「鼻の横だけでなく、頬の真ん中にも斜めの線が気になる」
「ほうれい線とゴルゴラインは、同じ治療で薄くできる?」
ほうれい線は、小鼻の横から口角に向かってのびる溝。ゴルゴラインは、目頭の少し下から頬の中央に向かって走る、斜めのくぼみです。[1][2]
ほうれい線もゴルゴラインも、皮膚のシワだけが原因ではありません。頬の脂肪や骨格、靱帯(皮膚を骨などの深い組織につなぎとめる組織)などが関わり、溝やくぼみとして目立つ場合があります。できる場所や原因が異なるため、適した治療もそれぞれ異なります。[1][2][3]
目次
ほうれい線とゴルゴラインは、なぜ目立つ?
ほうれい線は、頬と口元の境目にできる溝やシワ

ほうれい線は、ふくらみのある頬と、よく動く口元の境目にあります。この境目では、頬側と口元側で、皮下脂肪の厚みや皮膚と表情筋をつなぐ線維性の組織のつくりが異なります。こうした構造が、ほうれい線の溝を形づくる一因になっています。[1][24]
小鼻の横の骨格も、ほうれい線の深さに関係します。 小鼻の付け根を支える上顎骨がもともと奥まっている方では、隣の頬との段差が大きくなり、ほうれい線が目立つことがあります。また、CTを用いた研究では、年齢が高い群ほど小鼻の横の上顎骨が相対的に後退している傾向も報告されています。[21]
頬の脂肪も関係しますが、単純に「脂肪が多いから深くなる」とは限りません。
皮膚の弾力が低く、頬の皮下脂肪が厚い方ほど、ほうれい線が目立つ傾向を報告した研究があります。一方、頬の奥にある深部脂肪が減ると、表面の脂肪を内側から支える厚みが少なくなり、頬がたるんだように見えることもあります。つまり、頬の脂肪がどの部分に、どのくらいあるかによって、ほうれい線の目立ち方は異なります。[22][23][4]
さらに、頬がたるんでほうれい線の上にお肉がかぶさると影が濃くなります。反対に、頬のたるみはそれほど強くなくても、ほうれい線に沿って皮膚に細いシワが刻まれている方もいらっしゃいます。頬との段差が深いのか、皮膚そのものにシワがあるのかによって、適した治療も異なります。[23]
ゴルゴラインは、靱帯・脂肪・骨格が関係

ゴルゴラインは、口元ではなく頬の中央を斜めに横切るくぼみです。ほうれい線よりも上にあり、目頭の下から頬の中央にかけて目立ちます。[2]
頬には、皮膚を骨などの深い部分につなぎとめる靱帯があります。ゴルゴラインの周辺には「頬骨皮膚靱帯」などがあり、皮膚や脂肪の一部を固定しています。[3][17]
年齢とともに周囲の頬の脂肪が減ったり下がったりしても、靱帯で固定された部分は同じようには動きません。周囲の頬の厚みや位置が変わる一方で、固定された部分は残るため、境目に高さの差ができ、斜めのくぼみが目立ちやすくなると考えられます。[3][17]
また、ゴルゴラインの走行には、目の周りの筋肉である眼輪筋と皮膚を結ぶ線維性の組織が関わる可能性も、解剖研究で報告されています。靱帯だけで形成されるわけではありません。[2][20]
加齢に伴う頬の深部脂肪の減少や、上顎骨の後退も、頬のくぼみを目立たせる背景として考えられます。ただし、これらは主に中顔面全体を調べた研究から得られた知見であり、ゴルゴラインの深さとの直接的な因果関係まで証明されたわけではありません。[4][18][19]
ほうれい線とゴルゴラインには、骨格や脂肪など共通する原因もあります。違いは、ほうれい線が頬と口元の境目にできるのに対し、ゴルゴラインは頬の中央にできることです。[1][2]
若いのに目立つのは、老化が進んでいるから?
必ずしもそうではありません。
ほうれい線もゴルゴラインも、生まれつきの骨格や脂肪のつき方、靱帯などによる固定の位置によって、若い頃から目立つことがあります。どちらかの溝があるだけで、同年代より老化が進んでいるとは判断できません。[1][2][3]
以前からあるくぼみなのか、最近深くなったのかが気になる方は、昔の写真と比べてみてください。診察でも、もともとの骨格と、頬のたるみや皮膚のシワを確認します。
スキンケアで薄くすることはできる?
保湿は、乾燥による細かなシワを目立ちにくくするために役立ちます。日焼け止めなどの紫外線対策も、将来のシワや皮膚の老化を防ぐうえで大切です。[6]
一方、骨格や頬の脂肪が関わる深いくぼみを、化粧品だけで浅くすることは難しいです。クリームを塗っても頬の影が薄くならない場合は、乾燥以外の原因が関わっている可能性があります。[1][2][6]
ほうれい線とゴルゴラインの治療は、どう選ぶ?
くぼみを浅くするヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、必要な部分にボリュームを補い、くぼみや段差を浅くする治療です。ゴルゴラインにも、ほうれい線にも使用します。[5][7]
当院では、ゴルゴラインの治療にヒアルロン酸を使用することが多いです。その際は、溝の浅いところをなぞるように埋めるのではなく、骨膜上(骨を覆う膜のすぐ上)という深い層から頬を支える注入を重視しています。[25]
頬の奥にある深部脂肪が減ると、その上の脂肪や皮膚を支える厚みが少なくなります。当院では、骨膜上にヒアルロン酸でボリュームを補い、上にある脂肪や皮膚を下から持ち上げるように支えることで、ゴルゴラインのくぼみを浅くすることを目指しています。[4][25]
ヒアルロン酸は注入直後から頬のくぼみを浅くできることが特徴です。注入する位置や量は、頬全体のボリュームや、目の下から頬へのつながり、くぼみの深さを見て決めています。くぼみを完全になくそうとして入れすぎると、周囲だけがふくらんで不自然になることがあるためです。[5][8][25]
ゴルゴラインのヒアルロン酸治療例:治療前と1か月後

ゴルゴラインのくぼみにヒアルロン酸を注入した症例です。治療前と、注入から1か月後を比較しています。[8]
費用は1本77,000円、2本目以降は1本69,800円です(税込)。主なリスクには、腫れ、内出血、凹凸、感染、血流障害などがあります。[9][10][11]
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ヒアルロン酸治療について詳しく見る
皮膚に刻まれたほうれい線には、グロースファクター
当院では、皮膚に刻まれたほうれい線に対して、グロースファクターをご提案しています。皮膚のコラーゲン産生に働きかけ、ほうれい線のシワを薄くすることを目的とした治療です。[12]
数か月かけて徐々にほうれい線のシワを薄くしていく治療で、完成の目安は約6か月です。 ヒアルロン酸のような即効性はありません。当院では、治療後数年にわたり、ほうれい線が薄い状態を保っている症例もあります。[12]
ほうれい線のグロースファクター治療例:30代男性・治療前と3か月後

無表情でもほうれい線が目立っていた30代男性の症例です。グロースファクターによる治療前と3か月後の経過を紹介しています。[13]
費用は両側180,000円です(税込)。主なリスクには、腫れ、内出血、違和感、左右差、凹凸などがあります。[10][13]
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グロースファクター治療について詳しく見る
※掲載症例は治療経過の一例であり、効果や経過には個人差があります。
頬のたるみも気になる場合は、糸リフトやHIFU
頬のたるみが関わっている場合には、糸リフトやHIFUを検討します。
糸リフトは、皮下に挿入した糸でたるんだ組織を引き上げる治療です。HIFUは、超音波による熱で組織を引き締める治療で、軽い頬のたるみやフェイスラインのもたつきに用います。[14][15]
ただし、頬を引き上げても、ゴルゴラインのくぼみや皮膚に刻まれたほうれい線が十分に改善しないことがあります。 とくに頬の脂肪が少ない方では、引き締める治療だけでなく、ボリュームを補う必要があるかも確認します。[2][5][16]
糸リフトでは腫れ・内出血・ひきつれなど、HIFUでは痛み・赤み・熱傷などのリスクがあります。詳しい内容や費用は各治療ページでご案内しています。[14][16]
両方気になるときは、同じ治療で改善できる?
ほうれい線とゴルゴラインのどちらもくぼみが中心なら、ヒアルロン酸で両方を治療できる場合があります。ただし、同じ薬剤を使う場合も、注入する場所や量はそれぞれ異なります。[5][7]
一方、ほうれい線には皮膚に刻まれたシワがあり、ゴルゴラインには頬のくぼみがある方では、ほうれい線にグロースファクター、ゴルゴラインにヒアルロン酸という選択肢もあります。[8][12]
両方気になるからといって、必ず複数の治療が必要になるわけではありません。 まず気になる部分を治療し、経過を見てから、ほかの部分の治療を検討することもできます。
「頬のくぼみを浅くしたい」「ほうれい線に刻まれたシワを薄くしたい」など、気になっていることをお聞かせください。
当院では、ほうれい線とゴルゴラインを診察し、ご希望に合わせて治療内容と費用をご説明しています。
参考資料
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- Du Y, et al. Anatomic Characteristics and Treatment of the Midcheek Groove by Deep Filling. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32852427/
- Facial soft-tissue spaces and retaining ligaments of the midcheek: defining the premaxillary space. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23508054/
- Boehm LM, et al. Facial Aging: A Quantitative Analysis of Midface Volume Changes over 11 Years. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33165293/
- Restoring long-lasting midface volume in the Asian face with a hyaluronic acid filler: A randomized controlled multicenter study. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.16221
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- Safety and Effectiveness of the Hyaluronic Acid Dermal Filler VYC-17.5L for Nasolabial Folds: Results of a Randomized, Controlled Study. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6221389/
- 当院症例:ヒアルロン酸によるゴルゴライン治療①。https://www.osaka-houreisen.jp/cases-hyaluronicacid-midcheekline1/
- FDA. Dermal Fillers (Soft Tissue Fillers). https://www.fda.gov/medical-devices/aesthetic-cosmetic-devices/dermal-fillers-soft-tissue-fillers
- 当院料金表。https://www.osaka-houreisen.jp/price/
- FDA. Dermal Filler Do's and Don'ts for Wrinkles, Lips and More. https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/dermal-filler-dos-and-donts-wrinkles-lips-and-more
- 当院グロースファクター治療ページ。https://www.osaka-houreisen.jp/growth-factor/
- 当院症例:グロースファクターによるほうれい線治療 30代男性③。https://www.osaka-houreisen.jp/cases-growthfactor-30s-m3/
- Outcomes in thread lift for face, neck, and nose; A prospective chart review study with APTOS. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jocd.13397
- Ultrasound tightening of facial and neck skin: a rater-blinded prospective cohort study. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20115948/
- 当院HIFU解説。https://www.osaka-houreisen.jp/hifu/
- Duan J, et al. Clarifying the Anatomy of the Zygomatic Cutaneous Ligament: Its Application in Midface Rejuvenation. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35077411/
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