口横のたるみ、いわゆる「ポニョ」が気になるものの、「何が原因なのか分からない」「どのような治療が適しているのか分からない」とお悩みの方は多くいらっしゃいます。
以前よりフェイスラインがすっきり見えなくなったり、口元に影ができたりすると、脂肪を減らした方がよいのかと考える方もいらっしゃると思います。
ただ、口横のたるみは、単に脂肪が増えたことだけが原因ではありません。脂肪の下垂、皮膚のハリ低下、靭帯のゆるみ、筋肉や骨格の変化が重なって起こります。口角のすぐ横にあるくぼみが、もたつきを強調していることもあります。
この記事では、口横のたるみが起こる原因から、ご自身でできるケア、美容医療での治療法まで解説します。
口横のたるみ「ポニョ」は、なぜできる?
口横のふくらみやもたつきには、頬のお肉だけでなく、それを支える皮膚・靭帯・筋肉・骨格が関係しています。
① 頬の脂肪が下垂する
年齢とともに頬の脂肪が下垂すると、口横にお肉がかぶさり、ふくらみやもたつきとして目立つようになります。口横からフェイスラインにかけての脂肪は「ジョールファット」と呼ばれます。


② 皮膚や脂肪を支える靭帯がゆるむ
顔の皮膚や脂肪は、「リガメント」と呼ばれる靭帯に支えられています。顔の土台を支える、いわば「見えない支柱」です。
加齢によってこの支えが弱くなると、皮膚や脂肪が下垂し、口横のたるみやフェイスラインの崩れにつながります。

主なリガメントと、それぞれの役割
側頭リガメント
こめかみ周辺で、皮膚・皮下脂肪・表在性筋膜(SMAS)などの組織を、深部の筋膜や骨膜につなぎ止める役割があります。
眼窩下リガメント
目の下の皮膚や眼輪筋を眼窩の縁につなぎ、目の下と頬の境界を支える役割があります。
頬骨リガメント
頬骨から皮膚・脂肪・筋肉を支え、頬の高い位置を保つ土台のような役割があります。メーラーファットの下垂を抑え、若々しい輪郭を保つために重要です。
上咬筋リガメント
咬筋の上部付近で、頬の皮膚や脂肪を深部の筋膜につなぎ、頬から口元にかけての組織を支える役割があります。
咬筋リガメント
咬筋の前縁付近で、深部の筋膜と皮膚・脂肪層をつなぎ、頬のたるみやフェイスラインの崩れを抑える役割があります。
耳下腺リガメント
耳の前、耳下腺の周囲で皮膚と耳下腺を覆う筋膜をつなぎ、下顔面の脂肪や皮膚を支える役割があります。
下顎リガメント
下顎の骨と皮膚・表情筋をつなぎ、フェイスラインを支える強固な靭帯です。

③ 皮膚のハリ・弾力が低下する
皮膚のハリや弾力を保つために大切なのが、コラーゲンやエラスチンです。加齢や紫外線の影響でこれらが減ったり変性したりすると、皮膚の弾力が低下します。
皮膚がゆるみ、頬のお肉を支えにくくなることで、口横のたるみが目立ってきます。

④ 表情筋のバランスが変わる
口角を下げる口角下制筋(DAO)や、首から下顔面につながる広頚筋は、口元を下方向に引っ張る働きを持っています。
皮膚や靭帯の支えが弱くなると、この下方向への力の影響が目立ちやすくなり、口角が下がった印象やフェイスラインの崩れにつながります。

⑤ 顔の骨が痩せ、皮膚や脂肪の支えが少なくなる
顔の骨も、年齢とともに変化します。特に上顎や下顎の一部などで骨が痩せると、皮膚や脂肪を支える土台が小さくなり、その上の組織が余って見えるようになります。
この変化は口横のたるみだけでなく、ほうれい線や目の下、頬のコケ感にも関係し、老けた印象につながりやすくなります。
顔の骨が痩せる背景
骨は「骨を吸収する働き」と「新しく作る働き」を繰り返しています。加齢によってこのバランスが変わると、骨量や形も変化していきます。
女性では、閉経に伴うエストロゲンの減少も骨量の低下に関係します。また、歯を失うと、歯を支えていた歯槽骨が吸収され、顎の形が変わることがあります。
⑥ 姿勢や生活習慣で、もたつきが目立つ
うつむいてスマートフォンを見ている時などは、顎の下から口元のもたつきが目立ちやすくなります。
食いしばりで咬筋が張っている方では、口横だけでなく、エラを含めた輪郭のバランスも確認します。

⑦ 口角の横に、くぼみやしわの折れ込みができる
口横のたるみを気にされる方の中には、実際には「モダイオラス(口角結節)」周囲のくぼみやしわの折れ込みが目立っている方もいらっしゃいます。

モダイオラスは、口角の少し外側にある、複数の表情筋が集まる部分です。口角を上げ下げしたり、口を閉じたりする動きに関わっています。
若い頃は目立たなくても、皮膚の弾力低下や脂肪の下垂が進むと、その周囲のくぼみやしわの折れ込みがはっきりしてきます。笑った時に、口角の上外側へ縦方向のシワが現れることもあります。

「口横のポニョ」と感じていても、ふくらみではなく、その隣にあるくぼみが気になっている場合があるのです。
この部分は、脂肪だけでなく皮膚のハリや表情筋の動き、ほうれい線・マリオネットラインとのつながりも見ながら治療を選びます。
口横のたるみが気になる時、自宅でできるケア
すでに下垂した脂肪や深いくぼみを、セルフケアだけで改善するのは難しいです。一方、紫外線や乾燥への対策は、お肌のハリを保つために続けていただきたいケアです。
紫外線対策と保湿を続ける
紫外線はコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、シワやたるみの原因になります。日焼け止めに加え、日傘や帽子なども活用しましょう。
また、乾燥すると小じわが目立ち、お肌のハリも失われたように見えます。洗顔後は保湿し、乾燥しやすいところにはクリームを重ねるなど、お肌に合うケアを続けてください。
紫外線対策について
当院で扱う保湿ケア:NASORAエンリッチローション / NASORAリンクルリフトクリーム
マッサージは、強くこすらない
軽く触れることでむくみや筋肉の緊張がやわらぎ、一時的にすっきり感じることはあります。ただ、マッサージで下垂した脂肪を元の位置に戻したり、口角横のくぼみを埋めたりすることはできません。
気になるからと強くこすったり、何度も引っ張ったりすると、お肌への刺激になります。痛みを感じるほどのマッサージは避けてください。
うつむいた姿勢を長く続けない
スマートフォンは目線に近づけ、首を前に突き出したままにしないよう意識しましょう。長時間同じ姿勢になったら、休憩を挟んで首や肩を楽にしてください。



口角横のポニョを改善する、当院の治療
この記事を公開してから、口角横のポニョを気にされて来院される方が増えました。ここからは、当院で行っている口角横のポニョの治療を、症例写真とともにご紹介します。
口横のお肉を減らしたいのか、下垂した頬をリフトアップしたいのか、皮膚を引き締めたいのか。それによって合う治療は変わります。
ご希望の仕上がりと、治療の負担・リスクも含めて選んでいきます。
糸リフト|下垂した頬のお肉を引き上げる
糸リフトは、医療用の溶ける糸を皮下に入れ、頬のお肉を引き上げる治療です。口横にお肉がかぶさっている方や、フェイスラインのもたつきをすっきりさせたい方に向いています。頬のお肉がかぶさってできる口角横のしわの折れ込みや影も、リフトアップによって改善を目指します。
施術直後からリフトアップ効果を実感できます。当院では、糸の周囲でコラーゲンが作られるリモデリングによって、たるみにくい肌質になる効果も期待しています。
40代女性|口横のポニョを糸リフト12本で改善
1か月前にほうれい線のグロースファクター治療を受け、その後、口横のたるみが気になっていた方です。糸を左右6本ずつ、合計12本入れてリフトアップしました。

治療内容・経過:糸リフト12本。写真は施術前と直後。1か月前にほうれい線グロースファクター治療を受けています。
通常料金:糸リフトはPCL1本22,000円、PLCL1本27,000円。12本の場合264,000〜324,000円(税込)。糸の種類で変わります。先に受けたグロースファクター治療の料金は別です。
主なリスク:腫れ・内出血・痛み・つっぱり感・口の開けにくさ・左右差・へこみ・感染・糸の露出など。まれに神経障害が起こることがあります。
当院では1週間ほどで見た目が自然になる方が多いです。効果の持続には個人差があり、再治療の時期は、経過を見て判断します。
この症例の正面・左右の写真と詳しい経過
糸リフトの効果・痛み・料金について
ハイフ|口横やフェイスラインを引き締める
ハイフは、超音波の熱を使って頬やフェイスラインを引き締める治療です。
口横のもたつきや、軽いたるみが気になる方に向いています。
効果は徐々に高まり、2〜3か月後がピークの目安です。半年程度の経過を見ながら、次の治療時期をご相談します。
ハイフによる、頬・口元のたるみ治療
皮膚のたるみと頬のもたつきが気になっていた方です。ウルトラセルZiで治療し、4か月後には口まわりがすっきりしています。

治療内容:ハイフ(ウルトラセルZi)による引き締め治療。
通常料金:頬54,800円、頬+顎下69,800円(税込)。照射範囲・プランによって費用が変わります。
主なリスク:赤み・腫れ・痛み・水疱・やけど・色素沈着・頬こけ・しびれなど。
このハイフ症例の詳しい経過
ハイフの治療内容・機器・料金について
脂肪溶解注射|口横の余分な脂肪を少しずつ減らす
気になる部分に薬剤を注入し、脂肪を減らす治療です。当院ではデオリポ(カベリン)を使用しています。
切開せずに部分的な脂肪を減らせますが、1回での効果は限られるため、経過を見ながら複数回の治療を行います。
料金・回数の目安:8cc 35,000円(税込)。1〜2週間間隔で4〜6回が目安です。毎回8ccの場合、4〜6回で140,000〜210,000円。使用量・回数で総額が変わります。
主なリスク:腫れ・内出血・痛み・赤み・しこり・凹凸・頬こけ・アレルギーなど。腫れが長引くこともあります。
口角横のくぼみやシワも気になる場合
モダイオラス周囲のくぼみやしわの折れ込みが気になる場合は、脂肪を減らすだけでは改善しません。皮膚のシワ、ボリューム不足、頬の下垂など、くぼみを目立たせている原因に合わせて治療します。
皮膚に刻まれたシワには、グロースファクター
皮膚のハリ低下や真皮の萎縮が関係し、無表情でもシワが残っている方には、グロースファクターをご提案することがあります。コラーゲンを増やし、皮膚のハリや厚みを改善して、シワを目立ちにくくする治療です。
注入直後に完成する治療ではなく、数か月かけて改善していきます。場所によってはグロースファクターは治療の適応外となり、ヒアルロン酸など別の治療の方が効果的な場合もあります。
40代女性|口角横から続く縦じわの症例
口元に力が入りやすく、左側のほうれい線が特に目立っていた方です。モダイオラス周囲から続く縦じわもみられました。ほうれい線にグロースファクターを注射し、6か月後にはシワが目立ちにくくなっています。

治療内容・経過:ほうれい線へのグロースファクター注射。写真は治療前と6か月後です。
通常料金:ほうれい線両側180,000円(税込・麻酔代込み)。追加注入を行う場合は90,000円。
主なリスク:腫れ・内出血・違和感・左右差・しこり・ふくらみ・凹凸など。
30代女性|ほうれい線グロースファクターの症例
ほうれい線のシワにも、グロースファクターを使います。こちらは30歳を過ぎてから、写真に写るほうれい線が気になっていた方です。治療から6か月後には、ほうれい線が薄くなっています。

治療内容・経過:ほうれい線へのグロースファクター注射。写真は治療前と6か月後です。
通常料金:ほうれい線両側180,000円(税込・麻酔代込み)。追加注入を行う場合は90,000円。
主なリスク:腫れ・内出血・違和感・左右差・しこり・ふくらみ・凹凸など。
ボリュームが足りないくぼみには、ヒアルロン酸
皮下のボリューム不足や骨格によるくぼみには、ヒアルロン酸を使います。くぼんだ部分を補うことで、口角横の影を改善します。
ただし、口元は表情でよく動くため、ヒアルロン酸を入れすぎると笑った時に不自然にふくらむことがあります。ほうれい線・口角・マリオネットラインとのバランスを見ながら、少量ずつ調整することが大切です。
料金・経過の目安:1本77,000円、2本目以降1本69,800円(税込)。直後から効果を実感でき、当院の製剤では1〜2年の持続が目安です。部位や体質で個人差があります。
主なリスク:腫れ・内出血・痛み・左右差・しこり・感染など。まれに血流障害が起こることがあります。
60代女性|ほうれい線・口角の下のくぼみをヒアルロン酸で改善
ほうれい線と口元のたるみが気になっていた方です。ほうれい線とマリオネットラインにヒアルロン酸を注入し、口元のくぼみを改善しました。違和感もありません。

治療内容・経過:ほうれい線・マリオネットラインへのヒアルロン酸注射。写真は治療前と1か月後です。
通常料金:1本77,000円、2本目以降1本69,800円(税込・カニューレ、麻酔代込み)。使用本数によって総額が変わります。
主なリスク:痛み・腫れ・内出血・違和感・左右差・しこり・感染・アレルギー・血流障害など。
口横だけでなく、口元全体のバランスを整える
例えば、くっきりした二重の目だけを見ると美しくても、鼻や唇、輪郭と合っていなければ違和感が生じます。口横の治療も同じです。
ポニョが改善した後に、今度はほうれい線や口角横のくぼみが気になることもあります。当院では、口横だけでなく、ほうれい線・マリオネットライン・フェイスラインとのバランスも大切にしています。
ひとつの治療で整う方もいらっしゃいますし、複数の治療を組み合わせた方がきれいに仕上がる方もいらっしゃいます。当院では、例えば次のような組み合わせをご提案しています。
ハイフ+ほうれい線グロースファクター
ハイフで頬やフェイスラインを引き締め、ほうれい線の皮膚に刻まれたシワにはグロースファクターを使う方法です。口横のもたつきとほうれい線の両方が気になる方にご提案しています。
糸リフト+ジャルプロスーパーハイドロ
頬のお肉は糸リフトで引き上げ、肌のハリやうるおいはジャルプロスーパーハイドロで改善する組み合わせです。口横のポニョに加えて、お肌のハリ不足や乾燥も気になる方に向いています。
料金・回数の目安:1回2.5cc 69,800円(税込)。1か月間隔で3回が目安で、3回の総額は209,400円です。その後は半年〜1年ごとのメンテナンスをご提案しています。
主なリスク:注入部位のふくらみ・赤み・腫れ・内出血・痛み・アレルギーなど。
他にも、ハイフとほうれい線グロースファクターの治療から半年ほど経過を見たうえで、残る口横のたるみに糸リフトを追加する方法もあります。
初めからすべての治療を行う必要はありません。いちばん気になる部分やご予算を伺い、治療後の仕上がりも見ながら、追加するかどうかを決めていきます。
口横のポニョが気になったら、ご相談ください
口横のたるみは、脂肪だけが原因ではありません。脂肪の下垂、靭帯のゆるみ、皮膚のハリ低下、筋肉や骨の変化などが重なって起こります。単に脂肪を減らすのではなく、お顔全体のバランスに合う治療を選ぶことが大切です。
口横のポニョ、ほうれい線、マリオネットライン、モダイオラス周囲のくぼみは近い場所にあり、ご自身では区別しにくいこともあります。「自分のたるみの原因が分からない」「口角周囲のくぼみやしわの折れ込みも気になる」「予防として何を始めればよいか知りたい」。そのようなお悩みも、診察の際にお聞かせください。
「このふくらみをすっきりさせたい」「笑った時のしわの折れ込みが気になる」など、気になっていることをお聞かせください。お顔を診察し、合う治療と期待できる改善、費用や注意点をご説明します。
ご来院前のお問い合わせは、メール相談からも受け付けています。










