著者:
ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック/名古屋Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会代表 笹川新也 ドクター紹介はこちら
この記事の結論
先に結論をお伝えすると、エラボトックスは「咬筋(こうきん)」という筋肉が発達してエラが張っている方には、小顔効果を期待しやすい治療です。
一方で、骨格そのものが大きい方、脂肪が多い方、頬のこけが強い方では、エラボトックスだけで理想のフェイスラインに近づけるのは難しいことがあります。
大切なのは、「エラが張っている=全員ボトックス」ではなく、自分のエラ張りの原因が筋肉なのか、骨格なのか、脂肪なのかを見極めることです。
ここでは、当院でもご相談の多いエラボトックス注射について解説いたします。
「顔が四角く見える」
「写真を撮るとエラが目立つ」
「体重は落ちたのに顔だけ大きく見える」
「食いしばりが強く、顎が疲れる」
このようなお悩みで来院される方は少なくありません。
実際の診療でも、患者さんご自身は「骨格だから仕方ない」と思っていても、診察してみると咬筋の発達が大きく関係しているケースがあります。そういう方では、エラボトックスが非常に相性のよい治療になることがあります。
このようなお悩みはありませんか?
- 正面から見た時にフェイスラインが四角く見える
- 昔より顔が大きくなったように感じる
- 奥歯を噛みしめる癖がある
- 寝ている間の歯ぎしりを指摘されたことがある
- 朝起きると顎まわりが疲れている
- 小顔にしたいが、骨を削る手術までは考えていない
これらに当てはまる方は、エラ張りの原因に咬筋の発達が関係している可能性があります。
目次
エラが張る原因
エラが張って顔が大きく見える原因としては、主に以下の4つが代表的です。
① 顔の骨格
② 脂肪が多い
③ 筋肉が肥大している
④ 唾液腺が肥大している
この中で、エラボトックスの効果が期待できるのは、③の「筋肉が肥大している」ケースです。
エラ張りといっても、原因は人によって違います。骨格が主な原因の方にボトックスを打っても、骨の幅が変わるわけではありません。また、脂肪が原因でフェイスラインが大きく見えている方では、脂肪へのアプローチを考えた方がよい場合もあります。
一方で、咬筋という筋肉が発達してエラが張っている方では、ボトックスによって筋肉の働きを弱めることで、徐々にフェイスラインがすっきりしてくることがあります。
以下の図で赤丸で示している部分が、咬筋(こうきん)です。この筋肉が発達していると、エラが張って見えやすくなります。
咬筋が肥大する原因
咬筋が発達する原因としては、普段の生活習慣が関係していることが多いです。
- 普段から奥歯で強く噛む癖がある
- せんべい、スルメ、ガムなど硬いものをよく食べる
- 歯ぎしりがある
- 食いしばりがある
- 噛み合わせの影響で奥歯に負担がかかりやすい
要は、腕や脚の筋トレと同じです。
筋肉はよく使うと発達します。咬筋も同じで、毎日のように強く噛みしめる癖がある方では、少しずつ咬筋が発達してエラが張って見えやすくなります。
実際に、食いしばりが強い方では、見た目のエラ張りだけでなく、顎の疲れ、肩こり、頭痛、歯のすり減りなどを自覚されていることもあります。
ボトックスで小顔にすることができる理由
肥大した咬筋を衰えさせて、エラを小さく見せる治療がエラボトックスです。
咬筋にボトックス(ボツリヌストキシン製剤)を注入します。
ボトックスには、筋肉の働きを一時的に弱める作用があります。
発達した咬筋の力を弱めることで、筋肉の使用量が減り、時間をかけて少しずつ筋肉が小さくなっていきます。医学的には「廃用性筋萎縮」といいます。
例えば、骨折で片脚だけしばらく使えなくなった時、使わなかった脚が細くなることがあります。筋肉は使わないと痩せていく性質があります。
これと同じように、ボトックスで咬筋の働きを抑えることで、咬筋が徐々に萎縮し、エラの張りが目立ちにくくなるのです。
ただし、注射直後に一気に小顔になる治療ではありません。筋肉が小さくなるまでには時間がかかるため、変化は少しずつ出てきます。
エラボトックスが向いている方・向きにくい方
エラボトックスで満足しやすいかどうかは、エラ張りの原因によって変わります。
| エラボトックスが向いている方 | エラボトックスだけでは限界が出やすい方 |
|---|---|
|
|
治療そのものが悪いというより、目的が合っているかどうかが大切です。
咬筋が原因の方には非常に相性が良い一方で、骨格や脂肪が主な原因の方では、別の治療や組み合わせを考えた方が現実的な場合もあります。
症例写真
こちらはエラボトックスの症例です。
咬筋の発達が原因でエラ張りが目立っている方では、このようにフェイスラインがすっきりして見える変化が期待できます。

1回の治療でも、咬筋の反応が良い方ではここまですっきりすることがあります。
ただし、症例のような変化が全員に同じように出るわけではありません。咬筋の厚み、骨格、脂肪量、頬のボリュームによって適応は変わります。
そのため、症例は「自分にも同じ効果が出る保証」として見るのではなく、「咬筋が原因の場合にはこういう変化があり得る」という判断材料として見ていただくのがよいと思います。
エラボトックスが向いているか簡易診断方法
エラボトックスは、肥大している咬筋を小さくする治療です。
そのため、エラが張っていても咬筋が発達していなければ、治療適応にならないことがあります。
ご自宅でも簡単に確認できる方法があります。
エラの部分に手のひらを当ててください。
そのまま奥歯を思い切り噛んだり、ゆるめたりしてみてください。
その時に、エラの部分がぽこっと盛り上がり、硬く触れる場合は、咬筋が厚く発達している可能性があります。
反対に、奥歯を噛んでもあまり盛り上がらない場合は、骨格や脂肪など、筋肉以外の原因が関係している可能性もあります。
もちろん、これはあくまで簡易チェックです。実際には診察で、咬筋の厚みや頬のボリューム、フェイスライン全体のバランスを確認して判断します。
エラボトックスの効果持続期間
エラボトックスの持続期間は個人差がありますが、およそ3〜6ヶ月程度です。
「意外と短い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、エラボトックスは繰り返し注射することで、効果を感じやすくなったり、持続期間が伸びたりすることがあります。
目安として、初回は3〜6ヶ月おきに3回程度繰り返すことをおすすめすることが多いです。
院長自身も定期的にエラボトックスを打っていましたが、最近では1年に1回程度の頻度になっています。
咬筋がある程度小さくなると、最初の頃ほど頻回に打たなくても維持しやすくなることがあります。
なお、ボトックスを繰り返すことで「耐性がつかないか」「効きにくくならないか」を心配される方もいます。詳しくはボトックスを打ち続けると耐性がついて効きにくくなる?抗体についてもご覧ください。
エラボトックス施術の流れ・ダウンタイム
注射する際は、まず注射部位をしっかり冷やし、痛みを感じにくいようにします。
その後、咬筋の位置や厚みを確認しながら注射を行います。
施術時間は両側で1分程度です。
注射針も細い針を使用し、できるだけ痛みや内出血が出にくいよう配慮しています。
施術後のダウンタイム
ダウンタイムはほとんどありません。
強いて言えば、注射部位に内出血が出ることがあります。
内出血が出た場合でも、それほど大きく目立たないことが多く、多くは1週間程度で落ち着きます。
メイクは当日から可能ですので、日常生活への影響は比較的少ない治療です。
当院で使用しているボトックス製剤について
当院では、エラボトックスを含むボトックス治療において、主にコアトックスを採用しています。
コアトックスは、複合タンパク質を含まないように設計されたボツリヌストキシン製剤で、抗体ができにくいことやアレルギーリスクを抑えやすいことが期待されています。
ボトックスは一度だけで終わる方もいれば、定期的に継続される方もいます。だからこそ当院では、できるだけ長期的に使いやすい製剤を選ぶことを大切にしています。
もちろん、どの製剤にもリスクがゼロというわけではありません。効果の出方や持続期間には個人差があります。
ただ、継続治療を前提に考える方では、製剤選びも大切なポイントの一つです。
施術後の経過
ボトックスは注射後、効果が出るまで少し時間がかかります。
額や眉間の表情じわを取る目的でのボトックスは、3日目ぐらいから効き始め、1〜2週間後に効果のピークを迎えることが多いです。
一方、エラボトックスのように筋肉を小さくする目的の場合は、見た目の変化を感じるまで少し時間がかかります。
個人差はありますが、10日〜2週間ほどで徐々に変化が始まり、1〜2ヶ月後頃に効果が最大になります。
じわじわと効果が出る治療なので、焦らずに経過を見ていただく必要があります。
逆に言えば、急に顔が変わるわけではないため、周囲に気づかれにくく自然に小顔を目指しやすい治療ともいえます。
施術後の注意事項
ボトックス注射後は、基本的に普段通り日常生活を過ごすことが可能です。
ただし、ボトックス注射後1週間ほどは、身体が強く温まるような行為は控えた方がよいです。
具体的には以下の4つです。
① 激しい運動(ジム、ホットヨガ含む)
② 温泉
③ サウナ
④ マッサージ
ボトックスはタンパク質製剤のため、熱の影響を受ける可能性があります。
注射直後に身体を強く温めてしまうと、ボトックスの作用が弱まる可能性があります。
また、マッサージはエラ部分が温まるだけでなく、注入したボトックスが周囲に拡散するリスクがあります。
周囲の表情筋に広がると、笑いにくさや表情の違和感につながることがあります。
施術後の過ごし方について詳しく知りたい方は、ボトックス後にサウナ・温泉・運動は大丈夫?熱に弱いと言われる理由を医師が解説もご覧ください。
エラボトックスで起こりうる副作用・注意点
エラボトックスは比較的受けやすい治療ですが、副作用や注意点がないわけではありません。
起こりうる症状としては、以下のようなものがあります。
- 内出血
- 腫れ
- 噛む力の低下
- 硬いものが噛みにくい
- 笑った時の違和感
- 左右差
- 頬こけが目立つ
特に大切なのは、頬こけです。
咬筋が大きい方では小顔効果が出やすい一方で、もともと頬のボリュームが少ない方に強く効きすぎると、フェイスラインはすっきりしても、頬がこけて老けて見えることがあります。
そのため、単に多く打てばよいという治療ではありません。
咬筋の厚み、頬の脂肪量、顔全体のバランスを見ながら、適切な量を判断することが大切です。
ボトックス全般のリスクについては、ボトックス注入療法の副作用・リスクについてもご参照ください。
エラボトックスを受けられない人
以下に該当する方は、エラボトックスを受けられない、または慎重な判断が必要になります。
- 妊娠の可能性がある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 過去にボトックス治療でアレルギーを起こしたことのある方
- 神経筋接合部疾患の方(重症筋無力症、Lambert-Eaton症候群、筋萎縮性側索硬化症など)
- 筋弛緩剤を内服中の方
ボトックスは胎児への影響が完全に否定しきれていないため、妊娠中や授乳中の方は避ける必要があります。
また、ボトックスの作用部位に関係する病気がある方は、治療を行えない場合があります。
詳しくは、以下の記事もご確認ください。
エラボトックスと他の小顔治療の違い
小顔治療には、エラボトックス以外にもさまざまな方法があります。
ただし、それぞれ作用する場所が違います。
| 治療 | 向いている悩み | 注意点 |
|---|---|---|
| エラボトックス | 咬筋の発達によるエラ張り | 骨格や脂肪には効果が出にくい |
| HIFU・RF治療 | たるみ、フェイスラインのもたつき | 咬筋そのものを小さくする治療ではない |
| 糸リフト | 頬や口元のたるみ | エラ張りの筋肉には直接効きにくい |
| 脂肪溶解注射 | 脂肪による丸顔・もたつき | 筋肉や骨格が原因の場合は限界がある |
つまり、「小顔になりたい」といっても、何が原因で顔が大きく見えているのかによって選ぶ治療は変わります。
エラの筋肉が原因ならエラボトックス、たるみが原因ならHIFUやRF、脂肪が原因なら脂肪への治療を考える必要があります。
一律に同じ治療を行うのではなく、顔全体のバランスを見て判断することが大切です。
料金
料金については、以下のページをご確認ください。
当院では、効果が感じられるよう、標準量でもしっかり目に注入しております。
ただし、強く打てばよいというものではありません。咬筋の厚みや顔全体のバランスを見ながら、必要量を判断します。
まとめ
エラボトックスは、咬筋が発達してエラが張っている方には、小顔効果を期待しやすい治療です。
特に、食いしばりや歯ぎしりがあり、奥歯を噛むとエラ部分が硬く盛り上がる方では、治療との相性がよい可能性があります。
一方で、骨格、脂肪、たるみが主な原因の場合は、エラボトックスだけでは十分な変化が出にくいこともあります。
正直、エラ張りで悩んでいる方にとって大切なのは、「ボトックスを打つかどうか」よりも、まず自分のエラ張りの原因を見極めることです。
原因が合っていれば、エラボトックスは短時間で受けやすく、ダウンタイムも少なく、自然にフェイスラインをすっきりさせやすい治療です。
エラボトックスは、原因が合っている方には非常に相性のよい小顔治療です。
ただし、エラ張りの原因が咬筋なのか、骨格なのか、脂肪なのかによって、適した治療は変わります。効果を出すためには、まず原因を見極めることが大切です。
当院では、無理に施術を勧めるのではなく、お顔の状態を確認したうえで、エラボトックスが合うかどうかを診察で判断しています。小顔治療を検討している方は、まずは自分に合う方法を整理するところからでも大丈夫です。














