「ほうれい線だけじゃなくて、なんだか鼻の横に深い影ができている気がする」
「鼻の横にシワというか、くぼみのような影がある」
「ファンデーションがその部分だけたまって、シワやくぼみが余計に目立つ」
このようなお悩みでご相談に来られる方は少なくありません。
鼻横に線のようなものが見えていても、すべてが皮膚表面の「シワ」とは限りません。
小鼻の付け根が周囲より低くなっていることで影ができていることもあれば、鼻横と頬の高低差によって影が強く見えることもあります。そこに皮膚のシワやハリ低下が重なっている方もいらっしゃいます。
そのため、この記事では鼻横に見えているものを理解しやすくするために、「シワ」「影」「くぼみ」の3つに分けて説明します。
実際の診察では、この3つが完全に分かれているとは限りません。くぼみによって影ができ、その部分にシワも重なっているなど、複数の要素が同時に見られることがあります。
鼻横に見えているのは「シワ・影・くぼみ」のどれ?
鼻横に線があるように見えても、実際には皮膚のシワ、影、くぼみが重なっていることがあります。
皮膚の表面にできる「シワ」
小鼻の横に、くぼみだけでなく細かな皮膚のシワも入っている例です。
皮膚の表面に細い線が入っている場合は、皮膚そのもののシワが関係しています。
乾燥している日に目立ちやすくなったり、笑ったあとに線が残ったり、ファンデーションが入り込んだりすることがあります。
年齢とともに皮膚のコラーゲンやエラスチンが減り、ハリや弾力が低下すると、無表情でも線が残りやすくなります。
一方で、鼻横に見えている線のすべてが皮膚のシワとは限りません。
皮膚自体には深い線がなくても、顔の立体的な高低差によってシワのように見えることがあります。
鼻横の高低差でできる「影」

鼻翼基部と外側の頬に高低差があり、小鼻の横に影が入っている例です。
鼻横が暗く見える場合、皮膚に深い線が入っているのではなく、鼻翼基部とその外側の頬との高低差によって影ができていることがあります。
正面から見るとほうれい線のように見えても、照明の向きや顔の角度によって濃さが変わる場合は、こうした影が関係している可能性があります。
特に、小鼻の横が骨格的に低く、その外側の頬に厚みがある方では、境目に影が入りやすくなります。
鼻翼基部そのもののくぼみが深くなくても、周囲との段差が大きければ鼻横の影は強く見えます。
鼻翼基部そのものがへこんでいる「くぼみ」

小鼻の付け根そのものが周囲より低く、鼻翼基部に立体的なくぼみがある例です。
小鼻の付け根そのものが周囲より低くなっている場合は、鼻翼基部のくぼみが関係しています。
無表情でも小鼻の横に立体的なくぼみがあり、その部分から下に向かって影が続くと、ほうれい線全体も深く見えることがあります。
若い頃から鼻横がへこんでいる方もいれば、年齢とともに鼻横の影が目立つようになる方もいます。
もともとの骨格に加え、加齢による骨格・脂肪・皮膚の変化が重なるためです。
自宅で確認するときの目安
鏡だけで原因を正確に判断することはできませんが、自宅で見るときは次の点が参考になります。
乾燥や皮膚のシワが目立つ場合
- 乾燥した日に細かな線が目立ちやすい
- 保湿したあとに少し目立ちにくくなる
- 笑ったあとに皮膚の線が残る
- ファンデーションが細い線に入り込む
- 無表情では鼻横の深い影がそれほど目立たない
このような場合は、皮膚表面の乾燥やハリ低下によって、鼻横の細かなシワが目立っている可能性があります。
まずは保湿と紫外線対策を行い、洗顔やスキンケアの際に鼻横を強くこすらないようにしてください。
無表情でも影・くぼみが目立つ場合
- 無表情でも小鼻の横に影がある
- 鼻横が周囲より低く見える
- 照明や写真によって影が濃く見える
- 鼻横から下に向かってほうれい線が深く見える
- 保湿しても影があまり変わらない
- 鼻横とその外側の頬に段差がある
このような場合は、皮膚表面だけでなく、鼻翼基部のくぼみや頬との高低差が関係している可能性があります。
シワとくぼみが重なっている方もいます。
鼻翼基部はどこ?ほうれい線とどう関係する?
鼻翼基部は小鼻の付け根にある部分
「鼻翼基部(びよくきぶ)」とは、小鼻の付け根周辺のことです。

この部分の奥には上顎骨や梨状口周囲の骨格があり、その上に脂肪や皮膚などの組織が重なっています。
鼻翼基部の高さにはもともと個人差があります。
若い頃から小鼻の横が低く見える方もいれば、年齢とともに周囲との高低差が大きくなり、以前より影が目立ってくる方もいます。
鼻翼基部そのものの治療や症例については、鼻横のほうれい線のくぼみ・鼻翼基部の治療で詳しく解説しています。
鼻翼基部が低いと、鼻横に影ができてほうれい線が深く見える
鼻翼基部が周囲より低いと、小鼻の横に高低差ができます。
そこに光が入りにくくなると影ができ、鼻横から口元へ続く線が実際より深く見えることがあります。
さらに、外側の頬に厚みがある方では、鼻翼基部との段差が大きくなるため、影がより強調されることがあります。
このため、診察では「ほうれい線があるか」だけを見るのではなく、
- 小鼻の付け根自体がどのくらい低いか
- その外側の頬にどのくらい厚みがあるか
- 皮膚にシワが残っているか
この3点を診察で確認します。
なぜ鼻横に影・くぼみができる?
鼻横の影は一つの原因だけで生じるとは限りません。
もともとの骨格、頬との高低差、年齢による変化などが重なって見えることがあります。
もともとの鼻翼基部周囲の骨格
若い頃から鼻横にくぼみがある方では、鼻翼基部周囲の骨格が関係していることがあります。
小鼻の付け根を支える上顎骨や梨状口周囲の形には個人差があるため、鼻翼基部が周囲より低く見える方もいらっしゃいます。
その場合、皮膚が若くハリのある時期でも、鼻横には影が入りやすくなります。
実際の診察でも、まだ若い方から「鼻横の影だけが気になる」と相談されることがあります。こうした場合は、皮膚の老化だけでなく、もともとの鼻翼基部周囲の骨格も確認します。
上顎骨、頬骨、口元など、顔全体の骨格とほうれい線の関係については、ほうれい線が目立つ人の特徴と対策~骨格編~をご覧ください。
鼻翼基部と頬の厚みによる段差
鼻横の影の強さは、鼻翼基部のくぼみだけで決まるわけではありません。
例えば、小鼻の付け根自体のくぼみがそれほど強くなくても、その外側の頬に厚みがあると高低差が大きくなります。
反対に、顔全体のボリュームが少なく、鼻横周囲も痩せていることで影が出る方もいます。
そのため「頬のお肉が多いから」「痩せているから」と一つの条件だけで判断することはできません。
鼻翼基部と、その周囲の頬の厚みを一緒に見る必要があります。
加齢による骨格・脂肪・皮膚の変化
年齢を重ねると、皮膚だけでなく、鼻翼基部を支える骨格や顔の脂肪にも加齢の影響が出ます。
鼻翼基部周囲では、上顎骨や梨状口周囲の骨が少しずつ吸収され、支えが減っていきます。
顔の脂肪は部位によって減少したり下方へ移動したりし、皮膚ではコラーゲンやエラスチンが減少してハリが低下します。
これらが重なると、
- 小鼻の付け根が以前より低く見える
- 鼻横と頬の段差が大きく見える
- 皮膚のシワも残りやすくなる
若い頃から鼻横に影があった方でも、年齢を重ねるにつれて影が濃く見えることがあります。

ほうれい線全体の原因については、ほうれい線の原因についてでも解説しています。
頬のたるみが鼻横の影を強調することもある
年齢とともに頬のお肉がたるむと、鼻横の外側に頬のお肉がかぶさり、鼻翼基部との段差が強く見えることがあります。
この場合、鼻翼基部そのもののくぼみだけを見ても、影ができる理由を十分に説明できません。
鼻横に影があり、そのまま下へほうれい線が深く見える方では、頬のお肉のたるみや厚みも一緒に確認します。

診察で確認しているポイント
鼻横のシワ・影・くぼみは、複数の要素が重なっていることがあります。
「ほうれい線が気になる」と相談に来られた方でも、実際に診察すると、ほうれい線そのものより小鼻の付け根のくぼみや鼻横の影が強く目立っていることがあります。
私も診察では、鼻翼基部だけを切り取って見るのではなく、無表情と笑った時の違い、頬との段差、皮膚に残っているシワ、ほうれい線全体とのつながりを見ています。
無表情の時と笑った時の違い
まず、顔の力を抜いた状態で鼻横を確認します。
無表情でもくぼみがはっきり見える場合は、鼻翼基部の高さや頬との段差が影響している可能性があります。
一方、無表情ではそれほど目立たず、笑った時に線が深くなる場合は、頬のお肉が持ち上がることで鼻横の皮膚が折れ込み、シワが深く見えることがあります。
笑ったあとに線だけが残るのか、立体的な影まで残るのかも確認します。
鼻翼基部そのものの深さと、頬との段差
小鼻の付け根がどの程度低く見えるのか、その外側の頬との高低差がどのくらいあるのかを見ます。
同じように鼻横へ影が入っていても、
- 鼻翼基部そのもののくぼみが強い方
- 外側の頬との段差によって影が強く見える方
- 両方が重なっている方
では治療の考え方が変わります。
左右差についても確認します。
皮膚のシワ・ハリ低下がどのくらい重なっているか
鼻横を近くで見ると、立体的なくぼみの上に皮膚のシワが重なっていることがあります。
ヒアルロン酸などでくぼみを補っても、皮膚自体に残っている線まで同じように改善するとは限りません。
反対に、皮膚のハリを改善する治療を行っても、骨格による深いくぼみがそのまま残ることがあります。
診察では、皮膚に残っているシワがどの程度あるか、鼻翼基部や頬の高低差がどの程度あるかを確認します。
ほうれい線・頬のたるみも一緒に確認する
実際の診察では、鼻翼基部だけが原因という方はそれほど多くありません。多くの方では、
- 鼻翼基部のくぼみ
- 鼻横から口元に続くほうれい線
- 頬の厚み
- 頬のたるみ
- 皮膚のハリ低下
などが複数重なっている方もいらっしゃいます。
鼻翼基部のくぼみだけを治療しても、ほうれい線や頬との段差は残ることがあります。
ほうれい線だけを治療しても、小鼻の付け根のくぼみが残っていれば、鼻横の影も残ります。
診察では、どの部分の影やシワが一番目立っているのかを確認してから治療を考えます。
診察結果から、グロースファクター・ヒアルロン酸・糸リフトをどう考える?
治療は、皮膚のシワ、鼻翼基部のくぼみ、頬のたるみのどれが強いかによって変わります。
鼻横の状態と治療の考え方
| 治療 | どのような状態で考えるか | 主に何を改善するか | 効果の現れ方 | その治療だけでは改善しにくいもの |
|---|---|---|---|---|
| グロースファクター | 鼻横からほうれい線に皮膚のシワが残る、皮膚のハリ低下も重なっている | 皮膚のハリ・厚み、ほうれい線のシワ | 徐々に効果が現れる | 骨格による深いくぼみをその場で持ち上げること |
| ヒアルロン酸 | 鼻翼基部のくぼみや頬との段差がはっきりしている | 不足しているボリュームを補い、くぼみ・段差を目立ちにくくする | 注入直後からくぼみが浅くなったことを実感しやすい | 皮膚そのものに刻まれたシワや、頬全体のたるみ |
| 糸リフト | 頬のたるみが鼻横やほうれい線の影を強めている | 頬のたるみを引き上げ、鼻横にかぶさるたるみを減らす | 施術直後からリフトアップ効果を実感できます | 鼻翼基部そのものの深いくぼみ |
皮膚のシワやハリ低下も重なっている場合|グロースファクター
グロースファクターは、ほうれい線部分の皮膚のハリや厚みを改善する目的で行う注射治療です。
鼻翼基部に立体的なくぼみがあるだけでなく、その周囲に無表情でもシワが残っている方には、グロースファクターをご提案することがあります。
効果は徐々に現れます。
当院では、長期的なシワの改善に加え、シワやたるみが今後さらに目立つことを予防する目的も含めて治療しています。
一方、骨格による鼻翼基部のくぼみが強い場合は、グロースファクターだけでは立体的な段差が残ることがあります。
その場合は経過を確認したうえで、必要な部分にヒアルロン酸を追加することもあります。
グロースファクターの詳しい治療内容や長期経過については、グロースファクターについてをご覧ください。
鼻翼基部のくぼみ・頬との段差が強い場合|ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、くぼんでいる部分へジェル状の製剤を注入し、ボリュームを補う治療です。
鼻翼基部そのものが低く、頬との段差によって影が強く見える場合は、ヒアルロン酸でくぼみを補うことがあります。
注入直後から、鼻翼基部のくぼみがどの程度浅くなったかを確認できます。
ただし、鼻横にはどれだけ入れてもよいわけではありません。
量が多すぎたり、注入する位置が適切でなかったりすると、小鼻の横が不自然にふくらんで見えることがあります。
また、くぼみを補っても、皮膚そのものに残るシワや頬のたるみまで同じように改善するわけではありません。
鼻翼基部へのヒアルロン酸、グロースファクターとの使い分け、症例、料金、リスクについては、鼻横のくぼみ・鼻翼基部の治療で詳しく説明しています。
ヒアルロン酸そのものについては、ほうれい線のヒアルロン酸注射もご覧ください。
グロースファクターとの違いは、ヒアルロン酸注射とほうれい線グロースファクターの比較にまとめています。
頬のたるみが鼻横の影を強調している場合|糸リフト
頬のたるみによって鼻横との段差が大きくなり、ほうれい線まで影が強く見えている場合には、糸リフトを組み合わせることがあります。
糸リフトは頬のたるみを引き上げる治療であり、鼻翼基部そのもののくぼみを直接埋める治療ではありません。
そのため、鼻翼基部のくぼみが強い方では、糸リフトだけで鼻横の影が十分に改善するとは限りません。
診察では、鼻翼基部への注入が必要か、頬のたるみを引き上げた方がよいか、両方が必要かを見ています。
糸リフトについては、糸リフトについてで詳しく解説しています。
鼻横のシワ・影・くぼみが気になる方へ
鼻横に見えている線は、皮膚表面のシワだけとは限りません。
鼻翼基部のくぼみによって影ができていることもあれば、外側の頬との段差によって濃く見えていることもあります。そこに皮膚のシワが重なっている方もいらっしゃいます。
当院では、
- 無表情の時と笑った時の違い
- 鼻翼基部そのものの深さ
- 鼻横と頬との段差
- 皮膚に残っているシワ
- ほうれい線や頬のたるみ
を確認し、どの部分が一番影響しているのかを診察します。
鼻横に見えているものがシワなのか、影なのか、くぼみなのか、ご自身だけで判断するのが難しいこともあります。
カウンセリングの時点で治療を決めていただく必要もありません。診察で現在の状態を確認したうえで、グロースファクター、ヒアルロン酸、糸リフトなど、それぞれを行う場合の違いをご説明します。
鼻翼基部への具体的な治療方法や、ヒアルロン酸・グロースファクターの症例を詳しく見たい方は、鼻横のくぼみ・鼻翼基部の治療についてをご覧ください。
顔全体の骨格とほうれい線の関係を知りたい方は、ほうれい線が目立つ人の特徴と対策~骨格編~で解説しています。









