
著者:
西日本初、関東唯一ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会代表 笹川新也 ドクター紹介はこちら
テレビ番組『試してガッテン』で紹介されたほうれい線対策を見て、「自宅でできるならやってみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか?
ストレッチや顔ヨガ、舌回し体操など、手軽な方法でほうれい線を改善できると話題になりましたが…実際のところ、その効果は本当にあるのでしょうか?
テレビで紹介されたセルフケアの真偽と限界について、医学的な根拠をもとに詳しく解説します。
「試してガッテン」式のほうれい線ケアとは?
番組内で紹介された内容の一例は下記の通りです。
・舌回し運動(口の中で舌をぐるぐる回す)
・顔の筋肉を鍛えるストレッチ
・口輪筋や表情筋のトレーニング
これらはすべて、筋肉を動かすことで顔のたるみやシワを予防・改善するという理論に基づいています。
医師の視点から見る効果と限界
✅ 軽度のほうれい線やエイジングサインの予防には、表情筋ケアが有効
まだ浅いほうれい線や、なんとなく口元に影が出始めたと感じる段階の方には、表情筋トレーニングが一定の効果を発揮することがあります。
顔には約30種類以上の表情筋があり、これらは日常生活の中で意識的に動かさないと、次第に衰えていきます。
筋肉が緩むことで、皮膚や脂肪が下垂しやすくなり、ほうれい線の形成につながるのです。
特に、30代前半から40代前半にかけては、肌の土台を整える重要な時期。
この時期に、舌回し運動や口角を引き上げるエクササイズなど、顔の筋肉をしっかり使う習慣を取り入れることで、軽度のたるみやほうれい線を予防・遅延させる効果が期待できます。
ただし、目に見える変化を感じにくい場合や、線がくっきり刻まれてきた場合は、美容医療との併用が必要になるケースもあります。
❌中等度以上のほうれい線にはセルフケアだけでは限界があります
ほうれい線が深く刻まれてきた方や、たるみが目に見えて感じられる段階では、表情筋トレーニングや舌回し体操といったセルフケアだけでは十分な改善は難しいのが現実です。
なぜなら、ほうれい線の根本的な原因は、皮膚表面ではなく、もっと深い層にあります。
代表的な原因には以下のようなものが挙げられます:
・真皮層のコラーゲン・エラスチンの減少
・皮下脂肪の下垂による頬のボリューム減少
・SMAS筋膜(表在性筋膜)のゆるみ
これらの構造的な変化は、加齢とともに進行し、皮膚の支持力そのものが弱まることによって、ほうれい線の深さが増していきます。
そのため、中等度以上のほうれい線には、ハイフ(ウルトラセルZI)・デンシティやグロースファクター注入、ヒアルロン酸注入など、皮膚の深層にアプローチできる美容医療を取り入れることが重要です。
💡 セルフケア vs 美容医療|正しい組み合わせが、ほうれい線改善の鍵に
表情筋トレーニングや舌回し体操などのセルフケアは、あくまでも“予防”や“補助的なケア”として取り入れるのが理想的です。
特に、ほうれい線がまだ浅く、「最近、少し影が出てきたかも…」という初期段階であれば、日々のセルフケアでもある程度の進行予防が期待できます。
しかし、「毎日トレーニングしているのに変化を感じられない…」「写真を撮るとくっきり線が残ってしまう…」
そんなふうに感じ始めたら、すでに真皮や脂肪層、SMAS筋膜レベルでたるみが進行しているサインかもしれません。
このような場合には、セルフケアだけに頼るのではなく、美容医療の力を取り入れることが改善への近道です。
当院で行えるほうれい線の根本治療
● グロースファクター注射
グロースファクターとは、実は元々体内で作られれているたんぱく質のことをグロースファクターと言います。
グロースファクターは、コラーゲンやエラスチンを作る働きをもち、一般的には成人に差し掛かったあたりから急激に減少し、その後年齢を経るにつれてますます減少してしまいます。
皮膚の内側の真皮層に、肌のハリやツヤをだす役割がありますが、そこはコラーゲンやエラスチンによって支えられているので、ここが加齢・紫外線・乾燥によりダメージを受けると、肌の老化が進み、シワ・たるみが進行し、ほうれい線が目立っていきます。
その部分にコラーゲンやエラスチンを正常に組みなおす力のある【グロースファクター】を注入することで、それが栄養素になり自然にふっくらと持ち上げてくれるのです。
● ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸は元々、私たちの身体の中にある安全な成分です。
保水機能が高く、細胞同士を結ぶ役割もあります。
皮膚の真皮にも含まれ、肌のハリや組織の弾力性をもたらします。
液体でも固体でもないゼリー状の成分ですが、これを加工しゴルゴラインやマリオネットラインといった皺の部分の真下に注入すると、組織がふっくらするのでシワを薄くする効果があります。
注入したヒアルロン酸はヒアルロニダーゼという体内に元からある酵素で自然に吸収され消失していきます。
近年は架橋構造といって、ヒアルロン酸分子同士を橋のように繋げてヒアルロニダーゼによって吸収されにくくして持続力を高めたり、より硬く加工することで鼻や顎を形成したり、より柔らかくして唇や涙袋を形成したりと用途は様々です。
グロースファクターやボトックスにはない最大のメリットとしては効果の即効性です。
また少ない注入量ですと自然な仕上がりになり、注入量を増やすことでより一層満足度が高い仕上がりになります。
注入直後から効果が得られます。他には、仕上がりが気に入らなければヒアルロン酸を溶かすこともできます。
● ハイフ(ウルトラセルZi)
ハイフは超音波でお肌の浅い層(表皮)から深い層(smas筋膜)まで均一に熱エネルギーを与えることにより、肌の引き締め効果を実感いただける美肌治療です。
痛みやダウンタイムもなくすぐにメイクも可能なため気軽に受けていただけます。
個人差がありますが、2,3ヶ月後が一番効果を実感しやすい時期です。
6カ月おきに受けられるとより、効果が感じやすくなります。
● デンシティ
デンシティはモノポーラ・バイポーラの2種類のRF(高周波)で、皮膚深部・皮膚表層など、肌全体を加熱します。
コラーゲンの生成による真皮の弾力性を高め、たるみ・小じわ改善やリモデリング効果を発揮します。
安全かつ高出力の照射となりますので、効果の持続期間はおおよそ4~6か月間(最大1年)と長いです。
さらに施術直後から即時的な効果も発揮します。
まとめ
『試してガッテン』式のほうれい線対策は、毎日の習慣としては非常に良いセルフケア法のひとつです。
しかし、本格的にほうれい線を目立たなくしたい方、写真映えを意識する方、老け見えを回避したい方には、美容医療との併用がベストです。
当院では、丁寧に診察・カウンセリングを行い、患者様一人ひとりに合わせた治療プランをご提案いたします。