著者:
ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック/名古屋Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会代表 笹川新也 ドクター紹介はこちら
ボトックスは、美容医療の中でも比較的よく行われている注射治療です。
しわ、エラの張り、多汗症、毛穴、皮脂、笑った時の表情じわなど、さまざまな悩みに使われています。
ボトックスは、比較的安全性が高い治療方法ではありますが、体質や持病、妊娠・授乳、内服薬、過去のボトックス治療歴によっては、
受けてはいけない方、あるいは慎重に判断した方がよい方がいます。
先に結論をお伝えすると、ボトックスを本当に受けてはいけない方は限られます。
特に注意が必要なのは、妊娠中・授乳中の方、重症筋無力症など神経筋接合部の疾患がある方、過去にボトックスで強いアレルギーを起こした方、他のボツリヌス毒素製剤で治療中の方です。
日々の診療でも、患者さんからよく聞かれるのは「ボトックスを打ちたいのですが、私は受けても大丈夫ですか?」という相談です。
この記事では、アラガン社製ボトックスビスタの添付文書も踏まえながら、ボトックスを受けてはいけない人、事前申告が必要な人、そして「受けられるけれど効果が出にくい可能性がある人」まで、実際の診療感に近い形で解説します。
ボトックス治療そのものの効果や仕組みを先に知りたい方は、ボトックス治療とは?の記事も参考にしてください。
このような方はいらっしゃいますか?
- 睡眠薬や抗不安薬を飲んでいるけれど、ボトックスを打ってよいか不安
- ニキビ治療で抗生剤を飲んでいる
- 花粉症薬や高血圧の薬を飲んでいる
- 妊娠中、授乳中、または妊活中で迷っている
- 過去にボトックスが効きにくくなった経験がある
- 副作用やアレルギーが怖い
- 自分のしわや悩みに、本当にボトックスが合っているのか分からない
ボトックスは便利な治療ですが、禁忌・注意点・適応は分けて考える必要があります。
この記事では「絶対に避けるべきケース」と「医師に申告したうえで判断すべきケース」を分けて説明します。
目次
ボトックスを打ってはいけない人とは?
ボトックスを打ってはいけない人、いわゆる禁忌にあたる方は、添付文書上でも明確に定められています。
大きく分けると、以下のような方です。
- 妊婦、妊娠している可能性のある方、授乳中の方
- 重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など、全身性の神経筋接合部の疾患がある方
- ボトックス製剤の成分に対して過敏症の既往がある方
- 他のボツリヌス毒素製剤で治療中の方
これらに該当する場合は、美容目的で無理にボトックスを受けるべきではありません。
美容医療は病気の治療とは違い、「絶対に今やらなければいけない治療」ではありません。
だからこそ、安全性を優先して判断することが大切です。
一方で、添付文書上で「併用注意」とされる薬を飲んでいる場合や、一般的な持病がある場合は、必ずしも全員が受けられないわけではありません。ここを一緒に混同してしまうと、必要以上に不安になってしまいます。
妊婦・授乳中・妊娠の可能性がある方
妊婦の方、妊娠している可能性がある方、授乳中の方は、原則としてボトックスを受けるべきではありません。
ボトックスが必ず胎児や赤ちゃんに影響するという意味ではありませんが、妊娠中・授乳中に対する安全性が十分に確立しているわけではないためです。
そのため、妊娠中や授乳中に「額のしわを少し抑えたい」「エラを小さくしたい」「汗を減らしたい」という理由で、あえてボトックスを行う必要はないと考えます。
また、妊娠を希望されている方も注意が必要です。
添付文書上では、女性は投与中および最終投与後2回の月経を経るまでは避妊すること、男性は投与中および最終投与後少なくとも3か月は避妊することが記載されています。
実際の診療でも、妊活中の方には「今すぐ必要な治療かどうか」を一度立ち止まって考えていただくようにしています。
妊娠とボトックスの関係について詳しく知りたい方は、ボトックス施術してからいつ妊娠していいの?の記事でより詳しく解説しています。
ボトックスに対してアレルギーがある方
非常にまれですが、ボトックス注射後にアレルギー症状が出る方がいます。
ボトックスそのものに反応する場合もありますが、製剤に含まれる添加成分に反応する可能性もあります。
ボトックスビスタには、添加物としてヒト血清アルブミンが含まれています。
そのため、過去にボトックス製剤で強いアレルギー症状を起こしたことがある方は、再度の治療は慎重に考える必要があります。
ボトックスによるアレルギーでは、以下のような症状が出ることがあります。
- 皮膚の赤み
- かゆみ
- 腫れ
- 蕁麻疹
- まぶたや唇の腫れ
- 喉の違和感
- 動悸
- 吐き気
- 下痢
多くは軽い症状で済むこともありますが、まれにアナフィラキシーのような重いアレルギー反応につながる可能性もあります。
「以前ボトックスを受けた後に全身がかゆくなった」「唇やまぶたが腫れた」「息苦しさを感じた」という経験がある方は、必ず事前に医師へ伝えてください。
アレルギー以外の副作用について知りたい方は、ボトックス注入療法の副作用・リスクについての記事も参考になります。
全身性の神経筋接合部の疾患をもつ方
重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症などの疾患がある方は、ボトックス治療を受けることができません。
これらは、神経から筋肉へ命令を伝える「神経筋接合部」や神経・筋肉の働きに関わる疾患です。
ボトックスは、まさにこの神経から筋肉への伝達を弱めることで効果を出す薬剤です。
そのため、もともと神経筋接合部に障害がある方に使用すると、筋力低下が悪化したり、飲み込みにくさ、呼吸のしづらさなどにつながる可能性があります。
美容目的のボトックスでは、眉間・額・目尻・エラなどに少量ずつ使用することが多いですが、それでも神経筋疾患がある方では安全性を優先すべきです。
実際の診療では、内服薬だけでなく、以下のような症状がないかも確認します。
- まぶたが疲れやすい
- 夕方になると目が開きにくい
- 飲み込みにくさがある
- むせやすい
- 手足の筋力低下を感じる
- 原因不明の脱力感がある
このような症状がある方は、ボトックスを受ける前に、まず主治医へ相談することをおすすめします。
他のボツリヌス毒素製剤で治療中の方
他のボツリヌス毒素製剤で治療中の方も、ボトックスビスタの禁忌に含まれます。
これは、複数のボツリヌス毒素製剤を同時期に使用することで、作用が強く出すぎる可能性があるためです。
美容医療では、他院でボトックスを受けた直後に、別のクリニックで追加注射を希望されるケースがあります。
しかし、どの部位に、何単位を、いつ注射したのかが分からない状態で追加すると、表情の違和感や筋力低下が出やすくなることがあります。
他院でボトックスを受けた後に追加を検討している場合は、以下の情報をできるだけ伝えてください。
- 施術日
- 注射した部位
- 使用した製剤名
- 注入単位数
- 効き方や違和感の有無
ボトックスの効果はすぐに完成するわけではなく、数日から2週間程度かけて安定していきます。
追加注射を急ぎすぎると、効きすぎや左右差につながることがあるため注意が必要です。
筋弛緩薬を使用している方
筋弛緩薬を使用している方は、ボトックスとの相互作用に注意が必要です。
ボトックスも筋肉の動きを弱める治療であり、筋弛緩薬も筋肉の緊張を弱める薬です。
そのため、作用が重なることで、筋力低下や飲み込みにくさ、まぶたが閉じにくい、首に力が入りにくいなどの症状が出る可能性があります。
筋弛緩薬を飲んでいるから絶対にすべてのボトックスができない、ということではありませんが、少なくとも自己判断で受けるべきではありません。
処方されている理由、内服量、症状、注射予定部位によって判断が変わります。
特に、首周りや広頚筋、エラなど比較的広範囲にボトックスを打つ場合は、より慎重な判断が必要です。
抗生剤を飲んでいる方はボトックスを受けられる?
添付文書上、アミノグリコシド系抗菌薬、テトラサイクリン系抗菌薬、リンコマイシン系抗菌薬などは、ボトックスとの併用に注意が必要とされています。
具体的には、ゲンタマイシン、スペクチノマイシン、フラジオマイシン、ミノマイシン、クリンダマイシンなどが挙げられます。
この中には、ニキビ治療で使われる薬も含まれます。
ただし、ここは実際の診療感と添付文書上の表現に少し温度差がある部分です。
実際には、ニキビ治療でミノマイシンを内服している方や、皮膚科で抗生剤を処方されている方に、美容目的のボトックスを行うケースは珍しくありません。
そして、通常量の美容ボトックスで明らかに重篤な筋弛緩が起こるケースは、少なくとも日々の診療では珍しいです。
ただし、添付文書上で注意が必要とされている以上、内服している薬を申告せずに受けるのはよくありません。
大切なのは、「どの薬を、どの量で、何のために飲んでいるか」を医師が確認したうえで判断し、治療を行うことです。
ニキビ治療中の方でボトックスを検討している場合は、内服薬名をそのまま伝えてください。
当院でも、薬剤名、内服期間、現在の体調、注射部位を確認したうえで、施術の可否を判断しています。
また、ボトックスはしわ治療だけでなく、皮脂や毛穴、ニキビに関連して使うこともあります。
毛穴や皮脂へのボトックスについては、ボトックス施術で毛穴を改善させる治療方法についても参考にしてください。
睡眠薬・抗不安薬を飲んでいる方は?
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗不安薬、エチゾラム、リーゼなどを使用している方も、添付文書上は併用注意に含まれます。
これらの薬には筋弛緩作用を持つものがあり、理論上はボトックスの作用が強く出る可能性があります。
ただし実際の診療では、不眠症や不安症状で薬を飲んでいる方がボトックス治療を受けることは珍しくありません。
通常量の美容ボトックスで、睡眠薬や抗不安薬を飲んでいることだけを理由に、全員が施術不可になるわけではないためです。
一方で、以下のような場合は慎重に判断した方がよいです。
- 薬の量が多い
- 複数の睡眠薬・抗不安薬を併用している
- 日中のふらつきや脱力感がある
- 飲み込みにくさや息苦しさがある
- 神経疾患の疑いがある
実際には、ボトックスで大きな問題にならないケースも多いですが、自己判断で「大丈夫」と決めるのは避けた方がよいです。
薬の名前が分かるお薬手帳や処方内容を持参していただくと、診察時の判断がしやすくなります。
花粉症薬・高血圧薬・糖尿病薬を飲んでいる場合
花粉症薬、高血圧薬、糖尿病薬を飲んでいる方からも、「ボトックスを受けても大丈夫ですか?」とよく聞かれます。
結論として、これらの薬を飲んでいることだけで、ボトックスが必ず禁忌になることは多くありません。
例えば、花粉症の抗ヒスタミン薬を飲んでいる方、高血圧で降圧薬を飲んでいる方、糖尿病で内服薬を使っている方でも、状態が安定していればボトックスを受けられるケースは多いです。
ただし、全身状態が不安定な場合、感染症がある場合、血糖コントロールが極端に悪い場合、重い合併症がある場合などは、慎重に判断します。
最近では、医療ダイエット目的でGLP-1製剤やSGLT2阻害薬を使用している方も増えています。
これらも薬を飲んでいることだけで一律にボトックス不可とは考えませんが、体調、脱水、食事量、持病の有無などを含めて判断する必要があります。
普段飲んでいる薬がある方は、「これは関係ないだろう」と自己判断せず、診察時にまとめて伝えてください。
医師側からすると、情報がある方がむしろ安全に判断できます。
ボトックス抗体(耐性)ができている方
厳密には「禁忌」ではありませんが、過去にボトックスを繰り返し受けた結果、ボトックス抗体(中和抗体)ができている可能性がある方は注意が必要です。
ここはかなり大切です。
ボトックス抗体ができている方に対して、ただ量を増やして何度も打てばよい、というものではありません。
ボトックスはタンパク質製剤です。
そのため、繰り返し注射を行うことで、ごく一部の方では体内に抗体が作られ、徐々に効きにくくなることがあります。
日々の診療でも、以下のようなご相談を受けることがあります。
- 昔は効いていたのに、最近効きにくくなった
- 効果が出るまでの変化が弱くなった
- 持続期間が極端に短くなった
- 何度打っても変化を感じにくい
- 他院でかなり短い間隔で繰り返し打っていた
このような場合、単純にボトックスの量を増やせば解決するとは限りません。
むしろ、抗体が疑われる状態でボトックスを繰り返し注射すると、さらに抗体化が高くなり、今後ますます効きにくくなる可能性があります。
そのため、ボトックス抗体が疑われる方には、無理に追加注射をおすすめしないことがあります。
もちろん、効きにくい原因がすべて抗体とは限りません。
注入量が少ない、打つ位置が合っていない、筋肉の動きが強い、しわの原因がボトックスでは改善しにくい構造的な問題である、というケースもあります。
だからこそ、「効かないからもっと打つ」ではなく、まず効きにくい原因を見つけることが大切です。
ボトックスの耐性や抗体については、ボトックスを打ち続けると耐性がついて効きにくくなる?抗体についての記事で詳しく解説しています。
「受けてはいけない人」と「受けても効果が出にくい人」は違います
ボトックスを考える時に、意外と混同されやすいのが「禁忌」と「適応」です。
禁忌とは、安全上の理由で受けてはいけない状態です。
一方で、適応とは、その悩みにボトックスが合っているかどうかです。
例えば、妊娠中の方や重症筋無力症の方は、安全性の面からボトックスを受けるべきではありません。
一方で、深いほうれい線、皮膚のたるみ、頬の下垂、目の下のくぼみなどは、ボトックスを受けること自体はできても、悩みの原因に合わない可能性があります。
【ボトックスが合いやすい悩み】
- 表情を動かした時に出る眉間のしわ
- 額の横じわ
- 目尻の笑いじわ
- エラの筋肉による張り
- 汗や皮脂が気になるケース
- 笑った時に筋肉の動きで強調される一部のほうれい線
【ボトックス単独では限界が出やすい悩み】
- 無表情でも深く刻まれているほうれい線
- 皮膚のたるみや頬の下垂が主な原因のしわ
- 鼻横のくぼみや骨格的な影
- 目の下のくぼみやゴルゴライン
- マリオネットライン
- 皮膚のハリ低下が主な原因の細かいしわ
つまり、ボトックス治療自体はお悩みが適応であれば良い治療方法となります。
実際には、ボトックスが受けられるかどうかよりも、「今の悩みに本当にボトックスが合っているか」を見極める方が大切な場面も多いです。
笑った時にほうれい線が目立つタイプでは、ボトックスが選択肢になることがあります。
詳しくは、笑った時に目立つほうれい線はボトックス注射で改善可能の記事で解説しています。
ボトックス以外の治療を考えた方がよいケース
ボトックスは筋肉の動きを弱める治療です。
そのため、表情じわや筋肉の張りには相性がよい一方で、皮膚の土台の衰え、たるみ、くぼみ、脂肪の下垂が主な原因の場合は、ボトックスだけで大きく改善するのは難しいことがあります。
特に、ほうれい線や口元の老け感では、原因が一つではないことが多いです。
皮膚、脂肪、骨格、表情筋、たるみが重なって目立っている場合、ボトックスだけでなく、グロースファクター、ヒアルロン酸、糸リフト、HIFU、RF治療などを組み合わせて考えた方が自然な場合もあります。
| 治療 | 適応するお悩み | 注意点 |
|---|---|---|
| ボトックス | 表情じわ、筋肉の動き、エラ張り、汗、皮脂 | たるみやくぼみが主原因の場合は限界がある |
| グロースファクター | 皮膚のハリ低下、ほうれい線、自然な改善、長期的な土台改善 | 即効性を求める場合は向きにくいことがある |
| ヒアルロン酸 | くぼみ、ボリューム不足、即時的な形の調整 | 入れすぎると不自然になりやすく、持続期間にも限りがある |
| 糸リフト | 頬やフェイスラインのたるみ、口元のもたつき | ほうれい線そのものや鼻横のくぼみは単独では改善しにくいことがある |
| HIFU・RF | 軽度のたるみ、引き締め、輪郭のもたつき | 深いしわやくぼみには単独では限界がある |
ほうれい線に対して注射治療を検討している方は、ほうれい線を注射で治す場合はどれが正解?グロースファクター・ヒアルロン酸・ボトックス徹底比較!の記事も参考になります。
また、ヒアルロン酸とグロースファクターの違いを知りたい方は、何が違う?ヒアルロン酸注射とほうれい線グロースファクターの比較も読んでいただくと、治療の立ち位置が分かりやすいと思います。
ボトックスの副作用も知っておくことが大切です
禁忌に該当しない方でも、副作用がまったく起きないわけではありません。
美容目的のボトックスでよく見られる可能性がある副作用には、以下のようなものがあります。
- 内出血
- 腫れ
- 痛み
- 左右差
- 効きすぎによる表情の違和感
- 眉が下がる
- まぶたが重く感じる
- 笑顔が不自然に感じる
- 一時的な頭痛
ほとんどは一時的なものですが、部位や注入量、筋肉の動きの読み方によって満足度が変わりやすい治療でもあります。
特に額や眉間は、打ち方によってまぶたの重さや眉の位置に影響することがあります。
そのため、単に「しわを止める」のではなく、表情の残し方まで考えて打つことが大切です。
まぶたが下がるリスクについて詳しく知りたい方は、ボトックスで瞼が下がるって本当?予防・治療方法は?も参考にしてください。
ボトックス施術後に気をつけること
禁忌に該当しない方でも、施術後の過ごし方によって内出血や腫れ、違和感が出やすくなることがあります。
ボトックス後は、当日は強いマッサージ、長時間の入浴、サウナ、激しい運動、過度な飲酒などは控えた方がよいです。
特に注射部位を強く揉むと、薬剤が意図しない方向へ広がる可能性があります。
ただし、ここも過度に怖がりすぎる必要はありません。
実際には、日常生活の範囲で軽く歩く、シャワーを浴びる、通常の食事をする程度で大きな問題になることは多くありません。
大切なのは、当日だけは注射部位を強く刺激しないことです。
施術後の熱・入浴・運動について詳しく知りたい方は、ボトックスは熱に弱い 施術後控えること4選の記事で詳しく解説しています。
ボトックスの持続期間と治療間隔
ボトックスは一度打つと永久に効果が持続する治療ではありません。
一般的には、効果は数日から2週間ほどで安定し、その後3〜4か月程度かけて徐々に戻っていくことが多いです。
ただし、部位、筋肉の強さ、使用量、製剤、体質によって持続期間には個人差があります。
効果が切れてきたからといって、短すぎる間隔で何度も打つのはおすすめしません。
過剰に繰り返すと、表情が不自然になったり、抗体リスクを高める可能性があります。
特に「効きにくくなってきたからすぐ追加したい」という場合は、まず原因を見極めることが大切です。
ボトックスの持続期間や適切な間隔については、ボトックスの持続期間と最適な治療間隔についてで詳しく説明しています。
よくある質問
睡眠薬を飲んでいますが、ボトックスは受けられますか?
睡眠薬を飲んでいるからといって、必ずしもボトックスが受けられないわけではありません。
ただし、薬の種類や量、ふらつき、脱力感、神経疾患の有無によって判断が変わります。
お薬手帳や処方内容を持参し、事前に医師へ伝えてください。
抗不安薬を飲んでいますが大丈夫ですか?
抗不安薬も、薬剤によっては筋弛緩作用を持つものがあります。
通常量の美容ボトックスで大きな問題にならないケースも多いですが、内服量が多い方、複数薬剤を併用している方、ふらつきや脱力感がある方は慎重に判断します。
ニキビ治療の抗生剤を飲んでいますが、ボトックスできますか?
ミノマイシンやクリンダマイシンなど、一部の抗生剤は添付文書上で併用注意に該当します。
ただし、実際にはニキビ治療中でもボトックスを受けられるケースはあります。
内服薬名、内服期間、現在の体調を確認したうえで判断しますので、事前に申告してください。
花粉症の薬はボトックスに影響しますか?
一般的な花粉症薬を飲んでいることだけで、ボトックスが禁忌になるケースは多くありません。
ただし、眠気が強い薬を飲んでいる方や、複数の薬を併用している方は、診察時に伝えてください。
高血圧や糖尿病があっても受けられますか?
高血圧や糖尿病がある方でも、状態が安定していればボトックスを受けられることはあります。
ただし、血圧や血糖コントロールが不安定な場合、重い合併症がある場合、感染症がある場合などは慎重に判断します。
ボトックスが効かなくなってきた場合、量を増やせばよいですか?
必ずしもそうではありません。
効きにくい原因には、注入量、注入位置、筋肉の強さ、しわの原因、抗体など複数の可能性があります。
抗体が疑われる状態で無理に繰り返すと、さらに効きにくくなる可能性があるため、まず原因を見極めることが大切です。
ボトックスを受ける前に何を伝えればよいですか?
以下の内容は、できるだけ診察時に伝えてください。
- 現在飲んでいる薬
- 持病
- 妊娠・授乳・妊活の有無
- 過去のボトックス治療歴
- 使用した製剤名や注入部位
- 過去に効きすぎた、効かなかった、アレルギーが出た経験
- 飲み込みにくさ、脱力感、まぶたの重さなどの症状
参考文献
まとめ
ボトックスは、適切に治療を行えば、しわ、エラ張り、多汗、皮脂、毛穴などに役立つことがあります。
一方で、ボトックス治療が適応とならない方もいらっしゃいます。
妊娠中・授乳中の方、重症筋無力症などの神経筋疾患がある方、過去にボトックスで強いアレルギーを起こした方、他のボツリヌス毒素製剤で治療中の方は、原則としてボトックスを受けるべきではありません。
また、抗生剤、睡眠薬、抗不安薬、筋弛緩薬などを使用している方は、必ずしも全員が受けられないわけではありませんが、事前申告が必要です。
実際の診療では、内服薬がある方でもボトックスを行えるケースは少なくありません。ただし、薬の種類、体調、注射部位、使用量によって判断は変わります。
さらに、ボトックス抗体が疑われる方では、無理に繰り返し打つことでさらに効きにくくなる可能性があります。
この場合は、単純に量を増やすのではなく、本当に抗体なのか、そもそも悩みにボトックスが合っているのかを見極めることが大切です。
今の悩みにボトックスが合っているのか、他の治療の方が自然に改善しやすいのかまで含めて考えることが、満足度を高めるためには重要です。
ボトックスは、禁忌や注意点を確認したうえで、悩みに合っているかを見極めることが大切です。
「薬を飲んでいるけど受けられるのか」「以前より効きにくくなった」「自分のしわにはボトックスが合っているのか」など、不安がある方は自己判断せず、医師にご相談することをおすすめいたします。
当院では、医師と看護師で内服薬、持病、過去の治療歴、現在のお悩みをしっかりと確認したうえで、その方にとって適切な治療方法をご提案しています。まずはご相談ください。
















