
著者:
ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会 医師 齋藤秀明 ドクター紹介はこちら
ふと鏡に映った自分の顔を見て、「あれ、なんだか疲れて見える…?」「口元の線が深くなった気がする…」と感じたことはありませんか?
そのお悩みの原因、もしかしたら「ほうれい線」かもしれません。
ほうれい線は、ある日突然現れるわけではありません。20代後半から、お肌の内部では少しずつ変化が始まっています。「まだ若いから大丈夫」と思っていても、数年後、数十年後の自分のお肌のために、今からほうれい線予防を始めることがとても大切です。
この記事では、美容皮膚科の専門的な視点から、ほうれい線の原因、今日から始められるセルフケアでの予防法、そして当院で行っている効果的な治療法まで、詳しく、そして分かりやすく解説していきます。
目次
なぜできるの?ほうれい線ができる3つの大きな原因
ほうれい線は、頬と口の境界にできる線のことで、正式には「鼻唇溝(びしんこう)」と呼ばれます。加齢のサインと思われがちですが、実は様々な要因が複雑に絡み合ってできています。
原因1:お肌の「たるみ」
ほうれい線の最大の原因は、加齢によるお肌の「たるみ」です。 お肌のハリや弾力は、皮膚の深い部分(真皮層)にあるコラーゲンやエラスチンといった線維によって支えられています。しかし、20代後半をピークにこれらは減少し、質も低下していきます。
建物の柱が古くなって弱くなるように、お肌の土台が緩むことで、頬の脂肪を支えきれなくなり、雪崩のように垂れ下がってきてしまうのです。これが、ほうれい線の正体です。
原因2:「紫外線」と「乾燥」によるダメージ
毎日のように浴びる紫外線は、お肌の弾力を保つ、コラーゲンやエラスチン、を破壊してしまう最大の外的要因です。
(※コラーゲンやエラスチンは、お肌のハリや弾力を支えるたんぱく質成分で、肌の“スプリング”のような働きをします)
日焼け止めを塗る習慣がない、または塗り直しをしていない方は、知らず知らずのうちにお肌の老化を早めています。
また、お肌の乾燥も大敵です。乾燥すると肌表面のキメが乱れ、浅いシワ(ちりめんジワ)ができやすくなります。この浅いシワが、やがて深くくっきりとしたシワやほうれい線へと進行してしまうのです。
原因3:骨格の変化と表情のクセ
意外と知られていませんが、加齢によって顔の骨、特に頬骨や上顎骨などが萎縮していくことがあります。特に頬の骨が痩せてくると、その上の皮膚や脂肪が余ってしまい、たるみに繋がります。
また、以下のような無意識のクセも、ほうれい線を深くする原因になります。
- 頬杖をつく
- 片方の歯ばかりで噛む
- スマートフォンを長時間下向きで見る
- 口角を上げずに話す
【今日から実践!】ほうれい線予防のセルフケア
ほうれい線は、毎日の正しいセルフケアで進行を遅らせ、予防することが可能です。今日からぜひ取り入れてみてください。
1.スキンケアの基本は「保湿」と「紫外線対策」
徹底した保湿: ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなど、高保湿成分が配合された化粧水や美容液、クリームを使い、お肌にたっぷりと潤いを与えましょう。特に乾燥が気になる方は、セラミド配合のものがバリア機能を高めてくれるのでおすすめです。
一年中の紫外線対策: 紫外線は季節や天候を問わず降り注いでいます。夏だけでなく、一年中、日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。SPF/PA値を確認し、数時間おきに塗り直すのが理想です。
2.エイジングケア化粧品を取り入れる
守りの保湿、攻めのエイジングケアとして以下のような成分を取り入れましょう。
レチノール(ビタミンA): コラーゲンの生成を促進し、ターンオーバーを整える効果が期待できます。
ナイアシンアミド: シワ改善効果が厚生労働省に認められている成分です。
ビタミンC誘導体: 抗酸化作用があり、コラーゲン生成をサポートします。
◇当院長が監修および開発した、ほうれい線をはじめとするシワ特化型の美容クリーム、Nasora社のHCクリームはナイアシンアミドなど保湿力が高い成分がたっぷり含まれているためお勧めです。
3.生活習慣を見直す
栄養バランスの取れた食事: タンパク質(肉・魚・大豆製品)、ビタミンC(果物・野菜)、ビタミンA(緑黄色野菜)を積極的に摂り、体の内側からハリをサポートしましょう。
質の良い睡眠: 睡眠中に分泌される成長ホルモンは、日中に受けた肌ダメージを修復してくれます。
表情のクセを意識する: 意識的に口角を上げて笑顔を作る、左右均等に噛むなどを心がけましょう。
4.顔のマッサージをする
◇筋肉のコリをほぐして柔軟に。ストレッチで血流up
①人差し指と中指を使い、小鼻の横を軽く押さえる。
②小さな円を描くようにやさしく頬をマッサージする(30秒間)
③小鼻から鎖骨の下に向かって指を滑らせるように3回繰り返す。
※強く押しすぎないのがポイント。少し押し当てる程度で実施しましょう。皮膚を摩擦しないよう、お肌にオイルや保湿クリームを塗ってから、清潔な手で行ってください。
◇リンパを流してむくみ解消
①ベビーオイルやフェイスクリームをしっかり顔にぬる。
②両手の日人差し指と中指を使い、小鼻の横からこめかみに向かってリンパを流す。
③耳の前から首筋を通って鎖骨に流す。
リンパ液が集まるリンパ節は首の側面や耳の後ろにあります。そこに向かって流していくようにマッサージしていきましょう。
※強く押しすぎないようにしてください。皮膚を摩擦しないよう、お肌にオイルや保湿クリームを塗ってから、清潔な手で行ってください。
【注意!】顔のマッサージや筋トレで逆効果になる場合もあります!
ほうれい線を消そうと、強い力でマッサージや表情筋トレーニングをしていませんか? 実は、強すぎるマッサージや筋トレは逆効果です。
マッサージでは肌を強く擦ることで、かえってお肌に負担をかけ、炎症を引き起こしたり、肌の弾力維持に必要なコラーゲンやエラスチンといった線維のダメージに繋がり、たるみを助長してしまう可能性があります。
表情筋トレーニングでは、特定の筋肉が繰り返し収縮し、お肌に不自然なシワの癖がついたり、負担がかかることで、かえってほうれい線や表情ジワを深くしてしまう可能性があります。
自己流の過度なトレーニングは、デリケートな皮膚を不必要に伸ばしたり、皮膚のハリを支えているコラーゲンやエラスチンといった弾性線維を傷つけたりする原因になりかねません。
むしろ、日頃の無意識の顔の「こわばり」を認識し、優しく肌に触れることを常に意識すること、そして適度な顔のストレッチやリラックスが大切です。
大切なのは「鍛える」より「ゆるめる」ことです。
ほうれい線やシワに対して、セルフケアでできることは「鍛える」ことではありません。 むしろ、無意識のうちに入っている顔の「こわばり」や「緊張」をゆるめてあげること、そして「保湿」と「紫外線対策」を徹底すること、こういった事の積み重ねが最も重要です。
セルフケアの限界を感じたら…美容皮膚科の専門治療
セルフケアはあくまで「予防」であり、すでに深く刻まれてしまったほうれい線を完全に消すことは困難です。そんな時は、私たちにお任せください。当院では、お一人おひとりのほうれい線の原因や状態に合わせて、最適な治療プランをご提案します。
1.ハイフ(HIFU)・デンシティ(DENSITY)【たるみ引き締め】
高密度の超音波や高周波をピンポイントで照射し、熱エネルギーで肌の土台を内側からグッと引き締める治療です。家で例えるなら、緩んだ柱や梁を締め直す工事で、たるみが原因のほうれい線に根本からアプローチします。コラーゲンの生成も促進するため、肌のハリも向上します。
- こんな方におすすめ:フェイスラインや頬全体のたるみでほうれい線が目立つ、メスを使わずにリフトアップしたい。
- 効果: たるみの引き締め、リフトアップ、ハリ感アップ
- ダウンタイム: ほとんどなく、施術後すぐにメイクも可能です。
- 注意点: 稀に赤みや筋肉痛のような痛みが出ることがあります。
2.ヒアルロン酸注入【溝を直接埋める】
ほうれい線の溝に直接ヒアルロン酸を注入し、内側から皮膚を持ち上げて溝を目立たなくさせる治療です。非常に即効性が高く、施術直後から効果を実感いただけます。
- こんな方におすすめ:くっきりと線が刻まれている、すぐに効果を実感したい、骨格的にほうれい線ができやすい。
- 効果: ほうれい線の溝を埋める、若々しい印象になる
- 持続期間: 製剤によりますが、1か月~2年程度です。当院で扱っている高品質なヒアルロン酸で、1年~2年程度です。
- 注意点: 注入技術によって仕上がりが大きく左右されます。当院では、経験豊富な医師が自然で美しい仕上がりを追求します。稀に内出血が起こる可能性がありますが、1~2週間で改善します。
3.グロースファクター(成長因子)注射【肌を育てる根本治療】
グロースファクターとは、私たちの体内にもともと存在し、細胞の増殖や修復を促すタンパク質で、再生医療にも応用されている成長因子のことです。
このグロースファクター(成長因子)をほうれい線部分に直接注入することで、ご自身の肌本来の再生能力を高め、コラーゲンやエラスチンの生成を促します。 まさに「肌を育てる」ような、根本的なエイジングケア治療です。
- こんな方におすすめ:肌全体のハリや弾力を根本から改善したい、異物を入れる治療には抵抗がある、時間をかけてでも自然に若返りたい。
- 効果: 肌のハリ・弾力アップ、小じわやほうれい線の質感改善
- 効果の現れ方: 施術後、数週間から数ヶ月かけてゆっくりと効果が現れるため、周囲に気づかれにくく、非常に自然な変化が期待できます。
- 持続期間: 数年以上~10年程度と長期間持続します。
- 注意点: 効果を実感するまでに時間がかかります。ほうれい線の状態、肌質により個人差があるため、追加注入が必要となる場合があります。
4.糸リフト(スレッドリフト)【強力リフトアップ】
コグ(トゲ)が付いた医療用の溶ける糸を皮下の脂肪層に挿入し、たるんだ皮膚や脂肪を物理的にグッと引き上げる治療です。
ハイフが「引き締め」なら、糸リフトは「引き上げ」と言えるでしょう。また、挿入した糸の刺激により、周辺でコラーゲン生成が促進されるため、長期的なハリ感アップにも繋がります。
- こんな方におすすめ:頬全体のたるみが強くほうれい線が深い、シャープなVラインのフェイスラインに憧れる、すぐに物理的なリフトアップ効果が欲しい。
- 効果: 頬のたるみの強力なリフトアップ、ほうれい線の改善、フェイスラインの再形成。
- ダウンタイム: 腫れ、痛み、内出血、一時的なひきつれ感などが数日〜2週間程度続くことがあります。
- 注意点: 技術力が仕上がりと安全性を大きく左右する治療です。当院では経験豊富な医師が、たるみの状態に合わせて糸の種類・本数・挿入する層を丁寧に見極め、オーダーメイドで施術を行います。
よくあるご質問
Q1. 治療は痛いですか?
A1. ご不安ですよね。痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの治療では痛みを最小限に抑える工夫をしています。
ハイフはチクチクとした熱感、ヒアルロン酸やグロースファクター、糸リフトは注入・挿入時に痛みを感じることがありますが、各種麻酔(麻酔クリームや局所麻酔など)をご用意し、痛みを最小限に抑える工夫をしていますのでご安心ください。
痛みの感じ方には個人差がありますので、不安な方はカウンセリング時に遠慮なくお申し付けください。
Q2. 自分にどの治療が合っているかわかりません。
A2. もちろんです。当院では、丁寧なカウンセリングで、あなたのほうれい線のタイプ(たるみ、くぼみ、混合型など)や肌質、骨格を正確に診断し、最適な治療法をご提案します。無理な勧誘は一切ございませんので、まずはお悩みをお聞かせください。
Q3. 治療を組み合わせることはできますか?相乗効果はありますか?
A3. はい、可能です。ほうれい線の原因は一つではないため、複数の治療を組み合わせることで、より高い相乗効果が期待できます。
例えば、「ハイフでお顔全体のたるみを引き締めた上で、残った溝にヒアルロン酸を注入する」「ほうれい線を糸リフトで物理的に引き上げ、その後にヒアルロン酸でさらに改善する」「グロースファクターで肌の土台を整え、その効果をさらに高めるために、後からヒアルロン酸や糸リフト等を行う」など、様々なコンビネーション治療をご提案できます。お一人おひとりの理想に近づける最適なプランを一緒に考えましょう。
Q4. 治療の効果はどのくらい持続しますか?
A4. 治療法によってそれぞれ異なります。
一般的に、ヒアルロン酸は約1年~2年、糸リフトは約1年~2年、ハイフは約半年~1年が持続期間の目安です。
グロースファクターはご自身の肌を育てる治療のため、一度効果が現れれば約数年以上と持続期間は長いですが、効果をさらに維持するためにほうれい線に影響を与える他の部分の治療や、日々のセルフケアといった継続的なケアが推奨されます。
どの治療も、日々の紫外線対策や保湿ケアをしっかり行うことで、より効果を長持ちさせることができます。
Q5. ヒアルロン酸で顔が不自然にパンパンになりませんか?
A5. ご安心ください。当院では、不自然な仕上がりにならないよう、お顔全体のバランスを見ながら、適切な箇所に適量を注入する「オーダーメイド注入」を徹底しています。
ほうれい線の溝を完全に消すのではなく、自然に目立たなくさせることで、元々の魅力を活かした若々しい印象に仕上げることを最も大切にしています。経験豊富な医師が担当しますので、ご希望をじっくりお聞かせください。
Q6. 糸リフトで入れた糸は体に害はないのですか?
A6. 当院で使用している糸は体に残らない溶ける糸を使用しています。
この糸は、心臓外科手術の縫合などにも長年使用されている安全性の高い医療用の素材でできています。これらの糸は、時間をかけてゆっくりと体内で水分と二酸化炭素に分解され、自然に吸収されていきますので、体に害が残ることはありません。ご安心ください。
Q7. 何歳から治療を始めるのが良いのでしょうか?
A7. 「何歳から」という決まりはありません。「ほうれい線が気になり始めた時」「将来のために予防したいと思った時」が治療を始めるベストなタイミングです。
実際に当院では、たるみ予防として20代後半~30代でハイフを受けられる方や、40代以降で本格的なたるみ治療(糸リフトやヒアルロン酸)を始められる方など、幅広い年代の患者様がいらっしゃいます。
Q8. 治療後のダウンタイム中は、どのように過ごせば良いですか?
A8. 治療内容によりますが、共通して言えるのは、血行が良くなる行為(長時間の入浴、サウナ、激しい運動、飲酒など)は、腫れや内出血を助長する可能性があるため、しばらくお控えいただくようお願いしています。
また、施術部位への強いマッサージも避けてください。最も大切なのは、紫外線対策と保湿です。詳細は、施術後に詳しくご説明しますのでご安心ください。
まとめ:ほうれい線予防は、正しい知識と行動から
ほうれい線は、日々のセルフケアによる予防が何よりも大切です。しかし、年齢とともにお肌が変化していくのは自然なこと。セルフケアだけでは追いつかないと感じたら、一人で悩まずに、ぜひ一度私たち美容皮膚科にご相談ください。
当院では、専門医があなたの肌状態をしっかりと見極め、あなただけのオーダーメイド治療をご提案いたします。カウンセリングは無料ですので、お気軽にご予約ください。
未来のあなたのお肌のために、今日から一歩、踏み出してみませんか?