
著者:
ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会代表 笹川新也 ドクター紹介はこちら
「糸リフトでリフトアップしたはずなのに、、なんだか最近またたるみがでてきて、とくにほうれい線が気になる」
そんな声を多くの患者様から聞きます。糸リフト、ショッピングリフト、HIFUなど、たるみにアプローチする治療は確かに効果的です。
しかし、“リフトアップ=ほうれい線が消えるて長持ちするとは限らないのです。
今回は、その理由と適切な治療の選び方を、美容皮膚科の視点からお伝えします。
なぜ「リフトアップ」だけではほうれい線が消えないのか?
答えはほうれい線は単なる皮膚のしわではなく、顔の構造変化が生み出す溝だがらです。
● 主な原因
骨の萎縮(頬骨・上顎骨)
脂肪の下垂と減少
真皮のコラーゲン・エラスチン減少
表情筋の衰えや癖
原因①:ほうれい線の「くぼみ」は、構造的な溝
ほうれい線は、単なる皮膚のたるみではなく、頬と口元の間に存在する“構造的な段差”が原因です。
どれだけ皮膚を引き上げても、溝そのものが埋まらない限り影は残ります。
原因②:ボリュームロス(脂肪・骨量の減少)
年齢とともに頬の脂肪や骨が痩せることで、皮膚が内側に落ち込み、ほうれい線が深くなります。
リフトアップでは皮膚を引き上げられても、“中身”のボリュームは戻らないため、くぼみは残るのです。
原因③:口周りの筋肉の動きが強い
会話・食事・笑顔など、日常的に使う口元の筋肉(口輪筋)は非常に活発です。
引き上げても表情の動きですぐにほうれい線が戻ってしまうことがあります。
ほうれい線が出来る理由についてはいいかにまとめましたので是非ご一読ください。
「リフトアップ」それぞれの治療について
糸リフト
糸リフトとは、特殊な糸を皮膚の下に挿入し、皮膚やSMAS層を物理的に引き上げるリフトアップ治療です。
使用される糸は、体内で吸収される「溶ける糸」が主流で、コラーゲン生成を促す効果もあります。
主な適応は、中顔面のたるみ・フェイスラインのもたつき・ほうれい線の軽度の影などで、効果は施術直後から実感できることが多く、約6ヶ月〜2年程度持続します。
糸の種類や本数、引き上げ方向により仕上がりをデザインできる自由度があります。
多少のダウンタイムがあり腫れや内出血が数日〜1週間程度持続しますが、メイクは翌日から可能です。
ただし、くぼみや深いほうれい線そのものを消す力は弱く、ヒアルロン酸との併用が効果的です。
一部の方では、ひきつれ感・痛み・左右差などの副作用が出る場合があり、効果と安全性を得るには、皮膚の構造を熟知した医師による施術が不可欠です。
自然な若返りを目指すなら、「引き上げ」だけでなく全体バランスの診断がカギとなります。
ショッピングリフト
ショッピングリフトは、極細の吸収糸を多数皮下に挿入することで、肌のハリや密度を高める美容治療です。
“引き上げる”というよりも、コラーゲンの生成を促して肌の内側から引き締めるのが目的です。
初期のたるみ予防や、フェイスラインのもたつき軽減に適しており、糸は時間とともに体内で吸収され、その過程で肌の再構築が進みます。
使用する糸の本数が多いですが、自然な仕上がりを目指したい方に向いています。
治療後のダウンタイムは糸リフトよりは少なく、赤みや内出血が出ることはありますが、メイクは翌日から可能です。
効果のピークは2〜3ヶ月後で、持続はおよそ半年〜1年とされています。
ただし、深いたるみやほうれい線の溝を消す力は弱く、単独では限界があります。
HIFUやヒアルロン酸などと併用することで、より満足度の高い若返り効果が期待できます。
自然な予防的エイジングケアとして、30代からの“はじめてのリフト”に選ばれることも多い治療です。
HIFU
ハイフ(HIFU)は、超音波を使って皮膚の深層(SMAS筋膜)まで熱エネルギーを届け、たるみを引き締める治療です。
メスを使わない“切らないリフトアップ”として人気があり、6ヶ月にわたり効果が現れます。
フェイスラインのもたつきや頬のたるみ、軽度のほうれい線に特に有効で、痛みやダウンタイムが少ないため、仕事や日常生活への影響が最小限で済みます。
1回でも効果を実感する人が多いですが、半年~1年に1回の継続がおすすめです。
HIFUの熱エネルギーにより、コラーゲンが再生・収縮し、ハリ感もアップします。
重度のたるみには単独での効果が弱いため、糸リフトやヒアルロン酸との併用が勧められます。
ほうれい線には「溝を埋める治療」の併用が有効
リフトアップだけでは不十分な場合、以下の治療を組み合わせることで「影の解消」が可能です。
ロースファクター注射:真皮からの肌再生注射で、コラーゲンエラスチンを増やし、自然な仕上がりで長期間(最長10年)ほうれい線を改善する。
ヒアルロン酸注入:くぼみに直接ボリュームを補い、影を軽減させます。
まとめ「リフトアップ=ほうれい線改善」とは限らない
リフトアップはたるみには効果的ですが、“ほうれい線の正体”はそれだけではないということを知っておきましょう。
影の正体に合わせて、「引き上げ」と「埋める」の両方を取り入れることが、最も自然で効果的な若返りにつながります。
当院では、表面のたるみだけでなく構造・ボリューム・表情筋の影響まで考慮した治療設計を行っています。
たるみ治療を行っても改善しないほうれい線も、当院にお任せください。