
著者:
ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会 医師 齊藤秀明 ドクター紹介はこちら
鏡を見ていて「なんだか顔が間延びして見える…」と感じたことはありませんか?
実はその原因のひとつが、鼻の下から上唇までの縦のライン、「人中(じんちゅう)」 です。
この人中の長さはほんの数ミリの違いでも、顔全体の印象を大きく左右します。短いと若々しく愛らしい印象 を与え、長いと老け顔や間延び感 を感じさせやすくなります。
特に年齢を重ねると皮膚や筋肉の弾力が失われ、上唇が下がって人中が伸びて見えやすくなります。その結果、「老けて見える」「笑顔がイマイチ映えない」と悩む人も少なくありません。
人中はその長さが顔の印象に影響を与えます。
人中を短く見せる方法にはさまざまな施術があります。 その中でも、切らずに行えてダウンタイムも少ないことから人気を集めているのが「ボトックス注射による人中短縮」です。
たった数ミリの変化で、あなたの顔はもっと若々しく、洗練された印象に生まれ変わる可能性があります。
目次
人中が長く見える原因は?
人中が長く見えるのには、いくつかの理由があります。
「なんだか最近、口元が老けて見える…」と感じている人は、次の要因が影響しているかもしれません。
1. 加齢による変化
- 年齢を重ねると、皮膚のハリや筋肉の力が少しずつ弱まり、上唇の位置が下がってきます。
- 鏡を見て「昔より鼻の下が長くなった気がする」と思ったら、それは加齢による自然な変化かもしれません。
2. 骨格の影響
- 人中の長さは、もともとの骨格によっても変わります。
- 鼻が低めだったり、顎が小さく後退している人は、相対的に人中が長く見えやすい傾向があります。
- これは生まれつきの要素であり、顔全体のバランスによって強調されることもあります。
3. 表情のクセや生活習慣
- 口呼吸をするクセがある人や、笑うときに口角をあまり上げない人は、口周りの筋肉をうまく使えていません。
- その結果、口元が下がりやすくなり、人中が長く見えてしまいます。長年のクセが少しずつ顔の印象に影響してきます。
4. 歯並びや噛み合わせ
- 歯並びや噛み合わせも、人中の見え方に大きく関係しています。
- たとえば出っ歯の人は上唇が前に出やすく、逆に受け口の人は上唇が後ろに下がって見えるため、人中が強調されるケースがあります。
5. 紫外線や生活習慣による老化
- 長年の紫外線ダメージや喫煙習慣は、肌の弾力を失わせ、口元のたるみを加速させます。
- さらに急激なダイエットで顔の脂肪が減少すると、口周りのボリュームが減り、人中が長く見えることもあります。
このように、人中が長く見えるのは加齢だけが原因ではありません。 骨格や表情のクセ、生活習慣、歯並びなど、複数の要因が関係しています
そのため、自分の口元が老けて見える原因を知ることが、最適なケアを選ぶ第一歩です。
人中短縮の方法|手術・ヒアルロン酸・ボトックスの違い
人中が長く見える原因が分かったら、次に気になるのは「どうすれば改善できるのか」という点ではないでしょうか。
実は、人中を短く見せる方法には、外科手術による方法と切らずにできるプチ整形の2つの大きな選択肢があります。
1. 外科手術による人中短縮(リップリフト)
最も確実に効果を得られるのが、鼻の下の皮膚を切除して縫合する「リップリフト(人中短縮手術)」です。
イメージですが、赤く囲った部分の皮膚を切除し縫合して、物理的に距離を縮めることで人中が短くなります。
この方法は 半永久的に効果が持続 するのが大きなメリットですが、その分長いダウンタイムや傷跡がのこる可能性があります。
それ以外にも、笑ったときに以前より歯茎が見えやすくなったり、鼻先が下に引っ張られて鼻の穴が目立つようになるといった可能性もあります。
- 効果:半永久的
- ダウンタイム:数週間~程度
- 費用:30〜50万円前後
2. ヒアルロン酸注入による人中短縮
切らずに人中を短く見せたい場合、ヒアルロン酸注入も選択肢のひとつです。
イメージですが、赤く囲った部分の上唇や口角周辺にヒアルロン酸を注入することで、唇を自然にボリュームアップさせ、人中を短く見せることが出来ます。
手軽に唇のボリュームを出せる人気の施術ですが、注入する量や深さ、製剤の選択を誤ると、不自然に膨らみすぎたり(いわゆる“アヒル口”)、しこりになったりする可能性があります。
- 効果:12ヶ月
- ダウンタイム:腫れなどは数日程度で改善しますが、内出血が出た場合はそれが完全に吸収されるまで1~2週間ほどかかる場合があります。
- 費用:7,7000円(当院)
3. ボトックス注射による人中短縮
最近注目されているのが、ボトックス注射による人中短縮 です。
イメージですが、口周りの筋肉(口輪筋)の一部(赤く囲った部分)に少量のボトックスを注入することで、その部分の唇が自然に持ち上がり、人中を短く見せることができます。
ボトックス注射は筋肉の働きを緩めることで効果を発揮するため、薬剤の量が多すぎたり効きすぎたりすると、笑顔が不自然になったり、ストローが吸いにくい、特定の音が発音しにくいといった表情や機能への影響が一時的に出る可能性があります。
- 効果:3〜6ヶ月
- ダウンタイム:ほぼなし
- 費用:18,000~20,000円(当院)
「切るのは抵抗がある」「自然な変化が欲しい」「まずはお試し感覚でやってみたい」という人におすすめの方法です。
このように、それぞれの方法には 効果の持続期間・ダウンタイム・リスク・コスト に違いがあります。
自分のライフスタイルや希望に合わせて選ぶことが大切です。
それぞれの比較(手術 vs ヒアルロン酸 vs ボトックス)
効果の持続性 | ダウンタイム | コスト | 変化の程度 | 元に戻せるか | リスク | |
---|---|---|---|---|---|---|
リップリフト(手術) | 半永久的 | 数週間~ | 30〜50万円ほど | 大 | 戻せない | 傷跡・左右差・過矯正 |
ヒアルロン酸注入 | 6〜12ヶ月 | 数日程度 | 7,7万円ほど | 中 | 戻せる | 過形成・しこり・血管塞栓 |
ボトックス注射 | 3〜6ヶ月 | 数日程度 | 1,8万円ほど | 小 | 戻せる | 表情の違和感 |
それぞれに向いている人と注意点
- リップリフト(手術)
向いている人:骨格的に人中が長い方や、一度の手術で半永久的な効果を得たい方に向いています。明確な変化を望む場合にも最適です。
注意点:経験豊富な術者を選ぶことが大切です。また、術後の傷跡ケア(テーピング・UV対策)が仕上がりを左右します。
- ヒアルロン酸
向いている人:上唇が薄い方、また唇の外反(リップカール)を加えて人中を短く見せたい方に向いています。
注意点:ヒアルロン酸を入れすぎると、唇が“アヒル口”になってしまう恐れがあります。稀にしこりが発生する可能性(溶解可能)や、ごくまれに血管塞栓が起こるリスクもあります。
- ボトックス
向いている人:ダウンタイムを最小限に抑えたい方や、自然な仕上がりを望む方に向いています。まずは試してみたいという方にも適した方法です。
注意点:ボトックスを効かせすぎると、笑顔が硬くなったりストローをうまく吸えなくなったりする可能性があります。少量から開始し、表情を確認しながら段階的に追加注入していくのが理想です。そのため、当院では初回は少量から調整して注入しています。
さらに効果を出すための組み合わせ
- ボトックス+ヒアルロン酸:筋肉が人中を引き下げる力を弱めつつ、上唇の外反と立体感をプラスします。“自然に短く見える” を狙う定番です。
- 手術+微量ボトックス:余分な皮膚を手術で切除した後、術後の全体バランスや口角の動きを整えるためにボトックスを併用すると有効です(担当医と施術のタイミングは要相談です)。
ボトックス注射による人中短縮とは?
「切るのは抵抗があるけど、人中を少しでも短く見せたい」。そんな方におすすめなのが、ボトックス注射による人中短縮 です。
今回はボトックスによる人中短縮について説明いたします。
ボトックスで人中が短くなる仕組み
人中の長さは、唇のまわりを取り囲む「口輪筋」という筋肉の働きに深く関係しています。
この筋肉が過剰に働くと上唇が下方向へ引っぱられ、人中が長く見えてしまいます。
そのため、人中部分の口輪筋に少量のボトックスを注入すると、唇まわりの筋肉の緊張が和らぎ、上唇が自然に持ち上がります。
結果として、人中が短く見えるという効果が得られます。
ボトックスのメリット
- 切らずにできるプチ整形
手術のように皮膚を切らないため、傷跡の心配がありません。施術の時間は数分程度で、仕事帰りや買い物のついでに受けられる手軽さがあります。
- 自然な仕上がり
人中をほんの数ミリ短く見せるだけなので、「やりすぎ感」が出にくく、周囲に気づかれにくいのも特徴です。笑顔が柔らかくなり、若々しい印象を与えることができます。
- ダウンタイムがほぼない
施術後に少し赤みや腫れが出る場合もありますが、数時間〜翌日には治まることがほとんどです。長いお休みを取る必要もほとんどありません。
- コストが抑えられる
料金は1回あたり 2-3万円前後 が一般的で、外科手術に比べて圧倒的にリーズナブルです。気軽に試せるのも人気の理由です。
ボトックスのデメリット
- 効果が一時的
ボトックスの効果は 3〜6ヶ月程度 と限られており、時間が経つと元に戻ってしまいます。
そのため「一度でずっと続く効果」を期待している方には向いていません。継続的に施術を受ける必要があります。
- 表情に違和感が出る可能性
ボトックスは筋肉の働きを抑えることで効果を発揮するため、元々の筋肉の力が弱かったり、効果が出すぎると「笑顔が不自然になる」「口が動かしにくい」といった副作用が一時的に出ることがあります。
- 向いていないケースもある
顎が小さく後退している、出っ歯や噛み合わせに問題がある、人中そのものが骨格的に長い。こういった場合は、ボトックスでは十分な効果を感じられないことがあります。
- 副作用やリスク
ボトックスは注射による施術です。注射の施術後に起こり得る副作用としては、以下のようなものがあります。
・ 赤みや腫れ(数時間〜数日で改善することが多い)。
・ まれに内出血(数日〜1週間程度で消えることが多い)。
・ ごくまれに頭痛や違和感など。
ボトックスは安全性の高い薬剤ですが、体質によっては副作用が出る場合があるため、必ず事前に医師と相談しましょう。
まとめると、ボトックスによる人中短縮は 「手軽で自然」だけれど「効果は一時的」で、「手術ほどではないがリスク管理が必要」 な施術です。
ボトックス人中短縮が向いている人・向いていない人
ボトックスによる人中短縮は手軽で人気のある施術ですが、すべての人に最適なわけではありません。
ここでは、どんな人に向いていて、どんな人には不向きなのかをまとめました。
ボトックスが向いている人
- 切る手術に抵抗がある人
傷跡やダウンタイムを避けたいけれど、人中を短く見せたい方にぴったりです。
- ナチュラルな変化を求める人
「劇的に変えたい」よりも「少し口元の印象を変えたい」と考える方に適しています。
- プチ整形を試してみたい人
美容医療を初めて受ける人でも挑戦しやすく、ハードルの低い施術です。
ボトックスが向いていない人
- 長期的な効果を望む人
効果は3〜6ヶ月で消えるため、「一度で半永久的な変化」を望む方にはボトックス単独では十分な効果が得られない場合があります。
- 骨格的に人中が長い人
顎が小さい、出っ歯、受け口など骨格の影響が強い場合は、ボトックス単独では十分な効果が得られない場合があります。
- 表情の不自然さを気にしやすい人
過剰に注入すると笑顔に違和感が出る可能性があるため気になる方は注意が必要です。。
- 妊娠中・授乳中の人
ボトックスは妊娠中や授乳中の使用は避けるべきとされています。
このように、ボトックス人中短縮は 「手軽に人中を短く見せたい人」 に向いていますが、「骨格や人中の長さそのものを根本的に改善したい人」や「長期効果を求める人」 には手術や他の施術を検討する方が良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. ボトックスは何回で効果が出るの?
A. 基本的に 1回の施術で効果を実感 できます。
注射直後は大きな変化を感じにくいこともありますが、2〜3日後から徐々に唇が自然に上がり、人中が短く見えてきます。
効果が安定するのは施術後1〜2週間ほどです。複数回の施術が必要なわけではなく、1回ごとに完結する施術です。
Q2. どれくらいの頻度で打つべき?
A. 効果は 約3〜6ヶ月 持続します。そのため、理想的な状態を維持するためには 年に2〜3回 の施術が目安です。
また、効果の持続期間は体質や代謝によって個人差があり、人によっては効果が早めに切れる場合もあります。
自分に合った頻度を見極めるために、医師に相談しながら調整するのがおすすめです。
Q3. ボトックスで口元が動かしにくくなることはある?
A. ボトックスは筋肉の働きを抑える薬剤のため、過剰に注入すると笑顔が不自然になったり、発音がしにくいと感じる場合 があります。
しかし、適切な部位に少量を打てば、自然な仕上がりで表情の動きにも大きな影響はありません。
副作用が出たとしても一時的で、ボトックスには「オビソート」と呼ばれる拮抗剤があります。
ただ、最も重要なのは、経験豊富な医師に施術を任せること。技術力によって仕上がりが大きく変わる部分です。
Q4. 手術との併用は可能?
A. はい、可能です。例えば リップリフト(人中短縮手術)を受けた後に、ボトックスで細かな表情の調整 を行うケースもあります。
手術でベースを整え、ボトックスで自然さをプラスするという組み合わせは珍しくありません。
ただし、施術のタイミングや注入量はケースによって異なるため、必ず担当医と相談してください。
Q5. 痛みや腫れはどのくらい?
A. ボトックス注射は極細の針を使用するため、痛みは「チクッ」とした軽い刺激程度です。
人によっては蚊に刺されたような感覚と表現する方もいます。
施術後に赤みや腫れが出る場合もありますが、多くは 数時間〜数日で自然に消える ため、長引く心配はほとんどありません。
まれに内出血が起こることもありますが、メイクで隠せる程度です。
最後に
人中の長さは、ほんの数ミリの違いで顔の印象を大きく左右します。「なんだか老けて見える…」「もっと若々しい笑顔になりたい」そんなお悩みは、決してあなただけのものではありません。
この記事でご紹介したように、人中を短く見せる方法は一つではありません。手軽なボトックスから、半永久的な効果が期待できる手術まで、たくさんの選択肢があります。大切なのは、ご自身の希望やライフスタイルに合った最適な方法を見つけることです。
当院では、一方的に施術をおすすめするのではなく、まずあなたのお悩みをじっくりと伺い、最適なプランを一緒に考えることを大切にしています。人中の長さにお悩みの方は、ぜひ一度、気軽な気持ちでカウンセリングにお越しください。