- 口呼吸を直したら、ほうれい線も薄くなる?
- 片側ばかりで噛んでいるのが原因?
- 舌の位置を変えれば、自分で改善できる?
ほうれい線が気になって、まず生活習慣やセルフケアで何とかできないか調べている方もいらっしゃると思います。
結論からいうと、成人では、口呼吸や噛み癖、舌の位置を変えるだけで、すでにあるほうれい線が薄くなるという十分な医学的根拠はありません。
鼻づまりや歯・あごの不調がある場合は、それ自体は治療した方がよいです。ただ、それを治せばほうれい線まで薄くなる、という話ではありません。
ほうれい線には、骨格、頬のお肉の厚み、たるみ、皮膚のハリ、表情など、さまざまなものが関係しています。
口呼吸を直せば、ほうれい線も薄くなる?
口呼吸をすると皮膚が乾燥してほうれい線が目立つ、と言われることがありますが、現在の医学的根拠からはそうとは言えません。
口呼吸で乾きやすくなることが確認されているのは、まず口の中です。
成人を対象にした研究でも、鼻呼吸に比べて口呼吸では口の粘膜が乾きやすくなることが報告されています。
ただし、これは口呼吸によって頬の皮膚が乾燥したり、ほうれい線が深くなったりすることを示した研究ではありません。
「口呼吸で口輪筋が衰えるから、ほうれい線が深くなる」は本当?
インターネットでは、
「口を開けていると口輪筋が使われなくなる」
「口輪筋が衰えると頬を支えられなくなる」
「その結果、頬がたるんでほうれい線が深くなる」
と説明されていることがあります。
当院では、この説明をそのままほうれい線の原因とは考えていません。
口呼吸によって口周りの筋肉の使われ方が変わることを調べた研究はあります。
ただ、口呼吸によって口輪筋が衰れ、そのために頬がたるみ、成人のほうれい線が深くなる、という一連の流れを裏づける十分な医学的根拠は確認できません。
そのため、「口輪筋を鍛えれば、ほうれい線が薄くなる」とも単純には言えません。
当院では、表情筋トレーニングをした後からほうれい線が目立つようになったというご相談もこれまで多く診ていますので、ほうれい線を薄くする目的で表情筋を積極的に鍛えることはおすすめしていません。
朝起きたときに口がかなり乾いている、鼻づまりが続いているといった場合は、ほうれい線のためというより、口呼吸の原因自体を耳鼻咽喉科でみてもらった方がいいですね。
片側ばかりで噛むと、片側のほうれい線が深くなる?
片側だけほうれい線が深いと、「いつも右側で噛んでいるからかな」と思う方もいるかもしれません。
ただ、右で噛むから右のほうれい線が深くなる、反対側で噛めば治る、というほど単純ではありません。
成人の噛む側の偏りと顔の左右差を調べた研究でも、明確な関連は認められていません。
ほうれい線の左右差には、もともとの骨格や頬のお肉の厚み、たるみなども関係します。
歯が痛くて片側でしか噛めない、あごが痛い、口が開けにくいといった症状がある場合は、無理に反対側で噛むのではなく、歯科でみてもらった方がいいですね。
なお、ほうれい線の左右差については、ほうれい線の左右差の原因と治療でも詳しく解説しています。
舌を上あごにつける「ミューイング」はどう?
ミューイングは、舌を上あごにつけることで、あごの輪郭や顔つきを変えようとする方法です。
SNSなどでは、「顔が引き締まる」「ほうれい線が薄くなる」と紹介されることもあります。
ただ、成人がミューイングを行うことで、ほうれい線が薄くなるという十分な医学的根拠はありません。
米国矯正歯科学会も、ミューイングによって顔の形が変わるという主張には科学的な裏づけがないと説明しています。
歯科では、舌の動きや飲み込み方に問題がある方に、舌や唇の訓練を行うことがあります。
舌の動きや飲み込みに問題がある場合は歯科でみてもらった方がよいですが、ほうれい線を薄くするために舌を上あごへ強く押しつけ続ける必要はありません。
なお、ミューイングについては、舌の位置とほうれい線の医学的根拠でも詳しく解説しています。
ほうれい線が目立つ理由は、口の癖だけではありません
同じ「ほうれい線が気になる」という方でも、見え方はかなり違います。
- 乾燥すると、ほうれい線に細かなシワが目立つ
- 笑うのをやめても、皮膚にシワが残っている
- 頬のお肉が厚く、ほうれい線との段差が影になっている
- 頬がたるんで、ほうれい線の上にお肉がかぶさっている
- 頬のお肉が少なく、頬がこけてほうれい線が目立っている
- もともとの骨格で、小鼻の付け根が頬より低く、ほうれい線の上の方に影ができている
- 笑った時にほうれい線が深くなる
一つだけではなく、いくつか重なっている方も多いです。
そのため、口呼吸や噛み癖を直しても、骨格や頬のお肉、たるみ、皮膚のシワなどが原因で、ほうれい線が残ることがあります。
なお、原因ごとの詳しい説明は、ほうれい線のタイプと治療方法にまとめています。
では、セルフケアでほうれい線はどこまで変わる?
口呼吸や噛み癖を直すだけで、すでにあるほうれい線を大きく薄くするのは難しいです。
ただし、セルフケアで目立ちにくくできる部分もあります。
皮膚が乾燥していると、ほうれい線に沿った細かなシワは目立ちやすくなります。
このような細かなシワであれば、保湿によって目立ちにくくなることがあります。紫外線対策も、皮膚の老化を防ぐためには大切です。
「夕方になると、ほうれい線にファンデーションがたまる」という方では、皮膚の乾燥やファンデーションの量が関係していることもあります。
詳しくは、ファンデーションがほうれい線にたまる原因と対処法をご覧ください。
一方で、皮膚に残っているほうれい線のシワ、頬のお肉によってできている段差や影、頬のたるみ、頬こけやほうれい線周囲のくぼみなどは、保湿だけで大きく変えることはできません。
口呼吸や噛み癖を直しても、こうしたくぼみやたるみがなくなるわけではありません。
こうした原因で目立っているほうれい線を薄くしたい場合は、治療が必要になることがあります。
セルフケアをしても残るほうれい線を薄くするには
ほうれい線の状態によって、当院ではグロースファクターやヒアルロン酸を使用しています。
頬のお肉の厚みやたるみが関係している方では、脂肪溶解注射や糸リフト、HIFUなどを行うこともあります。
皮膚に残っているシワにはグロースファクター
当院では、無表情でも皮膚に残っているほうれい線のシワに、グロースファクター治療を行っています。
ほうれい線の皮膚へグロースファクターを注入し、コラーゲンなどの産生を促すことで、皮膚のハリや厚みを改善し、シワを薄くしていく治療です。
ヒアルロン酸のように注入直後に膨らませる治療ではなく、効果は数か月かけて徐々に現れます。当院では、6か月後を治療経過の完成目安としています。
くぼみや頬との段差にはヒアルロン酸
ほうれい線やその周囲がへこんでいる場合には、ヒアルロン酸を注入して、くぼんだ部分のボリュームを出します。
周囲との段差がなめらかになることで、ほうれい線にできていた影も目立ちにくくなります。
頬がこけている方にも、ヒアルロン酸を使用します。
施術直後から効果を実感したい場合はヒアルロン酸、長期的な改善効果を希望する場合はグロースファクターをおすすめしています。
頬のお肉が厚い方や、たるみが関係している方には
頬のお肉が厚く、ほうれい線との段差が目立っている方には、脂肪溶解注射を行うことがあります。
頬のたるみが関係している場合には、糸リフトやHIFUなどを行うこともあります。
ただし、頬のお肉を減らしたり、たるみを治療したりするだけで、ほうれい線が十分に薄くなるとは限りません。
皮膚にシワが残っていたり、ほうれい線周囲にくぼみがある場合には、グロースファクターやヒアルロン酸を追加することがあります。
詳しくは、ほうれい線治療のガイドをご覧ください。
グロースファクターの6か月後に、ヒアルロン酸を追加した症例
次の30代男性の症例では、まずグロースファクター治療を行い、6か月後まで経過を見たうえで、残っていたほうれい線にヒアルロン酸を1本追加しています。
グロースファクターだけで、ほうれい線のくぼみまで改善することがあります。
そのため、シワとくぼみの両方が気になる方でも、最初からグロースファクターとヒアルロン酸を両方行うとは限りません。
まずグロースファクター治療を行い、経過を見たうえで、まだくぼみが気になる場合にヒアルロン酸を追加することがあります。
また、先にヒアルロン酸を注入すると、その後グロースファクター治療を行う際に、残っているヒアルロン酸を溶解する必要が生じることがあります。
この症例に関連する治療
グロースファクター
料金:両側180,000円/片側110,000円/2回目以降90,000円(税込)
経過:効果は数か月かけて徐々に現れます。
主なリスク:腫れ、内出血、左右差、しこり、凹凸、感染、過剰な組織の増生など。
ヒアルロン酸
料金:1本目77,000円/2本目以降1本69,800円(税込)
経過:施術直後から効果を実感できます。
主なリスク:腫れ、内出血、しこり、凹凸、感染など。まれに血流障害が起こることがあります。
気になっているなら、一度見せてもらった方が早いと思います
「口呼吸が原因なのかな」「噛み癖を直せば良くなるかな」「まずセルフケアを全部試してからの方がいいかな」と考えて、しばらく様子を見ている方もいると思います。
ただ、骨格、頬のお肉、たるみ、皮膚のシワなどが関係している場合は、口呼吸や噛み癖を直しても、ほうれい線は残ります。
ほうれい線が気になっているのであれば、「まず自分で何とかしてから」と考えすぎず、一度見せていただいた方が早いと思います。
受けたい治療を決めてから来院する必要はありません。
来院をご希望の方は、予約フォームからご希望の院・日時をお送りください。
来院前に相談したい方は、お問い合わせ・写真相談をご利用いただけます。









