
著者:笹川 新也
医療法人新月会 理事長・美容皮膚科医
大阪・東京・名古屋 Houreisenスキンクリニック
「最近、ほうれい線が目立つようになってきた」
「写真を撮ると、以前より老けて見える気がする」
そんな時、何かよい方法はないかと調べてみたことはありませんか?
保湿クリームやマッサージ、美顔器、顔の筋トレ。最近ではSNSでも、さまざまなほうれい線対策が紹介されています。
一方、美容医療について調べると、ヒアルロン酸やグロースファクター、HIFU、糸リフト、さらにはメスを伴う手術まで、さまざまな治療方法が出てきます。
「ほうれい線を薄くするために、手術まで必要なの?」
当院では、メスを伴う手術を行わず、注射で日々多くの患者様のほうれい線治療にあたっています。
ほうれい線を改善する方法はたくさんありますが、どの治療でも同じような効果が得られるわけではありません。
また、ほうれい線が気になったからといって、必ずしも美容医療を受ける必要はないと思っています。
自分でできる対策にはどこまで期待できるのか、美容医療ではどのような改善が期待できるのか。当院の診療方針や実際の症例も交えながらお話しします。
目次
まずは自分でなんとかしたい。何をすればいい?
保湿でほうれい線は薄くなる?
肌が乾燥すると、表面の細かなシワが目立ちやすくなります。
そのため、乾燥が気になる方は、保湿を丁寧に行うことで細かなシワが目立ちにくくなることがあります。
ただし、高価なクリームを使用すれば、それだけほうれい線が薄くなるというわけではありません。
毎日のスキンケアでは、肌の乾燥を防ぎ、潤いを保つことを意識しましょう。
紫外線対策は、今からでも続けてほしい
紫外線は、皮膚のコラーゲンなどにダメージを与え、シワやたるみを進行させる要因の一つです。
2013年に発表された研究では、日焼け止めを毎日使用した方は、必要に応じて使用した方と比較して、約4年半後の皮膚の光老化の進行が少なかったことが報告されています。
朝のスキンケアで日焼け止めを使用することに加えて、屋外では帽子や日傘なども活用するとよいでしょう。
保湿と紫外線対策は、これからの肌を守るためのケアです。ただし、すでに深くなったほうれい線を、それだけで大きく改善するのは難しいでしょう。
マッサージや顔の筋トレ、美顔器は効果がある?
SNSでは、ほうれい線を薄くするマッサージや表情筋トレーニングが数多く紹介されています。
2018年に発表された顔の運動に関する小規模研究では、20週間の運動を行っても、安静時のほうれい線に統計学的に有意な改善は認められませんでした。
この研究だけですべての顔の運動に効果がないとは言えませんが、ほうれい線を薄くする目的で過度な期待をするのは避けた方がよいと思います。
また、ほうれい線を薄くしようと肌を強くこすったり、痛みが出るほど顔を引っ張ったりすることはおすすめしません。強い摩擦や刺激によって、かえって肌の状態を悪化させるおそれがあるためです。
家庭用美顔器についても、すでに深くなったほうれい線を大きく改善することは難しいと考えられます。
すでにいろいろ試しているのに、ほうれい線がほとんど改善しないのであれば、同じケアにさらに時間やお金をかける前に、ほかの方法も知っておいてよいと思います。
HIFUや糸リフトでも、ほうれい線が改善しないことがあるのはなぜ?
私はこれまで多くのほうれい線治療に携わってきましたが、診察で特に大切にしていることがあります。
それは、今のほうれい線に対して、どの治療なら十分な改善を期待できるのかを見極めることです。
診察では、ほうれい線の深さだけでなく、頬の状態や骨格、左右差、表情を動かした時にほうれい線がどのように動くかも見ています。
例えば、まだ若く、頬のたるみがほとんどない方にリフトアップ治療を行っても、ほうれい線の改善はあまり期待できません。
また、鼻横のくぼみが気になっている方に、HIFUなどの機器を使って皮膚を引き締める治療を行っても、肝心のくぼみはほとんど改善しないでしょう。
せっかく費用や時間をかけて治療を受けても、思っていたほど効果を実感できなければ、残念ですよね。
ほうれい線をなんとかしたいと思った時には、自分の肌やほうれい線に本当に合った治療を知ることが大切です。
とはいえ、それを自分だけで判断するのは難しいと思います。
だからこそ、私たち医師に相談していただく意味があると考えています。
また、ほうれい線を改善するために、必ずしも多くの治療を受ける必要はありません。
1回の施術で十分に満足される方もいれば、時間をかけて段階的に治療した方がよい場合もあります。
当院では、治療によってどのくらい改善できるかだけでなく、どのような部分には効果が期待しにくいのかについてもお伝えしています。
実際の症例から、ほうれい線の改善方法を見てみましょう
美容医療に興味があっても、実際にどのくらいほうれい線が薄くなるのか、治療後はどんな仕上がりになるのか、気になる方も多いと思います。
当院で治療を行った方の症例を2つご紹介します。
20代でも気になる鼻横のほうれい線|ヒアルロン酸の症例
20代男性・施術前(左)と施術直後(右)

こちらは、20代男性のほうれい線にヒアルロン酸注射を行った症例です。
特に鼻横からほうれい線上部にかけてのくぼみが気になるとのことで、ご相談に来られました。
若い方でも、ほうれい線を気にされてご来院になる方は少なくありません。
この方の場合、鼻横のくぼみが目立っていたため、ヒアルロン酸による治療を行いました。
注入の際には、鼻横のくぼみだけでなく、ほうれい線の左右差や頬のお肉のボリュームとのバランスも見ながら、ヒアルロン酸を注入しています。
施術前と直後の写真を比較すると、ほうれい線が薄くなっていることが分かります。
ヒアルロン酸の大きな特徴は、注入直後から効果を実感しやすいことです。
こちらの症例では、施術から2か月後の経過も掲載しています。
ただし、ヒアルロン酸は注入量が多ければよいというものではありません。
特に鼻横は、入れすぎると不自然な膨らみにつながる場合もあるため、周囲とのバランスを考えながら注入しています。
また、ヒアルロン酸は時間とともに少しずつ吸収されていくため、将来的に追加注入を検討することもあります。
治療内容・料金・主なリスク
施術内容:ほうれい線へのヒアルロン酸注射
現在の通常料金:1本77,000円、2本目以降1本69,800円(税込)
主なリスク・副作用:痛み、腫れ、内出血、左右差、凹凸、感染、血流障害など。
※必要な本数や効果、経過には個人差があります。
時間をかけてほうれい線を薄くする|グロースファクターの症例
30代女性・施術前(左)と6か月後(右)

こちらは、当院の齋藤医師がグロースファクター治療を行った30代女性の症例です。
グロースファクターは、皮膚のコラーゲンなどの産生を促し、ほうれい線を徐々に浅くしていくことを目指す治療です。
ヒアルロン酸のような即効性はありませんが、長期間の改善が期待できることが特徴です。
この方の場合、施術から1か月後には、口角横のほうれい線にすでに改善が見られました。
その後も経過を追い、6か月後の写真まで掲載しています。
当院では、グロースファクターは約6か月を完成の目安としているため、施術直後の状態だけで効果を判断することはありません。
また、グロースファクターは、ヒアルロン酸のように注入した製剤のボリュームでくぼみを持ち上げる治療ではありません。
皮膚のコラーゲンなどの産生を促すことで、ほうれい線の改善を目指しています。
当院では、これまでに3,000件以上のほうれい線グロースファクター治療を行ってきました。
グロースファクターには、ヒアルロン酸のように専用の薬剤で溶かして元に戻す方法がありません。
そのため当院では、患者さんのほうれい線の状態に合わせて、注入する深さや位置、薬剤の配合量・濃度などを調整しています。
基本的には1回の施術を行い、約6か月かけて経過を見ます。
そこで十分に満足できれば、追加の治療は必要ありません。
まだ気になる部分が残っている場合には、追加のグロースファクターや、ヒアルロン酸による調整を検討することもあります。
なお、両方の治療が必要な場合には、当院では基本的にグロースファクターを先に行い、6か月以上経過してから必要な部分へのヒアルロン酸追加を検討しています。
治療内容・料金・主なリスク
施術内容:ほうれい線グロースファクター注射
治療回数:1回
現在の通常料金:両側180,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ、内出血、痛み、違和感、左右差、凹凸など。
※効果や持続期間には個人差があります。
ほうれい線と一緒に、頬や口元のたるみも気になる場合
頬や口元のたるみも気になる方には、糸リフトを検討することがあります。
糸リフトは、下がった頬を引き上げることで、口元のもたつきやたるみの改善を目指す治療です。
ただし、糸リフトは鼻横のくぼみを直接埋めたり、皮膚に刻まれたほうれい線を改善したりする治療ではありません。
そのため、頬のたるみが改善しても、ほうれい線が残ることがあります。
ほうれい線を、どのくらい薄くしたいですか?
「少し薄くなれば十分」
「せっかく治療するなら、できるだけしっかり改善したい」
「ほうれい線は薄くしたいけれど、不自然にふっくらするのは嫌」
患者さんによって、希望される仕上がりはさまざまです。
私は、ほうれい線の深さだけでなく、患者さんご自身がどのくらいの改善を希望されているのかも大切にしています。
例えば、ヒアルロン酸は施術直後から効果を実感しやすい治療ですが、時間とともに吸収されていくため、将来的に追加注入を検討する場合があります。
一方、グロースファクターは効果が現れるまでに時間がかかりますが、長期間の改善を目指せることが特徴です。
ほうれい線をどのくらい薄くしたいのか、どんな仕上がりを希望しているのか、そして、どのくらいの期間その状態を保ちたいのか。診察の際にぜひお聞かせください。
こうしたご希望を伺いながら、必要な治療を考えています。
治療を受ける前に知っておいてほしいこと
結婚式や同窓会、旅行などの予定がある方は、治療を受けるタイミングも重要です。
ヒアルロン酸は施術直後から効果を実感しやすい一方、腫れや内出血が生じる場合があります。
グロースファクターも注射による治療ですので、同様に腫れや内出血が生じる可能性があります。
また、グロースファクターは約6か月かけて効果が現れるため、直近の予定に合わせて大きな改善を期待する治療には向いていません。
糸リフトでは、施術後につっぱり感や腫れが生じることがあります。
大切な予定がある方は、日程も考慮しながら治療のタイミングをご提案しますので、診察の際にぜひご相談ください。
よくあるご質問
Q. ほうれい線は浅いうちから治療した方がいいですか?
ほうれい線が気にならなければ、無理に治療する必要はありません。
ただし、ほうれい線が深くなるほど、1回の治療だけでは十分な改善が難しくなり、追加の施術が必要になることもあります。
そのため、すでにほうれい線が気になり始めている方には、浅いうちから対策することも大切だと考えています。
ほうれい線をなんとかしたい方へ
ほうれい線が気になり始めると、鏡を見るたびにそこばかり目がいってしまうことがあると思います。
周りの人からは「そんなに気にならないよ」と言われても、ご本人にとっては大きな悩みになっているかもしれません。
私は美容皮膚科医として、そうした一人ひとりのお悩みを大切にしたいと思っています。
当院では、患者さんがどの部分を気にされているのか、どのくらい改善したいのかを伺いながら、診察を行っています。
美容医療を受けずに、日頃のスキンケアを続けるという選択もあります。
もっとしっかり改善したいと思われるのであれば、美容医療によってどのような効果が期待できるのかを知っていただくのもよいでしょう。
せっかく当院を選んで来てくださるのですから、治療を受けていただくこと以上に、ご自身が納得できる選択をしていただきたいと思っています。
Houreisenスキンクリニックでは、大阪・東京・名古屋の3院でほうれい線のご相談を承っています。
初回カウンセリングは無料です。
予約フォームでは「相談して決めたい」「相談のみ希望」も選択できますので、まずはご自身のほうれい線について気になることをお聞かせください。
参考文献
Hughes MCB, et al. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23732711/
Alam M, et al. Association of Facial Exercise With the Appearance of Aging. JAMA Dermatol. 2018.
https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/fullarticle/2666801/













