ほうれい線は、ある日突然できるものではありません。
もともとの骨格や肌質によって目立ちやすさには個人差がありますが、年齢とともに肌のハリが低下したり、頬の脂肪などが変化したりすることで、少しずつ目立つようになることがあります。
「まだ若いから大丈夫」
そう思っていても、気づかないうちに少しずつ加齢は進んでいきます。
そして、ある日ふと鏡に映った自分の顔を見て、
「なんだか最近、疲れて見えるな」
「以前より老けた気がする……」
そんなふうに感じることがあるかもしれません。
その原因の一つが、ほうれい線かもしれません。
だからこそ、ほうれい線が目立ってから対処するだけでなく、目立つ前から予防を意識することも大切です。
では、ほうれい線を予防するためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。また、毎日のセルフケアでは、どこまで予防できるのでしょうか。
今回は、ほうれい線の予防で大切なことや、ご自宅でできるセルフケア、すでにほうれい線が気になっている場合の治療について、詳しくお伝えします。
ほうれい線の予防は、何歳から始める?
ほうれい線の予防は、何歳から始めても早すぎるということはありません。
特に、紫外線対策や保湿などのスキンケアは、ほうれい線が目立つ前から習慣にしておきたいものです。
20代や30代で、まだほうれい線がほとんど気にならない方でも、毎日のケアを続けることが、将来の肌の状態を考えるうえで大切になります。
一方で、若い頃からほうれい線が目立つ方もいらっしゃいます。
ほうれい線は加齢だけでなく、生まれつきの骨格や、頬の脂肪のつき方、表情筋の癖などによっても目立ちやすさが異なります。
そのため、「何歳だからまだ大丈夫」「何歳になったから治療が必要」と年齢だけで判断するものではありません。
今のほうれい線の状態に合わせて、どのような対策をしていくか考えることが大切です。
ほうれい線を予防するために、毎日続けたいセルフケア
ほうれい線の予防というと、特別な美容液やマッサージを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、まず大切なのは、日々のスキンケアや生活習慣です。
特に意識していただきたいことをご紹介します。
1.紫外線対策を毎日の習慣にする
ほうれい線の予防を考えるうえで、まず意識していただきたいのが紫外線対策です。
紫外線は肌のコラーゲンやエラスチンなどに影響し、シワやたるみといった肌の老化を進める要因になります。
そのため、日焼け止めは夏だけでなく、一年を通して使用することをおすすめします。
SPF30以上でUVAにも対応した日焼け止めを目安に、製品に記載された適切な量を使用しましょう。
また、屋外で長時間過ごす場合には、日焼け止めの塗り直しに加え、日傘や帽子なども活用するとよいでしょう。
日焼け止めを毎日使用することで、肌の光老化が抑えられたという研究も報告されています。
ほうれい線ができてから紫外線対策を始めるのではなく、まだ目立たないうちから習慣にしておくことが大切です。 (米国皮膚科学会)
2.保湿をしっかり行い、乾燥を防ぐ
肌の乾燥も、シワを目立たせる原因の一つです。
特に口元は、食事や会話などで日常的によく動く部分です。
肌が乾燥すると細かなシワが目立ちやすくなるため、毎日の保湿を心がけましょう。
洗顔後は、化粧水だけでなく、必要に応じて乳液やクリームなどを使用し、肌のうるおいを保つことが大切です。
また、洗顔やクレンジングの際に強くこすらないことも意識してください。
ただし、保湿によって改善が期待できるのは、主に乾燥による細かなシワです。
すでに深くなっているほうれい線を、保湿だけで改善することは難しい場合があります。
3.シワのケアに役立つ美容成分を取り入れる
普段の保湿に加えて、肌のハリやシワのケアを意識したい方は、美容成分にも注目してみましょう。
例えば、レチノールやナイアシンアミドなどは、肌のシワに対する効果が研究されている成分です。
ただし、これらの成分を使用したからといって、必ずほうれい線を予防できるわけではありません。
また、レチノールなどは肌質によって赤みや乾燥、刺激が出ることもあるため、ご自身の肌に合うものを選ぶことが大切です。
※妊娠中はレチノールの使用を避けてください。
こうした成分を取り入れた保湿ケアも、選択肢の一つです。
当院でも、ナイアシンアミドやヒアルロン酸などを配合した「HCリンクルリフトクリーム」を取り扱っています。
毎日のスキンケアを見直したい方は、こうした美容成分も参考にしてみてください。
4.食事や睡眠などの生活習慣を整える
ここまでスキンケアについてお話ししましたが、ほうれい線の予防を考えるうえでは、毎日の生活習慣も見直しておきたいところです。
特に、食生活や睡眠、喫煙習慣などは、肌の健康にも関わっています。
食事では、肉や魚、卵、大豆製品などからたんぱく質を摂取し、野菜や果物などもバランスよく取り入れましょう。
また、睡眠不足が続いている方は、十分な睡眠時間を確保することも大切です。
そして、タバコを吸っている方は、禁煙も意識してみてください。喫煙は肌の老化を進める要因の一つであり、シワとの関連も報告されています。(米国皮膚科学会)
もちろん、食生活や睡眠を改善しただけで、すでにあるほうれい線が消えるわけではありません。
しかし、肌の健康を保つためにも、こうした生活習慣を整えておくことをおすすめします。
ほうれい線の予防にマッサージや顔の体操は効果がある?
ほうれい線の予防について調べていると、マッサージや顔の体操を紹介する情報を目にすることがあります。
「毎日マッサージをすれば、ほうれい線を予防できるのでは?」
「顔の筋肉を鍛えれば、たるみを防げるのでは?」
このように考える方もいらっしゃると思います。
実際に、顔の体操を20週間続けた研究では、頬がふっくらして見える変化が報告されています。しかし、ほうれい線そのものについては、明確な改善が確認されませんでした。(JAMA Dermatology)
また、マッサージや顔の体操は、やり方によっては逆効果になる可能性もあります。
米国皮膚科学会(AAD)は、同じ表情を長年繰り返すことで、表情ジワが徐々に定着することを指摘しています。
さらに、皮膚を強くこすることは肌への刺激となり、肌の老化を早める要因になるとも説明しています。(米国皮膚科学会)
そのため、ほうれい線を薄くしようとして、顔を強くこすったり、無理に表情筋を動かしたりすることはおすすめしません。
もちろん、マッサージや顔の体操をしたからといって、必ずほうれい線が深くなるわけではありません。
ただ、予防効果が十分に確認されていない以上、私は無理に続ける必要はないと考えています。
まずは紫外線対策や保湿など、毎日のスキンケアを大切にしていただければと思います。
セルフケアを続けても、ほうれい線が気になる場合は?
ここまで、ご自宅でできる予防方法をご紹介してきました。
しかし、毎日しっかりスキンケアをしていても、ほうれい線が徐々に目立ってくることはあります。
ほうれい線には、肌の乾燥やハリの低下だけでなく、骨格や加齢による頬のたるみなど、さまざまな要因が関係しているためです。
「以前よりほうれい線が深くなってきた」
「最近、口元のシワが気になるようになった」
そんなときには、セルフケアだけで改善しようとするのではなく、美容医療による治療も一つの方法です。
当院では、ほうれい線の状態に合わせて、主にグロースファクターやヒアルロン酸による治療を行っています。
グロースファクターでほうれい線を薄くする
グロースファクターは、皮膚のコラーゲンなどの産生を促し、ほうれい線そのものを薄くする注射治療です。
深くなってしまったほうれい線だけでなく、まだシワが浅い段階から治療することができます。
ほうれい線が深くなってしまうと、1回の施術では十分な改善が得られず、追加の施術や、ほかの治療を組み合わせながら段階的に改善していく必要が出てくることもあります。
そのため、私はほうれい線が深くなる前に、早めに対策しておくことが大切だと考えています。
もちろん、まだほうれい線が目立たない方に、無理に治療をおすすめするわけではありません。
今のほうれい線の状態や、ご本人の希望に合わせて治療を行っています。
ヒアルロン酸|施術直後から効果を実感できる治療
ヒアルロン酸も、ほうれい線を薄くするために行っている注射治療です。
ほうれい線にヒアルロン酸を注入し、皮膚を内側からふっくらさせることで、シワや溝を改善します。
鼻横のくぼみだけでなく、ほうれい線全般に対応しており、施術直後から効果を実感できることが大きな特徴です。
「できるだけ早くほうれい線を薄くしたい」という方にもおすすめしています。
また、グロースファクターとヒアルロン酸を組み合わせて治療を行うこともあります。
それぞれの治療には特徴があるため、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
頬のたるみが気になる場合
年齢とともに頬がたるみ、ほうれい線が目立ってくる方もいらっしゃいます。
そのような場合には、HIFUや高周波治療、糸リフトなどを行うこともあります。
これらは主に、頬の引き締めやリフトアップを目的とした治療です。
ただし、たるみを改善しても、ほうれい線が十分に薄くならないこともあります。
当院では、今のお顔の状態やご希望に合わせて、必要な治療をご提案しています。
実際のほうれい線治療では、どのような変化が見られる?
すでにほうれい線が目立っている場合、治療によってどのような変化が見られるのでしょうか。
当院で治療を行った患者様の症例をご紹介します。
症例① 40代女性|ヒアルロン酸によるほうれい線治療

鼻横からほうれい線上部にかけて、ヒアルロン酸を合計2本(2cc)注入した症例です。
施術前と比較すると、ほうれい線が浅くなり、口元の印象が改善しています。
施術内容・料金・リスク
症例② 60代女性|グロースファクターによるほうれい線治療

深くなったほうれい線に対して、グロースファクターを注入した症例です。
施術1か月後の写真では、施術前と比較してほうれい線が薄くなっている様子が確認できます。
グロースファクターは、ヒアルロン酸とは異なり、数か月かけて徐々に変化が現れる治療です。
施術内容・料金・リスク
まとめ|ほうれい線は、目立つ前からの予防が大切
ほうれい線は、年齢とともに少しずつ目立つようになることがあります。
そのため、まだ気にならないうちから紫外線対策や保湿などのセルフケアを続け、肌の健康を保つことが大切です。
ただし、ほうれい線には骨格や加齢による変化なども関係しているため、日々のスキンケアだけで予防することが難しい場合もあります。
すでにほうれい線が気になり始めている方は、深くなってから治療するのではなく、早めに対策することも考えてみてください。
当院では、グロースファクターやヒアルロン酸を中心に、患者様一人ひとりのほうれい線の状態に合わせた治療を行っています。
まだ治療するか決めていない方も、今の状態でどのようなことができるのか、お気軽にご相談いただければと思います。













