
監修:ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会代表 笹川新也 ドクター紹介はこちら
「夏の紫外線で日焼けしてしまった…」「気づかないうちにシミが増えた…」そんな経験はありませんか?
そこで慌ててシミ・美白ケアを始めようと、市販のハイドロキノンを手に取ったという方も多いのではないでしょうか。
美白成分はたくさんありますが、「ハイドロキノンが一番効くらしい」と聞いて使い始める方も少なくありません。
しかし実は、市販品とクリニック処方では濃度が大きく異なり、使い方を誤ると肌トラブルを招くリスクも…。
今回は、美白効果が高い一方で注意も必要なハイドロキノンについて、効果と副作用、安全に使うためのポイントをわかりやすく解説します。
目次
ハイドロキノンとは?
「美白にはハイドロキノンが効くらしい」と聞いて、最近ドラッグストアや通販で購入したという方も増えています。
ハイドロキノンは、メラニンの生成を抑えてシミやくすみを薄くする、美白効果の非常に高い成分です。
もともとは医療機関でのみ取り扱われていた成分で、「肌の漂白剤」とも呼ばれるほど効果が強力です。
一方で、使い方や濃度を誤ると肌にダメージを与えるリスクもあるため、正しい知識が必要です。
市販品でも高濃度が存在することに注意
「市販=低濃度で安全」と思われがちですが、最近では5%前後の高濃度ハイドロキノンも市販されています。
一見手軽に美白できそうですが、高濃度を自己判断で使うと赤み・かぶれ・白斑などの副作用が出るリスクが高まります。
特に紫外線ダメージ直後の肌や敏感肌では、炎症後色素沈着や色素脱失(皮膚の白抜け)を起こす可能性もあります。
クリニック販売のハイドロキノンとの違い
医療機関で扱うハイドロキノンは、同じ濃度であっても品質や安定性が高く、使用製品・使用製品まで患者さんのお肌に合わせて医師が管理しています。
例えば、当院ではゼオスキンシリーズのミラミン、
刺激が強い方にはガウディスキンのHQクリアなどを、肌状態に合わせて処方しています。
自己判断で使わず、専門家に相談を
ハイドロキノンは効果が高い反面、間違った使い方で肌トラブルが起きやすい成分です。
市販で手に入るからといって安易に使わず、必ず医師の診察のもとで使用することをおすすめします。
ハイドロキノンの副作用について
ハイドロキノンの具体的な副作用をみていきましょう。
副作用としては、刺激(赤みひりつき灼熱感)・乾燥・接触性皮膚炎・白斑・色素沈着の悪化・外因性オクロノーシスなどが挙げられます。
副作用には個人差があります。
副作用からお肌を保護するためにも、用法容量を守り、安全に使用しましょう。
副作用が出た時の対処法
続いて、副作用の症状と、対処法を見ていきましょう。
刺激(赤みひりつき灼熱感)・乾燥
赤みやひりつき、灼熱感が出ることは、ハイドロキノン使用時によく起こるケースです。
刺激・乾燥の対処法
・使用を一旦中止する
赤みやひりつきが出たときは、まず塗布を中止します。
軽い症状であれば数日程度で落ち着く場合が多いです。
・クーリングをする
灼熱感もある場合には、クーリングをします。過度なクーリングはリバウンド現象と呼ばれ、逆効果になるためNG
・保湿をする
バリア機能が低下しているため、保湿により皮膚を守る必要があります。
・日焼け止めを徹底
バリア機能低下によって紫外線の影響をいつも以上に受ける可能性があります。
色素沈着悪化やシミ増加を防ぐためにも日焼け止めは必ずしましょう!
・再開時期は慎重に...
症状が落ち着いてもすぐに再開しないことが重要です。
2日に一回夜だけ、気になる部分のみ、前回よりも量を少なくする、などの調整が大切です。
少しずつ肌が慣れていくように再開していきましょう!
受診が必要なケース
強い赤みやひりつきが数日続く、使用を中止しても改善しない
水疱や潰瘍(水ぶくれやただれて汁が出ている)が出来ている
接触性皮膚炎
ハイドロキノンに対してアレルギー症状を起こしている状態です。
症状としては・・・
強い痒み・赤み(赤斑)・湿疹(ぶつぶつした物が集中して増加)・腫れ・熱感やヒリヒリ感、などが起こります。
発生時期は・・・
使用直後~数日以内に起こることが多いです。
アレルギー性の場合は、数日遅れて起こることもあります。
接触性皮膚炎の対処法
・すぐに使用を中止する
すぐ塗布を中止します。
・患部を洗い流す
残っている薬剤を取り除く必要があります。ゴシゴシと刺激をしないよう注意
・クーリングをする
クーリングをすることで痒みや赤みが和らぎます。過度なクーリングは逆効果になるためNG
・保湿をする
刺激の少ないワセリンなどを塗布することで皮膚を守ります。
・皮膚科受診
早期受診によって改善が早くなります。自己判断が悪化するリスクが一番高いです
場合によっては、抗アレルギー薬内服やステロイド外用薬塗布などが必要になる事もあります!!!
白斑
色素脱失が起こり、白斑が出現します。(写真のようにはっきりとした白い斑点やまだら模様)
色素脱失とは・・・
メラノサイト(メラニン色素を作る細胞)がダメージを受けてメラニンが作られなくなる状態
発生条件は・・・
高濃度のハイドロキノンを長期間使用した場合
広範囲に塗布していた場合
ハイドロキノン塗布期間中に強い紫外線を浴びた場合
白斑の対処法
・すぐに使用を中止する
白斑の進行を防ぐ必要があります。
・皮膚科受診
皮膚科専門医在籍の皮膚科を受診し、白斑の診断をしてもらう。
白斑を自然に戻すことは難しいため、光線療法などの検討も必要(白斑診断がされた場合は、保険適応になる場合が多い)
・紫外線対策
日焼けすると白斑がより目立つため、日焼け止め対策が必要です。
色素沈着の悪化
美白にするはずのハイドロキノンが、逆に色素沈着を悪化させてしまうこともあります。
開始してからシミが前より濃くなったと感じる場合には、色素沈着の悪化かもしれません。
これは、ハイドロキノンの刺激によって肌を守ろうとメラニンが過剰分泌されることで起こります。
同じような現象がシミ取り治療後に起こる炎症後色素沈着(PIH)です。
トレチノインやピーリング作用がある薬と併用する場合には、より注意が必要です!!!
色素沈着の悪化の対処法
・すぐに使用を中止する
悪化が見られたら、自己判断で継続しないで中止する。
・皮膚科受診
処方医師に報告する。
ステロイド外用薬や美白治療開始する場合がある。
・紫外線対策をする
紫外線の影響で更に色素沈着が悪化する可能性があるため、徹底した紫外線対策が必要です。
外因性オクロノーシス
ハイドロキノンを長期間・高頻度で使用したときに起こることがあります。
紫外線対策をしない状態で長期間(数年単位)使用した場合などに起こることがあります。
外因性オクロノーシスとは・・・
ハイドロキノンなどの外部の影響が原因で皮膚が青黒い・灰褐色色に変化する後天的な疾患です。
症状は・・・
初期は、赤みや細かい黒点が出現します。
進行すると、灰褐色や青黒い色素沈着・点状の黒いブツブツ・皮膚が厚くごわつくなどの症状へと変化していきます。
外因性オクロノーシスの対処法
・すぐに使用を中止する
・皮膚科受診
完全に戻すことは難しい場合が多いです。(治療抵抗性が高いため)
改善のために用いられる治療例は、トレチノイン・ケミカルピーリング・レーザー治療・美白剤使用(ハイドロキノン以外)です。
ハイドロキノン以外でも美白は可能?
ハイドロキノン使用以外でも美白、シミ・くすみ改善をさせる方法があるか知りたいですよね?
・・・大丈夫です!
ハイドロキノンを使用しなくても美白を目指すことは可能です。
・IPL(ルメッカ・ライムライト・BBL・M22ステラ)、ピコトーニング、などのレーザー機械
→肌全体のメラニンを少しずつ壊してくすみを改善
・ピーリング
→ターンオーバーを促してメラニンを排出し透明感アップ
・美白点滴
→ビタミンやアミノ酸などの抗酸化成分を体内から補給し内側からトーンアップ
当院では、一般的なIPLの約2倍の効果を持つルメッカをはじめ、ピーリング・美白点滴を組み合わせた治療で、シミやくすみのお悩みに根本からアプローチしています!
一番シミ・くすみに効く“IPL”はルメッカ?他の光治療機との比較
【毛穴・ニキビケア】ピーリング治療4種類比較!どんな方にお勧め?
注射一本で全身の美白・美肌効果と老化防止が期待できる白玉注射
まとめ
いかがでしょうか?
ハイドロキノンはシミ・くすみ・美白で悩む方にとって治療薬ですが、副作用が目立つこともあります。
医師の診断の上で適切な治療を行うことで副作用を防ぐことが可能です。
また、シミ・くすみ・美白はハイドロキノンではなく、他の治療方法でより効率的にお悩みを解消することもできます。
「シミ=美白剤」と自己判断で購入する前に、ぜひ一度当院でご相談ください。