。

医療的に無理なく痩せる方法

この記事でここまでに紹介した内容は、よく知られている内容なので、ご存じな方も多いと思います。

でありながら、実際に行うとなると、食事制限のストレスや運動の負担が障害になって、なかなか実践し続けることが出来ません。

それだけではなく、明確な目標が無かったり、逆に目標が高すぎる場合はモチベーションが続きにくいですし、ストレスで睡眠不足になったり、女性ではホルモンバランスの乱れで食欲が増し、体重が減りにくくなることがあります。

では、運動と食事制限以外に体重を落としていく方法はないのでしょうか。

ここでは当院で行っている、運動と食事制限以外のダイエット方法をご紹介させて頂きます。

①余分なカロリーを排出する方法

ジャディアンス

ジャディアンスとは、2型糖尿病や慢性腎臓病、慢性心不全の治療に使われる内服薬で、ナトリウム依存性グルコース共輸送体 2(SGLT2)阻害剤です。

この薬が体重減少にどうかかわるかというと、SGLT2とは、腎臓の尿細管で働くタンパク質で、腎臓は尿中の糖分を再吸収して体内に戻す役割を持っています。

このSGLT2を阻害することにより、腎臓での糖の再吸収が減少し、結果的に尿中に排泄される糖の量が増えることになります。

つまり、薬を飲むだけで、尿中に排出される糖によってカロリーが失われるため、体重の減少につながる、ということになります。

また、尿量が増えるので、結果としてむくみが解消されて見た目がスッキリする効果も期待できます。

ジャディアンスは、マンジャロ注射のような痩せ薬にありがちな胃部不快感、倦怠感などといった副作用を感じにくく、安全に使用を続けやすいのがメリットです。

②無理なく食事量を減らす方法

リベルサス

リベルサスとは、リベルサスは2型糖尿病に使われる内服薬で、GLP-1受容体作動薬というグループに含まれます。

GLP-1とは一般的には食後に小腸から分泌されるホルモンで、食後の血糖値を下げる働きや以下のような作用があります。

それ以外にも、食後の血糖値を下げる作用、脳の満腹中枢を刺激して食欲を減らす作用、胃腸の動きを遅らせることで満腹感が持続して食欲を減らす作用など、いろんな作用がある薬です。

こういった働きがあるので、薬を飲むだけで食べ過ぎないように食事量を減らすことが出来、無理なく摂取カロリーを減らして、体重を減らすことにつながる、ということになります。

GLP-1薬というと近年マンジャロ注射がSNSなどで話題ですが、当院では副作用・安全性のことを考慮して現時点では取り扱っておりません。

③余分な水分を排出する方法

トリクロルメチアジド

トリクロルメチアジドとは、サイアザイド系利尿薬(サイアザイド類似薬を含む)に分類される内服薬です。
私たちは体内で尿をつくるときに、血液が腎臓でろ過されて作られますが、その過程で約99%の水分が再吸収されます。

その残り1%が尿として排出され、毎日1500㎖ほどの尿が出ます。

しかし、立ちっぱなしや座りっぱなしであまり運動しない場合や、アルコールなどを飲みすぎた場合、塩分の取りすぎや、女性ではホルモンバランスの乱れによって、尿で排出するよりも水分が多く体内に溜まってしまうことがあります。

そうなると、むくみとなって顔や手足が腫れたり、一時的な体重の増加につながったりすることがあります。

トリクロルメチアジドは、この、水分の再吸収を調整することで余分な水分を尿として排泄し、むくみやそれによる一時的な体重増加の解消をしてくれる、ということになります。

④部分的に脂肪を減らす方法

脂肪溶解注射

脂肪溶解注射とは、有効成分の「デオキシコール酸」が脂肪細胞の細胞膜を破壊することで脂肪細胞の数を減らすとともに、セルライト(脂肪組織と繊維組織の塊)をも分解する作用を併せ持っています。

また、それと一緒に、L-カルニチンやアーティチョークエキスを組み合わせることによって、脂肪の代謝を促進し、分解を促す効果が増強されている薬になります。

なので、脂肪によるボリュームが気になる部分に注射をすることで、身体にメスを入れずに部分痩せを図ることが出来る薬になります。

脂肪吸引で考えられるようなリスクや身体への負担(ダウンタイム)が少ないこともポイントです。

医療ダイエットの目的別・お悩み別の適応

医療ダイエットの選択肢は、それぞれのお悩みや減量に対する目的によって、最適なアプローチが異なります。

簡単にですが、このように自分の目的に合った方法を選んでもらうと良いかと思います。

まとめ

体重を健康的に落としていくためには、運動や食事制限のどちらかだけではなく、両方を適度に組み合わせることが重要です。

しかし、そうわかっていても、様々な要因でなかなか実施できない方もおられると思います。

そういった場合は、無理に運動や食事制限だけで体重を落とすことを考えず、医療の力に頼ることも一つの手だと思います。

今回ご紹介した方法の中でも、ジャディアンスなどは体への負担も少なく、ご飯が大好きで糖分を多くとる私自身服用していて効果を感じています。

もちろん、その他の薬もしっかり効果がありますので、ジャディアンスではあまり変化がなかった、食欲を抑えたい、むくみを取りたい、部分的に痩せたい、といった方にはリベルサスや、トリクロルメチアジドや、脂肪溶解注射がオススメです。

当院では、ご紹介した様なお薬の処方を行っていますので、お困りの方は是非一度ご相談いただけると幸いです。

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