「飲むだけでほうれい線が消える」といったサプリメント広告を見かけることがあります。
「注射やオペまではしたくない。まずは自宅でできることから試したい」
このページを見ている方の中にも、そう考えている方は多いと思います。
しかし、残念ながらサプリメントだけで、ほうれい線を大きく改善するのは難しいです。
とはいえ、飲むコラーゲンやヒアルロン酸には、肌の水分量やシワの改善が報告された研究があります。最近では、実際にほうれい線の深さを測ったコラーゲンの試験も出ています。
実際のデータを見てみましょう。
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飲むコラーゲンで、ほうれい線はどれくらい変わる?
2025年に発表された70人を対象とした試験では、低分子コラーゲンペプチドを1日1,650mg、8週間摂取したところ、ほうれい線の最大深さと平均深さが対照群より改善しました。[1]
最大深さ・平均深さともに、コラーゲン群と対照群の変化量の差は約0.02mmでした。
統計学的には差が出ていますが、この程度の差であれば、「コラーゲンを飲めば見た目にもほうれい線が大きく改善する」とまでは言えないと私は考えています。
もう一つ見ておきたいのが、これまでのコラーゲン研究をまとめた解析です。
2024年6月までの23件、計1,474人の試験をまとめた分析では、全体では肌の水分量や弾力、シワの改善が見られました。しかし、ランダム化や二重盲検など、研究方法がよりしっかりした試験だけを見ると、明確な効果は確認されませんでした。[2]
さらに、70人の試験自体も、特定の製品を使った製造会社の関与する研究です。
コラーゲンサプリで多少変化が出る可能性はありますが、0.02mmという差を見ると、ほうれい線が大きく改善するほどの効果を期待するものではないでしょう。
コラーゲンサプリを補助的に試してみるのはよいと思います。
飲むコラーゲンが体の中でどう吸収されるのか、「飲んでも意味がない」という話は本当なのかについては、コラーゲンドリンクでほうれい線は改善する?で詳しく解説しています。
飲むヒアルロン酸はどう?
ヒアルロン酸も、美容系のサプリメントでよく見かける成分です。
150人を対象に12週間調べた試験では、肌の水分量や弾力が改善し、120mgを摂取した群では目尻のシワの深さにも改善が報告されています。[3]
この試験でシワを測定したのは目尻ですが、肌の水分量や弾力も改善しています。顔全体の肌にも良い影響はあると思います。
ほうれい線自体がどれくらい変わるかは、この試験では測られていません。
ここで少し紛らわしいのが、飲むヒアルロン酸と注射で使うヒアルロン酸です。
同じ「ヒアルロン酸」という名前ですが、構造が異なるため作用も異なります。
ヒアルロン酸注射では、一般的にヒアルロン酸を架橋してゲル状にした製剤を使います。くぼんでいる部分へ直接注入し、ボリュームを補う治療です。
スキンケアではよく知られているセラミドですが、サプリとしてはどうでしょうか?
セラミドは、肌のバリア機能を保つうえで重要な成分で、化粧品にもよく使われています。
では、サプリメントとして飲んだ場合はどうでしょうか。
セラミドの内服でも、肌の水分量を増やしたり、皮膚から水分が逃げるのを抑えたりする効果が報告されています。[4]
飲むセラミドもいいと思います。
ただ、乾燥対策であれば、私はセラミド配合の化粧品を使います。
セラミドは、皮膚の一番外側にある角質層で重要な働きをする成分です。せっかく作用してほしい場所が皮膚の一番外側にあるのであれば、そこに直接塗ればいい、というのが私の考えです。
ほうれい線に使う化粧品については、ほうれい線の化粧品とスキンケアについてでも詳しく解説しています。
ビタミンCは美容のためにも積極的に摂りたい成分
ビタミンCは抗酸化作用が強く、体内でコラーゲンを作るためにも必要な栄養素です。[5]
美容でも非常によく知られている成分で、シミや紫外線による肌ダメージのケアにも広く使われています。
私自身も、健康や美容のためにビタミンCは積極的に摂ってよいと思っています。
ただ、ほうれい線改善として考えたときは、ビタミンCだけでほうれい線が良くなるものではありません。
サプリメントを選ぶとき、私ならここを見ます
実際に商品を選ぶとき、私がまず見るのは成分と1日量です。
研究が紹介されている商品であれば、その商品自体を使った研究なのか、配合されている成分についての研究なのかも確認します。
サプリメントを探していると、「機能性表示食品」という表示もよく目にすると思います。
機能性表示食品は、国が一つひとつの商品を審査して効果を認める制度ではありません。事業者が科学的根拠などをそろえて、消費者庁へ届け出る制度です。[6]
商品によっては複数の美容成分が入っています。いくつかのサプリメントを併用している方は、成分表を見て、同じものが重なっていないか確認してみてください。
私自身も複数のサプリメントを飲んでいるので、成分が重なっていないかは確認しています。
また、薬を飲んでいる方は、サプリメントとの組み合わせに注意が必要なものもあります。商品名や成分が分かるものを医師や薬剤師に見せて確認してください。[7]
どのくらい飲めば効果が分かる?
では、実際にサプリメントを試す場合、どのくらい続ければよいのでしょうか。
今回紹介したコラーゲンやヒアルロン酸の試験では、8〜12週間かけて変化を見ています。
数か月続けてみて、
「なんとなく肌の調子は良くなった。でも、ほうれい線自体はほとんど変わらない」
ということもあると思います。
数か月飲んでもほうれい線自体がほとんど変わらなければ、そこで一度区切っていいと思います。
私自身もサプリメントは飲んでいます
ここまで読むと、私がサプリメントに否定的に見えるかもしれませんが、私自身も美容や健康のためにいろいろなサプリメントを飲んでいます。
良質な食事をとる。運動する。しっかり眠る。スキンケアをする。
美容のために日常でできることはいろいろあります。サプリメントもその一つです。
健康にも美容にも良いものは取り入れる。
ただ、サプリだけでほうれい線が良くなるとは考えていません。
それでも、年齢とともに顔は少しずつ変化していきます。
セルフケアで変えにくいものは、美容医療に頼ってもいい
加齢とともに目立ち始めたほうれい線を、セルフケアだけで大きく改善するのは厳しいです。
ほうれい線には、皮膚のたるみ、骨格や脂肪による凹凸、リガメントの変化、表情筋のくせなど、さまざまな要素が関係しています。[8]
こうした顔の構造的な変化は、食事や睡眠、運動、サプリメントだけでは元に戻せません。
セルフケアでできることは続ける。変えにくい部分は美容医療に頼る。
私はそれでいいと思っています。
今は美容医療もかなり発達しています。
「できるだけ自分で何とかしなければ」とサプリメントだけで粘る必要もありません。
ほうれい線が気になっているのであれば、何が原因になっているのかを見てもらい、必要な部分に美容医療を使う。
当院では、ほうれい線が気になる方に対して、主にグロースファクターとヒアルロン酸で治療を行っています。
詳しい違いについては、グロースファクターとヒアルロン酸の比較で解説しています。









