
著者:
ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会代表 笹川新也 ドクター紹介はこちら
「鏡を見るたびに、口元のシワが気になる…」
そんな方の中には、“笑いじわ”と“ほうれい線”の違いがわからないという方も多くいらっしゃいます。
この記事では、美容皮膚科の視点から、笑いじわとほうれい線の違いをわかりやすく解説し、それぞれの効果的な対処法もご紹介します。
「笑いじわ」と「ほうれい線」の違いとは?原因・特徴・対策を徹底解説
笑いじわとほうれい線、似ているようで違う“老け見えサイン”
「鏡を見るたびに、口元のシワが気になる…」
そんな方の中には、“笑いじわ”と“ほうれい線”の違いがわからないという方も多くいらっしゃいます。
この記事では、美容皮膚科の視点から、笑いじわとほうれい線の違いをわかりやすく解説し、それぞれの効果的な対処法もご紹介します。
見分け方のポイントは「出方」と「残り方」
■ 笑いじわとは?
「笑いじわ」は、表情筋の動きによって生じる浅いシワです。
例えば、笑ったときに目尻や口角周辺に現れる“線”→会話中や表情が豊かなときに出やすい
無表情になると目立たなくなることがほとんど
つまり、笑いじわは一時的に現れる“動的なシワ”です。
ただし、加齢や乾燥によって肌の弾力が低下してくると皮膚が元に戻らず、シワが定着して「刻まれジワ」になることもあります。
特に乾燥が進んだ肌は、表情のクセがシワとして固定されやすくなります。
■ ほうれい線とは?
「ほうれい線」は、鼻の横から口角へと斜めに走る、深い溝状のシワです。
以下のような特徴があります:無表情でもくっきりと見える
年齢を重ねるほど深く長くなりやすい
写真写りや顔全体の印象を左右する「老け顔サイン」
その原因は「表情」ではなく、主に以下の構造的な老化現象にあります:頬の脂肪が重力で下垂する
真皮のコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚そのものがゆるむ
頬骨・上顎骨などの顔の骨格のボリューム減少により、皮膚の土台が落ちる
このため、肌の奥深くから立体的に改善する医療的アプローチが必要になります。
シワの種類 | 主な原因 | 部位 | 特徴 |
---|---|---|---|
笑いじわ | 表情筋の動き、乾燥、皮膚の弾力低下 | 目尻・口元など | 一時的に現れ、表情を戻すと消える |
ほうれい線 | 真皮のコラーゲン減少、脂肪の下垂、骨格変化 | 鼻横~口角 | 常に目立つ深い溝状のライン |
美容皮膚科での治療アプローチ|しわの種類別に最適な方法を
【笑いじわ】への対策
笑いじわは「動的なしわ」、つまり表情筋の動きに伴って生じる浅いシワです。放っておくと「刻まれジワ」になるリスクがあるため、早めのケアが大切です。
■ ボトックス注射(ボツリヌストキシン製剤)
シワ取り、多汗症治療、痩身、皮膚引き締めなど様々な効果をもたらす治療です。
表情筋にボトックスを注射すると、表情筋の力が弱くなります。
笑った時にほうれい線が目立つ場合、ボトックスで笑った時に働く表情筋を弱めてあげると、シワが出にくくなります。
ただし、ガミースマイルと言って、笑った時に歯茎が目立ちやすい方が良い適応です。
笑った時に歯茎があまり見えない方はほうれい線ボトックスを打つと、一時的に笑ったときの表情が不自然に見えることがあります。
ほうれい線が悪化することを予防効果
ちなみに、笑った時のほうれい線が形成されにくくなることで、無表情時のほうれい線のシワが定着することを予防する効果があります。
特に皮膚のコラーゲンが低下していると、笑った際にできるシワが次第に固定化していくため、ボトックス治療の適応がある方はボトックスでシワができにくくすると、シワが刻まれていく現象を防ぐことができます。
注意点
注意点としては、持続期間は3-6ヶ月程度なので、繰り返し施術を受ける必要があります。
また、無表情の時に目立つほうれい線は改善しません。
そのため、当院ではグロースファクターと併用して受けられる方が多いです。
■スネコス・リズネ・プルリアルデンシファイ注射
肌の内側からハリ・弾力を呼び戻す「肌質再構築注射」
これらの注射製剤は、いずれも真皮層に直接働きかけて、線維芽細胞を活性化させる作用を持っています。
・コラーゲン・エラスチンの再生を促進
・肌の内側から自然な弾力・ハリ感を回復
・ちりめんジワ、乾燥ジワ、笑いじわの進行予防にも◎
・継続的な施術で、肌質そのものが底上げされる実感
・真皮層に働きかけてコラーゲン・エラスチンの生成を促進
肌質自体を改善することで、笑いじわの進行を防ぐ
▶ スネコス注射
非架橋ヒアルロン酸+6種のアミノ酸を独自配合。肌の自然な質感を保ちながら、ふっくらとしたハリ感を再構築
▶ リズネ(LIZNE)
リジュランの後発製剤として注目されるポリヌクレオチド(PN)注射。細胞の自己修復力を高め、肌構造をしっかり支える
▶ プルリアルデンシファイ注射
高濃度の架橋ヒアルロン酸+アミノ酸+抗酸化成分を配合した、“ハリ”と“密度”を同時に高める高性能注射。
■ スキンケア(保湿・レチノール)
▶ Nasora HCクリーム
Nasora HCクリームは、「大阪Houreisen美容皮膚科・東京Houreisenスキンクリニック」統括院長 笹川新也、が監修した高品質なスキンケアクリームです。美容皮膚科医としての豊富な臨床経験を活かし、肌トラブルに悩む方のために開発された処方が特徴です。
Nasora HCクリームには、保湿にプロテオグリカン、エイジングケアにナイアシンアミド・ペプチド・バクチオール、ハリを与えるDMAE・グロースファクター(EGF)等、改善効果が高い成分が配合されています。
肌をしっかり保湿しつつ、シワ・たるみ・お肌のハリの改善と言ったアンチエイジング効果を更に高めた処方となっています。
Nasora HCクリームに含まれている成分をご紹介します。
- プロテオグリカン:非常に高い保水力を持っています。肌の保湿力を高め乾燥から守ります。
- ナイアシンアミド:ビタミンの一種で非常に多機能な成分です。セラミド合成を促進して肌のバリア機能を高め、肌を乾燥から守ります。肌荒れや赤みを抑える抗炎症作用や、メラニンの生成や移行を抑えシミ・そばかすを防ぐ美白効果もあります。
- ペプチド:肌の線維芽細胞に働きかけコラーゲンやエラスチンの生成をサポートすることで、肌のハリや弾力を保つ効果があります。肌のバリア機能、保湿力を高る効果もあります。
- バクチオール:レチノールに似た働きを持ちながら、比較的刺激が少ない成分です。コラーゲンやエラスチンの生成をサポートすることで肌のハリや弾力を保ち、小ジワなどを目立ちにくくする効果があります。抗酸化・抗炎症作用を併せ持ち、肌を健やかな状態に保ちます。
- DMAE:筋肉の収縮をサポートし、肌を引き締める効果があるとされます。引き締まった結果ハリが生まれ、細かいシワを改善します。
- グロースファクター(EGF – Epidermal Growth Factor):EGFはグロースファクターの一つで、肌の表皮細胞の成長や増殖を促進する働きがあります。肌のターンオーバー促進、ダメージを受けた肌の修復、その結果、肌全体のハリや滑らかさにつながります
▶ レチノール配合の美容液
肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)を促進
真皮のコラーゲン生成を助け、内側から弾力UP
長期的に使うことで、ちりめんジワや毛穴の開きも改善
※レチノールは赤み・皮むけなどが起きやすいため、医師の指導のもと段階的な使用が理想です。
【ほうれい線】への対策
ほうれい線は「構造的なたるみによる溝状のシワ」であり、肌表面だけでなく、皮下組織・筋膜・骨格までが影響する深いエイジングサインです。
● グロースファクター注射
グロースファクターとは、実は元々体内で作られれているたんぱく質のことをグロースファクターと言います。
グロースファクターは、コラーゲンやエラスチンを作る働きをもち、一般的には成人に差し掛かったあたりから急激に減少し、その後年齢を経るにつれてますます減少してしまいます。
皮膚の内側の真皮層に、肌のハリやツヤをだす役割がありますが、そこはコラーゲンやエラスチンによって支えられているので、ここが加齢・紫外線・乾燥によりダメージを受けると、肌の老化が進み、シワ・たるみが進行し、ほうれい線が目立っていきます。
その部分にコラーゲンやエラスチンを正常に組みなおす力のある【グロースファクター】を注入することで、それが栄養素になり自然にふっくらと持ち上げてくれるのです。
肌の深層にある線維芽細胞を活性化し、コラーゲンの再生を促すことで、“シワの根本”から自然に持ち上げるエイジングケア治療。
こちらの症例は60代女性です。鼻横の深いシワは目立ちにくくなりました。
● ヒアルロン酸注入
凹んだほうれい線やボリュームロス部分にピンポイントで注入し、立体的な若返りを実現。
「ふっくら感」や「左右差補正」にも対応できるカスタム注入が可能です。
ヒアルロン酸は元々、私たちの身体の中にある安全な成分です。
保水機能が高く、細胞同士を結ぶ役割もあります。
皮膚の真皮にも含まれ、肌のハリや組織の弾力性をもたらします。
液体でも固体でもないゼリー状の成分ですが、これを加工しゴルゴラインやマリオネットラインといった皺の部分の真下に注入すると、組織がふっくらするのでシワを薄くする効果があります。
こちらの症例は30代女性です。深いほうれい線が自然に薄くなっております。
■ HIFU(高密度焦点式超音波)
ハイフ:皮膚表面へダメージを与えることなく、熱で皮膚の内側から肌を引き締める超音波痩身治療です。
高密度焦点式超音波治療法(high intensity focused ultrasound:HIFU)の頭文字から日本語名でハイフと呼ばれています。
超音波照射の熱作用により、お肌のリジュビネーション(若返り)効果があります。
HIFUは、病院で用いられるエコー検査と同じ超音波という音波の特性を生かし、皮膚の浅い層から深い層までレーザー照射が可能です。
具体的には、表皮の毛穴のタイトニングおよび真皮層の皮膚線維芽細胞を活性化させ、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生成を行い皮膚の弾力向上、ハリ・ツヤ感のアップ効果があります。
また皮下組織(脂肪層)を縮めて、ボリュームダウン(痩身)効果があったり、SMAS筋膜(表在性筋膜)を引き締め、リフトアップ効果を高めます。
インナーマッスル(SMAS筋膜)にアプローチする非外科的リフトアップ治療。
肌の奥から引き上げるため、たるみによる深いほうれい線やフェイスラインのもたつきにおすすめです。
■糸リフト
糸リフト(スレッドリフト):特殊加工された医療用の溶ける糸を皮下に挿入し、皮膚の内側から引き上げることにより、リフトアップ効果が期待できます。挿入した糸の刺激で糸の周りを包み込んだ繊維が柱のように残るため、将来的に皮膚がたるみにくくなるとされています。また、糸を挿入した周囲にコラーゲン組織が大量に増殖することにより、肌の引き締まりやハリツヤなどの肌質改善といった副次的な効果も期待できます。
HIFUとの併用で、よりシャープなフェイスラインとほうれい線の浅化が期待できます。
こちらの症例は50代女性です。
糸リフトで、口横のたるみと頬のコケを中顔面に移動させて、輪郭を整えつつ、ほうれい線の短縮も可能です。
まとめ
笑いじわとほうれい線、それぞれに合った“正しい対策”を
「笑いじわ」と「ほうれい線」は、見た目が似ていても原因・性質・治療法がまったく異なるシワです。
なんとなく気になる…と放置してしまうと、加齢とともにシワは定着・進行していく可能性があります。
✅ ポイントまとめ
笑いじわは「表情筋の動き」による表情ジワ → ボトックスや肌再生注射で予防&改善
ほうれい線は「皮膚のたるみ・構造変化」による深いシワ → ヒアルロン酸、HIFU、糸リフトなどのリフト系治療が効果的
肌質の衰えがある場合は、スネコス・リズネ・プルリアルデンシファイなどの「肌再構築注射」でハリ感を底上げ
当院では、一人ひとりのシワの原因を丁寧に診断し、最適な“かけ合わせ治療”をオーダーメイドでご提案しています。
「どんな治療が合うかわからない」「不自然な変化は避けたい」そんな方こそ、美容皮膚科の専門的な視点が必要です。