著者:笹川新也
美容皮膚科医/医療法人新月会 理事長
Houreisenスキンクリニック(大阪院・東京院・名古屋院)
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「しっかり寝ても目の下のクマが消えない」「目の下がふくらんで、いつも疲れて見える」というご相談をいただきます。
目の下のクマは、皮膚の色だけが原因とは限りません。皮膚が薄く血管などが透けて見えるもの、色素沈着によるもの、目の下のふくらみやくぼみが影を作っているものなどがあります。同じ方に複数の原因が重なっていることも珍しくありません。
今回は、クマの種類ごとの特徴と、ご自宅でできるケア、美容医療での治療方法について説明します。
目次
目の下のクマは主に4つのタイプに分けられます
クマはよく「青クマ」「黒クマ」「茶クマ」「赤クマ」という名前で説明されます。
| クマの種類 | 特徴 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 青クマ | 目の下が青紫色・青黒く見える | 皮膚が薄く、下にある血管などが透けて見えること |
| 黒クマ | 目の下に黒っぽい影ができる | 眼窩脂肪のふくらみ、目の下や頬のくぼみ、皮膚のたるみ |
| 茶クマ | 目の下の皮膚が茶色っぽく見える | 摩擦や紫外線、湿疹などによる色素沈着 |
| 赤クマ | 目の下が赤色・赤紫色に見える | 薄い皮膚を通して見える眼輪筋や血管、脂肪のふくらみ |
診察では、クマの色だけでなく、目の下のふくらみやくぼみがどの程度あるかも確認しています。
青クマの原因と治療
青クマは、目の下が青紫色や青黒く見えるタイプです。下まぶたの皮膚は薄いため、皮膚の下にある血管などが透けて見えることがあります。もともと皮膚が薄い方では、十分な睡眠をとっていても青クマが目立つ場合があります。
寝不足の翌日などに下まぶたがむくむと、ふくらんだ部分の下に影ができ、もともとの青みと重なってクマが濃く見えることがあります。

当院では、目元の皮膚の薄さや小じわが気になる方に、スネコスなどの肌育注射で皮膚のハリや質感の改善を目指すことがあります。
黒クマの原因と治療
黒クマは、目の下の凹凸が影になって黒く見えるタイプです。目の下と頬の境目は、靱帯などによって皮膚や筋肉が骨に固定されている部分があり、もともと溝ができやすい構造になっています。眼窩脂肪が前にふくらむと、ふくらんだ部分とその下にある溝との高低差が大きくなり、影が目立ちます。
一方、脂肪があまりふくらんでいなくても、骨格や頬の脂肪のつき方によって目頭の下から頬にかけてくぼみができ、その部分が影になることがあります。ふくらみとくぼみの両方がある場合は、段差がさらに大きくなり、黒クマが目立ちやすくなります。

加齢とともに目立つ方もいますが、骨格や脂肪のつき方によって、若い頃から気になる方もいます。
黒クマの治療では、ふくらみの原因となる眼窩脂肪を取り除く方法のほか、目の下や頬のくぼみにヒアルロン酸を注入して影を目立ちにくくする方法があります。
茶クマの原因と治療
茶クマは、目の下の皮膚が茶色っぽく見えるタイプです。紫外線の影響のほか、目をこする癖や、湿疹・かぶれを繰り返すことで色素沈着が起こる場合があります。
特に、花粉症やアレルギーなどで目の周りを頻繁にこする方は注意が必要です。まずは摩擦を減らし、かゆみや湿疹がある場合はその治療を行います。紫外線対策や、刺激の少ない保湿も基本になります。
茶色い色素沈着には、メラニンの生成を抑えるハイドロキノンや、肌のターンオーバーを促すレチノールを含む外用ケアが選択肢になります。色素沈着の種類によっては、レーザー治療を検討することもあります。
目の周りは皮膚が薄く、こうした製品で刺激やかぶれが起こることもあります。かぶれによって色素沈着が悪化する場合もあるため、使用する製品や塗る範囲は医師に確認しましょう。特にハイドロキノンは、目の際への自己判断での使用を避けてください。
赤クマの原因と治療
赤クマは、目の下の薄い皮膚を通して眼輪筋や血管が透けて見えることで、赤色や赤紫色に見える状態です。
また、眼窩脂肪が前方にふくらむことで、その手前にある眼輪筋や皮膚が押し出され、赤みが目立つ場合もあります。

脂肪のふくらみが強い場合は下眼瞼脱脂術、皮膚の薄さや小じわが気になる場合はスネコスなどの肌育注射を検討します。皮膚に湿疹やかぶれがある場合は、その治療を行います。
自宅でできるクマのケアは?
寝不足やむくみでクマが目立つ場合には、十分な睡眠や規則正しい生活が改善につながることもあります。一方、眼窩脂肪のふくらみや生まれつきのくぼみは、セルフケアでは大きく変えられません。
目の周りをこすらないこと、かゆみや湿疹を放置しないこと、紫外線対策を行うことは、特に茶クマの悪化を防ぐうえで役立ちます。目元の化粧品は刺激の少ないものを選び、赤みやかゆみが出る場合は使用を中止してください。
照明や顔を見る角度によって、目の下の影の濃さが変わることもあります。
当院で行うクマ治療
下眼瞼脱脂術|目の下の脂肪のふくらみが気になる方
下眼瞼脱脂術は、下まぶたの裏側から余分な眼窩脂肪を取り除く手術です。顔の表面を切らないため、皮膚の表面に手術の傷跡は残りません。
当院では、脂肪を取りすぎて目元がこけて見えることを避けるため、ふくらみや左右差を確認しながら取り除く量を調整しています。皮膚のたるみが強い方では、余った皮膚を切除して縫い縮める手術が適していることもあります。
術後は腫れや内出血が出ることがあり、落ち着くまでの目安は数日〜2週間程度です。手術には左右差やくぼみなどのリスクもあるため、治療前にご説明しています。
当院で下眼瞼脱脂術を受けた40代女性の症例です。目の下のふくらみが改善し、すっきりと若々しい印象になっています。写真は治療前と1か月後の比較です。

施術内容:経結膜下眼瞼脱脂術。費用:180,000円(税込)。主なリスク:腫れ、内出血、左右差、くぼみなど。仕上がりには個人差があります。
こちらでは、ほかの下眼瞼脱脂術の症例もご覧いただけます。
ヒアルロン酸注入|目の下やゴルゴラインのくぼみが気になる方
目の下のくぼみであるティアトラフに直接注入する方法のほか、当院では、目の下より少し下にあるゴルゴラインや頬のくぼみにヒアルロン酸を注入することもあります。
ゴルゴラインのくぼみをヒアルロン酸で補うと、頬が内側からふっくらと支えられ、目の下から頬にかけての段差がなだらかになります。テントの布を内側から持ち上げるようなイメージで、くぼみが作っていた影が薄くなり、黒クマが目立ちにくくなることがあります。
この方法では、目の下に直接注射しなくても黒クマの改善が期待できます。眼窩脂肪のふくらみがある方でも、ティアトラフや頬のくぼみに注入する場合があります。当院では、クマのヒアルロン酸治療は通常1〜2本が目安です。1本で改善を目指せる方もいますが、くぼみや凹凸が強い場合は、まれに3本使用することもあります。
注入する位置と量は、目の下のふくらみや頬のくぼみを見て決めます。ヒアルロン酸は1本77,000円(税込)、2本目以降は1本69,800円(税込)です。内出血、腫れ、むくみ、凹凸、血流障害などのリスクがあります。
当院のヒアルロン酸による黒クマ・目元の影の改善症例
40代女性|ゴルゴラインにヒアルロン酸1本を注入

ゴルゴラインにヒアルロン酸(ボリューマXC)を1本(1cc)注入した症例です。目元から頬にかけてのくぼみを整えています。なお、この方はほうれい線にグロースファクター注射も受けています。症例⑭の詳しい経過はこちら
50代男性|ゴルゴライン・眉間へのヒアルロン酸注入

ゴルゴラインのくぼみを補ったことで、目の下から頬にかけての影が改善した症例です。この方は眉間にもヒアルロン酸を注入しています。症例⑧の詳しい経過はこちら
50代女性|ゴルゴライン・中顔面へのヒアルロン酸注入

両側合計2ccのヒアルロン酸を注入し、頬をふっくらとさせて目元から頬にかけての影を整えた症例です。中顔面ヒアルロン酸治療の症例はこちら
いずれも当院の実症例です。ヒアルロン酸の必要量や仕上がりには個人差があります。
スネコス注射|皮膚の薄さや細かなシワが気になる方
スネコスは非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸を含む肌育注射です。当院では、目の下の皮膚の薄さや小じわが気になる方に使用しています。
皮膚のコラーゲン生成などに働きかけ、目元のハリや小じわの改善を目指す治療です。1回だけではなく、複数回の施術を重ねることで、徐々に改善が期待できます。
当院では目元へのスネコス注射の症例も公開しています。実際の経過は、50代女性のスネコスによる目元治療の症例をご覧ください。

スネコス注射3回の治療前と2か月後の比較(50代女性)。スネコス(2cc)の現在の料金は33,000円(税込)です。主なリスク:腫れ、内出血、痛み、硬結など。
治療の料金とご相談について
| 治療 | 料金(税込) |
|---|---|
| スネコス注射(2cc) | 33,000円 |
| ヒアルロン酸注入(1本) | 77,000円 |
| 目の下のクマ取り(経結膜下眼瞼脱脂術) | 180,000円 |
ヒアルロン酸は注入量により費用が変わります。詳しくは公式料金表をご確認ください。
診察では、実際のお悩みやご希望を伺い、どの部分を優先して改善するかもご相談しています。
よくあるご質問
青クマと黒クマは、どう見分けますか?
青クマは皮膚の薄さや血管の透けが関係し、黒クマはふくらみやくぼみが作る影が中心です。両方が重なっている方もいるため、診察では目の下のふくらみやくぼみの程度をしっかり確認します。
クマ取りの脱脂をすれば、どのクマも消えますか?
脱脂が得意なのは、眼窩脂肪のふくらみが原因となっているクマです。皮膚の薄さによる青みや色素沈着による茶色は、脂肪を除去してもそのまま残ることがあります。
クマは1回の治療で改善しますか?
脱脂術は通常1回の手術ですが、腫れや内出血が落ち着くまでの期間や仕上がりには個人差があります。肌育注射は、複数回の施術を重ねることで徐々に改善が期待できます。色素沈着による茶クマでは、外用ケアなどを続ける場合があります。
まとめ
目の下のクマは、血管や筋肉の透け、色素沈着、脂肪のふくらみ、くぼみなどによって目立ちます。青・黒・茶・赤という色の名前だけでは治療を決められないこともあります。
目の下のふくらみやクマについてお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。













