「ニキビが繰り返しできる」「毛穴の詰まりやざらつきをきれいにしたい」。ピーリングを調べてみると、薬剤の名前がいくつも出てきて、どれを選べばよいか迷いますよね。
ニキビや毛穴の詰まりを治療したいのか、肌のハリやツヤを出したいのかで、選ぶ薬剤は変わります。この記事では、当院で行う4種類の医療ピーリングを、効果・皮むけ・施術間隔・料金から比較し、肌の状態に応じた使い分けを症例とともにご紹介します。
お悩み別|4種類のピーリングの選び方
料金(税込):ケミカルピーリング6,600円/ミラノリピール(顔)12,000円/マッサージピール12,000円。詳しい料金と条件
どの薬剤が適しているかは、ニキビや毛穴の状態、現在使っているお薬も確認して決めます。どれを選ぶか決まっていない方もご相談いただけます。
ケミカルピーリングとは?ニキビや毛穴に働きかける仕組み
ケミカルピーリングでは、サリチル酸やグリコール酸、トリクロロ酢酸(TCA)などの薬剤を皮膚に塗り、古い角質を剥がれやすくします。肌表面のごわつきや、毛穴の出口の詰まりを改善するために行います。サリチル酸マクロゴールピーリングやグリコール酸ピーリングも、ケミカルピーリングの一種です。
皮膚では、表皮の奥でつくられた細胞が少しずつ表面へ押し上げられ、最後は角質となって剥がれ落ちます。この生まれ変わりが「ターンオーバー」です。古い角質が剥がれにくくなると、肌がざらついたり、くすんで見えたりします。
また、毛穴の出口の角質が厚くなると皮脂がたまり、白ニキビや黒ニキビができます。ピーリングでこの詰まりを改善することで、ニキビの治療にも役立ちます。
ニキビは、塗り薬などを使った治療が基本です。ピーリングは、薬だけでは改善が十分でない場合や、お薬が肌に合わない場合などに検討します。[1]
ピーリング4種類を比較|ニキビ・毛穴にはどれがおすすめ?
| 種類 | 当院でおすすめする方 | 刺激・皮むけ | 施術間隔の目安 |
|---|---|---|---|
| サリチル酸マクロゴール | 白ニキビ・黒ニキビ、角栓の詰まりやざらつきが気になる方 | 刺激や皮むけは比較的少なめ。赤み・乾燥が出ることも | 2〜4週間 |
| グリコール酸 | ニキビに加え、くすみやごわつきも改善したい方 | ピリピリ感、赤み、乾燥、薄い皮むけが出ることも | 2〜4週間 |
| ミラノリピール | 皮むけを伴っても、ニキビ・ざらつき・茶色いニキビ跡を治療したい方 | 刺激感や赤み、数日間の皮むけを伴う | 2〜4週間 |
| マッサージピール(PRX-T33) | ハリ・ツヤを出したい、小ジワを改善したい方 | 皮むけを抑えた治療。熱感や赤み、乾燥が出ることも | 2週間 |
施術間隔は当院の目安です。肌の状態や治療経過によって調整します。
4種類の成分・効果と、当院での使い分け
① サリチル酸マクロゴール|ニキビ・毛穴の詰まりが気になる方に
「ニキビや毛穴の悩みをなんとかしたい!」という方に、まずおすすめしたいのがサリチル酸マクロゴールピーリングです。
サリチル酸はBHAと呼ばれる酸の一種で、古い角質を剥がれやすくします。マクロゴールという基剤と組み合わせることで、皮膚の深い部分への浸透を抑えながら、主に角層へ作用するようにした製剤です。
毛穴の出口をふさぐ角質を取り除き、白ニキビ・黒ニキビや毛穴の詰まりを改善します。脂性肌や混合肌で、鼻や顎のざらつき、角栓の黒ずみが気になる方にも行います。[2]
刺激感や皮むけは比較的少なく、ピーリングが初めての方も選びやすい治療です。ただし、肌が荒れている時はしみることがあり、施術後に赤みや乾燥が出る場合もあります。
② グリコール酸|ニキビに加えて、くすみ・ごわつきが気になる方に
「肌のくすみやザラつきが気になる」「全体的に肌の調子を上げたい」という方には、グリコール酸ピーリングがおすすめです。
主成分のグリコール酸は、AHAと呼ばれるフルーツ酸の一種です。古い角質細胞同士の結びつきを緩め、剥がれやすくすることでピーリング作用を発揮します。
水溶性で分子が小さいことが特徴で、角質のごわつきや毛穴の詰まりを改善します。ニキビを治療しながら、肌表面のくすみやざらつきも改善したい方に使用します。[3]
一方、グリコール酸は濃度やpH、肌に置く時間によって刺激の強さが変わります。施術中はピリピリしたり、施術後に赤み・乾燥・薄い皮むけが出たりすることがあります。乾燥が強く、ヒリつきや赤みがある時は、まず肌荒れを治してから施術を考えます。
③ ミラノリピール|皮むけを伴っても、ニキビをしっかり改善したい方に
当院では、ニキビへの改善効果を重視してミラノリピールを採用しています。ニキビだけでなく、毛穴の詰まりやざらつき、ニキビが治った後の茶色い色素沈着も気になる方に使用します。
ミラノリピールは、TCA(トリクロロ酢酸)に、サリチル酸など複数の酸、アミノ酸、ビタミンなどを組み合わせた製剤です。顔用の製剤にはTCAが35%配合されています。複数の酸で角質に働きかけ、毛穴の詰まりや肌表面のざらつきを改善します。[4]
ミラノリピールは、施術後に皮むけが出る治療です。数日間は乾燥や皮むけでファンデーションが均一にのりにくくなることがあるため、大切な予定の直前は避けた方がよいでしょう。
赤く腫れたニキビが広がっている方や、傷・ただれがある方では、そのまま塗布できない場合があります。ニキビの状態と使用中のお薬を確認して、ピーリングを行う時期を決めます。
ニキビ治療の症例|20代女性
顔全体に炎症性のニキビが繰り返しでき、毛穴の詰まりやニキビ跡の赤み・色素沈着も気になっていた方です。ミラノリピール1回と、アクネトレント(イソトレチノイン)の内服を組み合わせて治療しました。

治療開始から1か月後には、炎症性ニキビや赤み、色素沈着の改善がみられました。
現在の通常料金(税込):ミラノリピール(顔)1回12,000円/アクネトレント20mg・30錠20,000円。内服期間により費用は異なります。
主なリスク:ピーリングによる赤み・乾燥・皮むけ。内服による皮膚や唇の乾燥、肝機能・血中脂質への影響など。アクネトレントは胎児に影響するため、妊娠中・妊娠予定の方には使用できません。[8]
④ マッサージピール(PRX-T33)|皮むけを抑えてハリ・ツヤを出したい方に
ニキビよりも、肌のハリ不足や小ジワ、ツヤの低下が気になる方にはマッサージピールを行います。コラーゲンピールとも呼ばれる治療です。
PRX-T33には、TCA33%と低濃度の過酸化水素、コウジ酸が配合されています。TCAと過酸化水素を組み合わせ、肌表面の強い剥離を抑えながら、真皮のコラーゲン産生を促すことを目的としています。コウジ酸はメラニンをつくる酵素の働きを抑える成分で、くすみや色素沈着にも用いられます。[5]
ミラノリピールと同じTCAを含みますが、こちらは皮むけを抑え、ハリやツヤを改善したい方に向けた治療です。「剥かないピーリング」と呼ばれることもありますが、乾燥や薄い皮むけが出る方もいます。
施術中に熱感やピリピリ感が出ることがあります。ニキビがつぶれている部分や、赤く荒れた部分は刺激が強くなるため、肌の状態によっては施術を控えます。
ニキビ・毛穴の詰まり・ごわつきから考えるピーリングの選び方
白ニキビ・黒ニキビ、毛穴の詰まりや黒ずみが気になる
鼻や顎を触るとざらつく、角栓が詰まっているという方には、サリチル酸マクロゴールやグリコール酸を使用します。毛穴の黒ずみが角栓によるものであれば、詰まりを改善することで黒ずみも目立ちにくくなります。
皮むけが出ることを踏まえてニキビやざらつきをしっかり治療したい方には、ミラノリピールをご提案します。使っているニキビの塗り薬で肌が乾燥している場合もあるため、薬剤名だけでなく、今の肌の赤みや皮むけも確認します。
炎症の強いニキビが繰り返しできる
赤いニキビや膿を持ったニキビが何度もできる場合には、ピーリングだけで治療を続けるより、まずニキビ自体の治療を見直した方がよいことがあります。
塗り薬などで十分に改善しない方や、ニキビが重症化している方には、診察のうえでアクネトレント(イソトレチノイン)の内服治療を検討することもあります。内服薬には副作用や使用上の制限があり、ピーリングと必ず併用するわけではありません。
毛穴の開きが気になる
毛穴は、角栓が詰まっていたり、皮脂が多かったりすると目立ちやすくなります。このような毛穴には、ピーリングで詰まりや肌表面のざらつきを改善します。
一方、皮膚のハリが低下して目立つ毛穴には、ハリを改善する治療も行います。ハリの低下による毛穴の目立ちについては、こちらもご覧ください。[7]
ニキビ跡の色や凹凸が気になる
ニキビが治った後の茶色い色素沈着と、クレーター状にへこんだニキビ跡では、治療が異なります。ピーリングで改善を目指せるのは、主に角質のごわつきや表面の色素沈着です。
クレーター状の凹みは、ニキビの炎症で皮膚の深い部分のコラーゲンが失われてできることがあります。皮膚の下で硬くなった組織に引っ張られている場合もあり、ピーリングだけでは十分に改善しにくい状態です。毛穴に見える凹みが、実際にはニキビ跡である場合もあります。[1]
肌のハリやツヤを出したい、小ジワを改善したい
角栓やニキビよりもハリ・ツヤが気になる場合は、マッサージピールを使用します。乾燥で細かなシワが目立っている方は、ピーリングだけでなく保湿も続けましょう。
肌のハリをもっと改善したい方には、水光注射も選択肢です。 水光注射は、ヒアルロン酸やアミノ酸などを含む薬剤を、専用の機器で皮膚に細かく注入する治療です。当院ではハイコックスを使用し、肌の乾燥や小ジワ、ハリ不足などに合わせて薬剤を選んでいます。
水光注射はピーリングとは異なり、針を使用するため、赤みや針跡、内出血が出る場合があります。現在は大阪院・名古屋院で行っています。 詳しくは水光注射の治療内容・薬剤・症例をご覧ください。
なお、頬のたるみや深いほうれい線を、ピーリングや水光注射だけで大きく改善するのは難しい場合があります。
何回くらい受ければよい?効果と施術間隔の目安
1回で手触りのなめらかさを感じる方もいますが、ニキビや色素沈着は複数回に分けて治療することが多いです。
当院では、サリチル酸マクロゴールとグリコール酸は2〜4週間おきに5〜10回程度、マッサージピールは2週間おきに3〜5回程度を目安にしています。ミラノリピールは2〜4週間の間隔を空け、ニキビの改善や皮むけの程度を確認しながら続けます。
まだ赤みや皮むけがある時に次のピーリングを重ねると、刺激が強くなります。早く治したくても、間隔を詰めるより、肌が落ち着いてから受けることをおすすめします。
皮むけ・赤みが出た時のケアと施術前の注意
どのピーリングでも、赤み、ヒリつき、乾燥、皮むけが出ることがあります。刺激が強く出ると、かさぶたや色素沈着が残る場合もあります。
皮が浮いてきても、指で剥がしたりスクラブでこすり落としたりせず、保湿をして自然に剥がれるのを待ちましょう。日中は日焼け止めや帽子などで紫外線対策も続けてください。
レチノールやトレチノイン、アダパレン、過酸化ベンゾイルなどを使用している方は、事前にお知らせください。内服中のお薬や、最近受けたレーザー・脱毛などの施術についても確認します。薬の中止や再開は、処方した医師や施術担当医の指示に従ってください。
肌が赤く荒れている、湿疹がある、強く日焼けしている、口唇ヘルペスが出ている時などは、回復してから施術します。成分へのアレルギーがある方や、妊娠・授乳中の方は事前にお知らせください。妊娠・授乳中は使用できない製剤があります。施術後に強い痛み、水ぶくれ、ただれが出た場合は、通常の皮むけとして様子を見ず、施術した医療機関へ連絡してください。[6]
ピーリングについてよくある質問
サリチル酸ピーリングとケミカルピーリングは違いますか?
サリチル酸ピーリングは、ケミカルピーリングの一種です。「ケミカルピーリング」は薬剤を使う治療の総称で、サリチル酸やグリコール酸は使用する成分の名前です。
初めての方や、刺激が気になる方にはどれがおすすめですか?
ニキビや毛穴の詰まりが主なお悩みであれば、刺激や皮むけが比較的少ないサリチル酸マクロゴールをおすすめしています。
皮膚のハリや毛穴、小ジワが気になる方には、マッサージピールもおすすめです。ピーリングが初めての方にも受けていただきやすい治療です。
ヒリつきや赤み、湿疹が出ている時は、ピーリングを急がず、肌荒れを治してから施術します。
皮がむけないと、効果がないのでしょうか?
皮むけが目に見えなくても、ニキビやざらつきの改善は期待できます。皮むけの量だけで効果の強さを判断せず、ニキビやざらつきがどれくらい改善したかを確認します。
施術後、いつからメイクできますか?
サリチル酸マクロゴールとマッサージピールは、施術後からメイクが可能です。ミラノリピールは当日のメイクを控え、翌日から再開するようご案内しています。
ミラノリピールでは、施術から数日後(3〜7日頃)に薄い皮むけが出ることもあり、その間はファンデーションが浮いたり、むらになったりする場合があります。赤みやヒリつきが強い時は、無理にメイクをせずご相談ください。
どのピーリングを選ぶか決めていなくても予約できますか?
はい。ニキビや毛穴の悩みからご相談いただけます。使っているお薬やこれまでのピーリングで肌が荒れたことがないかも伺い、治療をご案内します。
当院のピーリング料金
| 治療 | 料金 |
|---|---|
| ケミカルピーリング | 6,600円 |
| ミラノリピール(顔) | 12,000円 |
| マッサージピール | 12,000円 |
レーザー前処置としてのミラノリピール・マッサージピールは、それぞれ6,600円です。上記の単独施術とは条件が異なります。
どのピーリングが合うか迷っている方へ
ニキビや毛穴を改善したいけれど、どのピーリングが合うか分からない方は、お気軽にご相談ください。
診察では、ニキビ・角栓・毛穴の状態と今使っているお薬、これまでピーリングで肌が荒れたことがないかを確認します。皮むけをできるだけ避けたい方や、大切な予定を控えている方には、薬剤ごとの刺激や回復までの目安もご説明します。初回カウンセリングは原則無料で、施術を受けるかどうかは診察後に決めていただけます。
参考文献・製剤情報
[1] 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」CQ16・24・33。
[2] Dainichi T, et al. Excellent clinical results with a new preparation for chemical peeling in acne: 30% salicylic acid in polyethylene glycol vehicle. Dermatol Surg. 2008;34:891–899.
[3] Kaminaka C, et al. Clinical Evaluation of Glycolic Acid Chemical Peeling in Patients with Acne Vulgaris. Dermatol Surg. 2014;40:314–322.
[4] CMed Aesthetics:BioRePeelCl3 FND 製剤情報。成分・製剤設計の参照資料。
[5] Gold MH, et al. Treatment of Mild to Moderate Facial Chrono- and Photodamage with a Novel Intense Liquid Trichloroacetic Acid Peel. J Clin Aesthet Dermatol. 2022;15(1):E61–E65. / WiQo 製剤情報・PRX-T33 取扱説明書。
[6] American Academy of Dermatology:Chemical peels: FAQs。施術後のケアと注意事項。
[7] American Academy of Dermatology:What can treat large facial pores?。毛穴の詰まり・皮脂・皮膚のハリと毛穴の目立ちについて。
[8] FDA:Isotretinoin prescribing information。イソトレチノインの主な副作用・妊娠に関する安全性情報の参照。










