口横のお肉が下がってきた、フェイスラインがぼやけてきた。そんなたるみを、メスで皮膚を切らずに引き上げる治療が「糸リフト」です。
当院はほうれい線・シワ治療を専門としていますが、頬から口元、フェイスラインまで、お顔全体のたるみも治療しています。この記事では、糸リフトの仕組みや効果、実際の症例、必要な本数と料金、施術後の過ごし方をお伝えします。
この記事の結論
糸リフトは、小さな突起のついた医療用の糸で、たるんだ頬のお肉を引き上げる治療です。口横のもたつきやフェイスラインを改善し、直後から効果を実感できます。
当院では、頬の脂肪や皮膚の厚み、左右差を診察し、自然に仕上がるように糸の種類・本数・入れる場所を決めます。糸代以外に費用はかからず、総額は施術前にご説明します。
糸リフトとは?どんな仕組みで小顔になる?
糸リフトは「スレッドリフト」とも呼ばれます。糸の表面には、コグというトゲのような小さな返しがついています。この返しが皮下の組織に引っかかり、下がった頬を内側から持ち上げます。
口横にたまって見えるお肉や、顎の輪郭にかぶさったたるみを引き上げると、フェイスラインがすっきりします。お顔の下半分が引き締まり、小顔に見えるのは、このためです。
皮膚を切除するフェイスリフトと比べると、傷が小さく、ダウンタイムを抑えて治療できます。糸を入れた周囲ではコラーゲン形成も促されるため、リフトアップに加えて、肌のハリを高める効果も期待できます。
糸リフトで、口元やフェイスラインはどう改善する?
当院で糸リフトを受けられた方の症例です。正面から見た口横のふくらみだけでなく、斜めから見た顎のラインにもご注目ください。


20代女性・当院看護師|フェイスラインと口元のもたつきを改善
当院の看護師が受けた治療です。糸リフト12本で頬をリフトアップし、顎にはヒアルロン酸を1本注入しました。口元のもたつきが改善し、フェイスラインもすっきりしています。

40代女性|口角横の「ポニョ」をすっきり
口角の横にかぶさるお肉、いわゆる「ポニョ」が気になっていた方です。左右6本ずつ、計12本の糸で頬をリフトアップし、口元のたるみを改善しました。

30代女性|笑った時の口角横のカーテンじわを改善
笑った時に、口角の横へ縦に寄るカーテンじわが気になっていた方です。糸リフトと、ほうれい線・口角へのヒアルロン酸注入を組み合わせて改善しました。
50代女性|頬をリフトアップし、ほうれい線を薄く
頬のたるみがかぶさって、ほうれい線が目立っていた方です。糸リフトで頬のお肉を引き上げることで、ほうれい線と口元のたるみが改善しました。

糸リフトが向いているのは、どんな人?
頬や口横のお肉がたるみ、フェイスラインがはっきりしなくなった方には、糸リフトが向いています。切開手術は避けたいけれど、たるみをしっかり引き上げたい方にも行う治療です。
糸リフトの種類|当院で使うPCL・PLCL
糸リフトには、体内で吸収される「溶ける糸」と、吸収されずに残る糸があります。当院で使っているのは、溶ける糸です。
糸リフトには、PDO・PCL・PLCLなどの素材が使われています。当院がPCL・PLCLを採用している理由は、持続力と、コラーゲン生成によるハリ・美肌効果を重視しているからです。PDOよりゆっくり吸収される素材で、頬をリフトアップするだけでなく、お肌のハリを保つことも目指しています。
研究では、PCLはPDOより長く組織内に残り、コラーゲン形成も長く続いたと報告されています。PLCLについても、コラーゲン形成や皮膚のリモデリングが調べられています。
当院では、頬の脂肪を減らす目的ではなく、たるんだお肉をリフトアップするためにPCL・PLCLを使っています。頬のふっくらした感じを残しながら、口元やフェイスラインをすっきり整えます。
参考:PCLとPDOの比較研究(基礎研究) / PLCLの皮膚リモデリング研究(基礎研究)。いずれも人での治療効果を比較した研究ではありません。
PCL|柔らかさとしなやかさが特徴
PCLはポリカプロラクトンという素材です。柔軟性があり、笑ったり話したりする時の動きになじみやすい特徴があります。頬や口元を、自然な形に引き上げたい時に使います。
PLCL|しなやかさに加え、引き上げる力を重視
PLCLは、ポリ乳酸とカプロラクトンを組み合わせた素材です。当院で採用しているPLCLの糸は、柔軟性と引き上げる力を備えており、頬や口横のたるみをしっかり持ち上げたい方に使用しています。
糸リフトの効果はいつから?どのくらい持続する?
引き上げ効果は、施術直後から実感できます
糸で頬のお肉を持ち上げるため、効果は施術直後から実感できます。直後は腫れやつっぱり感もありますが、1〜2週間ほどで落ち着き、表情になじんできます。
見た目のリフト効果は、PCL・PLCLで1年程度が目安
当院で使うPCL・PLCLでは、見た目のリフト効果は1年程度が一つの目安です。糸の本数や入れ方、たるみの強さ、頬のお肉の重さによって持続期間は変わります。
糸そのものは、約18〜24か月かけて吸収されます。その間ずっと、施術直後と同じ強さで引き上がっているわけではありません。糸が吸収される過程ではコラーゲン形成も促され、肌のハリを支えます。
再び口横のもたつきやフェイスラインが気になってきた時は、追加の時期をご相談ください。前回の仕上がりや現在のたるみを見て、糸の種類と必要な本数をご説明します。
自然に仕上げるために、当院で大事にしていること
糸リフトは、リフトアップの効果だけでなく、笑った時も自然に見えることが大事です。当院では、正面・斜め・横から、頬の脂肪や皮膚の厚み、もともとの左右差を診察します。
頬のふっくらした感じを残したい部分と、口横や顎のラインをすっきりさせたい部分を見極め、糸を入れる場所・層・方向・本数を決めます。お顔のバランスを見ながら、引き上げる強さも調整します。
なお、私は、他院で糸リフトを受けられた方で、顔面神経の麻痺やしびれ、糸が皮膚から出てくる、透けて見える、1か月ほど口を開けにくい状態が続くといった例を見たことがあります。
そのため、当院では、そのようなトラブルが起きないように、神経や血管の走行に注意し、適切な層へ糸を入れています。これまで、当院ではこのようなトラブルを経験していません。
料金やクーポンの安さだけでクリニックを決めない方が良いです。糸リフトは、医師の技量が仕上がりと安全性に関わる治療です。
糸リフトは何本必要?本数別の料金
当院では、左右合わせて8〜14本が目安です。口横を中心に引き上げるのか、頬からフェイスラインまで広く治療するのかによって、必要な本数は変わります。
料金は、PCLが1本22,000円、PLCLが1本27,000円です。診察代や麻酔代なども含まれており、糸代以外に費用はかかりません。
| 本数 | PCL | PLCL |
|---|---|---|
| 1本 | 22,000円 | 27,000円 |
| 8本 | 176,000円 | 216,000円 |
| 10本 | 220,000円 | 270,000円 |
| 12本 | 264,000円 | 324,000円 |
| 14本 | 308,000円 | 378,000円 |
すべて同じ種類の糸を使用した場合の総額です。糸リフトは自由診療です。
当院は明朗会計です。無理な営業やアップセル、オプションを次々に追加することはしません。
ご希望とご予算を伺い、必要な糸の種類・本数・総額を施術前にご説明します。
ほうれい線やマリオネットラインのくぼみも気になる方へ
糸リフトで頬を引き上げると、たるみによるほうれい線やマリオネットラインも目立ちにくくなります。くぼみが深い方は、ヒアルロン酸を組み合わせると、より綺麗に仕上がります。
糸リフトでたるみを引き上げ、ヒアルロン酸でくぼみを補います。併用が必須というわけではありません。気になる部分から治療することも、同じ日に両方を治療することもできます。
60代女性|糸リフトとヒアルロン酸で口元を改善
特に左側のマリオネットラインが気になっていた方です。糸リフトで頬を引き上げ、ほうれい線とマリオネットラインにヒアルロン酸を注入し、左右のバランスも整えました。

ヒアルロン酸は直後から効果を実感でき、当院で使用する製剤では1〜2年程度の持続が目安です。くぼみが主なお悩みであれば、糸リフトをせず、ヒアルロン酸で治療することもあります。
ほうれい線のヒアルロン酸治療について / 糸リフトでほうれい線はどこまで改善する?
施術の流れと、治療中の痛み
診察・デザイン
いちばん気になる部分と、どのくらい引き上げたいかを伺います。お顔を診察して、使う糸と入れる位置を決め、料金や注意点をご説明します。過去の糸リフトや注入治療、服用している薬、薬のアレルギーもお知らせください。妊娠中・妊娠の可能性がある方は治療を受けられません。授乳中の方も、状況によっては糸リフトを受けられないことがあります。

麻酔をしてから、糸を入れます
局所麻酔を行い、効いていることを確認してから糸を挿入します。麻酔の注射ではチクッとしますが、痛みは我慢できるレベルです。糸を入れる時には、押される感覚や引っ張られる感覚があります。
痛みが強い時は麻酔を追加します。ただし、麻酔を入れすぎると施術後の腫れが強くなるため、痛みを確認しながら必要な量に調整しています。
リフトアップの程度と左右のバランスを確認し、調整します。
また事前に、治療後の注意点をご説明し、感染予防の抗菌薬や、必要な痛み止めをお渡しします。
ダウンタイムはどのくらい?仕事や外出の目安
腫れは数日〜1週間ほど、内出血が出た場合は1〜2週間ほどが目安です。当院では、糸を入れる層や操作を工夫し、腫れ・内出血をできるだけ抑えて治療しています。
当院では、1週間ほどで見た目が自然になる方が多いです。その後も、笑った時や口を開けた時のつっぱり感が残ることはありますが、見た目の違和感は少ないことがほとんどです。
| 時期 | 主な経過 |
|---|---|
| 当日〜数日 | 麻酔によるむくみ、腫れ、軽い痛みやつっぱり感が出ます。 |
| 1週間前後 | 腫れや見た目の違和感が落ち着いてきます。口を動かした時の痛みが残る方もいます。 |
| 1〜2週間 | 内出血やつっぱり感が徐々に軽くなります。違和感が数週間続く場合もあります。 |
施術後に気をつけていただきたいこと
糸リフトの副作用・リスク
糸リフト後は、腫れ・内出血・痛み・つっぱり感が出ることがあります。左右差や皮膚のへこみも、起こり得る副作用です。
感染、糸が透ける・露出する、神経や耳下腺を傷つけるなどのリスクもあるとされていますが、当院では、これまでこうしたトラブルは起きていません。解剖を踏まえ、糸を入れる場所や層、操作に注意して施術しています。
痛みや腫れが日ごとに強くなる、赤みや熱感が広がる、糸が出てきた、表情を動かしにくいなどの症状があれば、施術を受けられた医院へご連絡ください。ご自身で強く揉んだり、出てきた糸を引っ張ったりしないでください。
糸リフトについて、よくあるご質問
糸リフトは、顔のどこに入れるのですか?
頬や口横、フェイスラインなど、引き上げたい部分の皮下に入れます。糸を入れる入口や方向は、たるみの位置によって変わります。当院では診察時に、どの部分をどのように引き上げるかをご説明します。
糸リフトをすると、将来かえってたるみますか?
いいえ。むしろ、当院では、糸リフトによるリモデリングでコラーゲンが増え、たるみにくい肌質になる効果も期待しています。
傷跡は目立ちますか?
皮膚を大きく切る手術ではないため、傷は糸を入れる小さな入口です。通常は時間とともに目立ちにくくなります。赤みが続く、膿が出る場合は、施術を受けられた医院へご相談ください。
糸が溶けたら、すぐに元に戻りますか?
糸は少しずつ吸収されるので、ある日突然、施術前のお顔に戻るわけではありません。引き上げる力は徐々に弱まり、糸の周囲にできたコラーゲンが肌のハリを支えます。口横のもたつきが再び気になってきた頃が、次の治療を相談する目安です。
糸リフト後に、ハイフやデンシティは受けられますか?
はい。糸リフト後のメンテナンスとして、ハイフやデンシティもおすすめしています。糸でリフトアップした後に、照射治療でお肌を引き締め、ハリを保ちます。
当院では、糸リフト後のハイフ・デンシティは、どちらも3か月程度あけています。
相談だけでも大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。糸リフトが合うかどうか、必要な本数、どこまで改善できるのか、費用や注意点までご説明します。
頬や口元のたるみが気になったら、ご相談ください
糸リフトは、たるんだ頬を引き上げ、口元やフェイスラインをすっきりさせる治療です。糸の種類や本数に加え、お顔に合った場所・層・方向へ入れることが、自然な仕上がりにつながります。
「糸リフトを受けた方がいいのか分からない」という段階でも、ご相談いただいて大丈夫です。しっかり診察したうえで、必要な治療をご提案します。お話を聞いて、一度持ち帰り、ご自宅で検討していただいて構いません。












