著者:
ほうれい線・シワ治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会 医師 齋藤秀明 ドクター紹介はこちら
今回はニベアクリームでほうれい線が消えるのか解説いたします。
ニベアクリームは、多くの方がご存知の通り、その高いコストパフォーマンスと保湿力で長年愛されてきました。
香料やアルコールが少ないシンプルな処方も、100年以上にわたって幅広い世代に支持される理由でしょう。
しかし、「ニベアを塗ったらほうれい線が薄くなった気がする!」といったSNSや口コミを目にすると、「本当にニベアでほうれい線が『消える』の?」と期待と疑問が入り混じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、一時的にほうれい線を薄く見せることは可能ですが、根本的な解決をすることはできません。
このページでは、ニベアクリームがほうれい線に与える一時的な影響について、そのメカニズムを深く掘り下げてご説明します。そして、なぜ根本的な解決には至らないのかを詳しくご説明します。
さらに、ほうれい線の根本原因にアプローチし、肌本来の力を引き出すことで持続的な改善を目指す「グロースファクター治療」について、その効果もご紹介します。
「ほうれい線を本気で改善したい」「セルフケアの限界を感じている」 そんなあなたの疑問と悩みにお答えします。
目次
一体なぜ??ニベアでほうれい線が「消えたように見える」〜その根拠と限界
長年愛され続けるニベアクリーム。その高い保湿力は多くの方がご存知の通りです。ニベアをほうれい線に塗ることで目立たなくなったと感じるのには、複数のメカニズムが関与しています。
一時的に肌にハリを出してほうれい線を目立たなくする
肌をしっかり保湿することができる
ニベアクリームに含まれるペトロラタムという保湿成分が、肌内部からの水分蒸発を物理的に遮断するからです。
ニベア製品それぞれの処方にもよりますが、ペトロラタムを5%以上配合した製品では、肌からの水分蒸散を最大で98%程度抑制するというデータもあり、非常に高い水分保持効果が期待できます。
肌が潤い、細胞が膨張することでほうれい線が目立たなくなる
肌からの水分蒸散が大幅に抑制されると、肌の最も外側にある厚さわずか0.02mmの「角層(角質層)」が水分を吸収し、一時的に膨らみます。
この「角層(角質層)」の膨らみによって、ほうれい線のような細かな溝や凹凸が物理的に浅くなり、一時的に目立たなくなります。乾燥によってしぼんでいた肌が、水分で満たされてパンと張ったようなイメージです。
肌のキメとツヤを改善してほうれい線を目立たなくする
肌のキメを均一化して光の反射を滑らかにする
ニベアクリームに入っている、ラノリンアルコールやステアリン酸のような油成分(「エモリエント成分」と呼び、肌を柔らかくしたり、うるおいを保ったりする効果がある)は、乾燥してガサガサになった角質細胞の隙間を埋めてくれます。
イメージとして例えるなら、肌の表面はパズルのピースのように並んだ細胞が、ぴったりと組み合わさってできています。このピースが乾燥すると、ピースが縮んで間に隙間ができ、表面がガサガサになったり、凸凹したりします。
ニベアのエモリエント成分が、ピースが乾燥しないように潤わせつつ、できた隙間をぴったりと埋めて平らにするような働きをします。
そうすると、肌の表面がなめらかになり、キメが整ってツルツルに見えるようになります。
キメが整うと、光が均一に反射するようになるので、結果として、肌の凸凹が目立ちにくくなり、見た目がより美しくなります。
光の乱反射でほうれい線の影を目立たなくする
ニベアクリームを塗ると、肌の上に薄くなめらかな油の膜ができます。この膜には、肌に当たった光を色々な方向に散らばらせる(乱反射させる)働きがあります。
例えば、ほうれい線のような溝に光が当たると影ができます。この影が濃く、はっきりしていると、ほうれい線の溝が深く長く見えてしまいます。
しかし、クリームを塗っている場合、油膜が光を散らばらせ、溝の影がぼやかされ、はっきりとした影ができにくくなります。
これは、メイクで使うファンデーションやフェイスパウダーなどに含まれる粉末成分が光を散乱させることで、肌の表面を滑らかに見せ、シワやシミを目立ちにくくすることと一緒です。
つまり、光のトリックでほうれい線の溝が浅く、目立たないように「見せかける」効果があるということです。
まとめ:ニベアクリームには一時的に目立たなくする効果と予防効果がある
ここまでの効果をまとめると、肌のハリ・ツヤ・キメ・光の反射を改善して、一時的にほうれい線を目立ちにくくする効果があるといえます。
イメージとしては、湯上りの肌ではほうれい線が薄く見える、といったイメージでしょうか。
そして肌の乾燥はシワの原因になるので、ニベアクリームで保湿することは、今後の予防になると考えられます。
重要な注意点!!効果は一時的、なおかつ表面レベルの変化にとどまる
ここまで解説したニベアクリームによるほうれい線への効果は、すべて肌の最も外側にある「角層(角質層)」レベルで起こる一時的な変化です。
「角層(角質層)」の水分量増加や表面の滑らかさ、光の反射の変化によるものであり、ほうれい線の根本原因である真皮層のコラーゲンやエラスチンの減少、皮下組織の構造変化、筋肉の衰えといった肌の土台の変化を改善するものではありません。
そのため、これらの効果は持続的なものではなく、洗顔すればクリームの成分とともに洗い流され、効果はリセットされてしまいます。
ほうれい線が「根本解決」しない2つの決定的理由
ニベアによる一時的な効果は、日々のスキンケアにおいて心地よいものですが、それがほうれい線の「根本的な解決」に繋がるかというと、残念ながら、きわめて難しいと言わざるを得ません。
肌の深層構造(真皮層・皮下組織)の変化には一切アプローチできない
ほうれい線が深く刻まれる主な原因は、肌表面の乾燥だけではなく、より深層で起こる以下のような加齢に伴う構造的な変化です。
真皮層のコラーゲン・エラスチンの減少と質の低下
肌のハリや弾力を支える「真皮層」。ここにある線維芽細胞の機能が加齢とともに低下すると、コラーゲンやエラスチンといった肌に弾力や厚みを持たせる成分の産生量が減少し、質も低下(変性)します。そうすると、皮膚の土台が弱くなり、重力に抗しきれずたるみやシワが生じやすくなります。
皮下脂肪の減少・変位・下垂
顔のボリュームを保つ皮下脂肪も、加齢によって量が減少したり、萎縮したり、あるいは支持組織のゆるみによって本来の位置から垂れ下がったりします。特に頬の脂肪が下がってくると、ほうれい線にかぶさり、深く目立つようになります。
表情筋の衰えや拘縮(癖)
長年の表情の癖や、表情筋の衰え・筋の萎縮(こわばり)も、皮膚に折り目をつけ、ほうれい線を固定化させる要因となります。
支持靭帯(リガメント)のゆるみと骨格の変化
皮膚や皮下組織を骨に繋ぎ止めている靭帯(リガメント)がゆるむと、重力にあらがえなくなって、顔全体のたるみが進行します。
また、加齢による骨萎縮も、皮膚を支える土台が小さくなることで、たるみやほうれい線を悪化させてしまいます。
保湿効果や視覚効果は一時的で、持続的な改善には繋がらない
ニベアクリームによる保湿効果や肌表面のハリ・キメ・ツヤを改善する効果や、光の反射を整える効果は、洗顔すれば失われ、時間の経過とともに角層の状態も元に戻ります。
ほうれい線の根本原因である真皮層以下の構造的老化が改善されない限り、クリームの使用を中止すれば、肌は再び乾燥や重力の影響を受け、ほうれい線が目立つ状態に戻ってしまう可能性が高いでしょう。
つまり、ニベアは「現状を一時的に良く見せる」「乾燥による悪化を防ぐ」といった対症療法的な役割は果たせても、「肌年齢を巻き戻し、構造から若返らせる」という根本治療にはなり得ないのです。
ほうれい線の根本改善を目指すなら「グロースファクター治療」がおすすめ
「もうセルフケアだけでは限界…」「本当にほうれい線を薄くしたい、若々しい印象を取り戻したい」
そうお考えの方に、当院が自信を持っておすすめするのが、肌自身の再生能力を利用し、真皮層からの若返りを促す「グロースファクター治療」です。
グロースファクターとは? 肌細胞を活性化させ、組織再生を促す”鍵”
グロースファクター(成長因子)とは、私たちの体内にもともと存在するタンパク質の一種です。
特定の細胞の増殖や分化を促したり、傷ついた組織の修復や血管新生を促したりと、いわば「肌細胞を活性化させ、組織の再生を司る鍵」のような重要な役割を担っています。
グロースファクターには、線維芽細胞を活性化してコラーゲンやエラスチンの産生を促すFGF(線維芽細胞成長因子)や、上皮細胞の成長を促しターンオーバーを正常化するEGF(上皮細胞成長因子)など、様々な種類があります。
これらは、加齢とともに体内での産生量が減少してしまうので、外部から効果的に補うことで、肌の再生力を高めることが期待できます。
なぜグロースファクター治療がほうれい線に効果的なのか?
グロースファクターを、医師がほうれい線やその周辺の皮膚の適切な深さに精密に注入することで、以下のような根本的な改善効果が期待できます。
真皮層からコラーゲン・エラスチンを増やして肌の内側からハリを再生する
グロースファクターが真皮層に存在する線維芽細胞に直接的かつ強力に働きかけ、コラーゲンやエラスチンといった、肌に弾力や厚みを持たせる成分、の新生を活発化させます。
その結果、肌内部からハリと弾力が再構築され、ほうれい線が内側からふっくらと押し上げられるように浅くなっていきます。
効果の持続性と極めて自然な仕上がり
ヒアルロン酸注入のように物理的に空間を埋めて溝を持ち上げるのではなく、自身の肌組織が時間をかけて再生・増殖することによる改善のため、効果の現れ方は緩やかですが、その分持続性が高いのが大きな特徴です。
また、異物を注入するわけではないため、表情が不自然になったり、硬さや凹凸が気になったりすることが極めて少なく、非常に自然な仕上がりを実現することができます。治療を計画的に重ねることで、より長期的で安定した効果が期待できます。
ほうれい線の根本原因(真皮の菲薄化・弾力低下)へのアプローチ
表面的な保湿や一時的なカモフラージュではなく、肌の深層(真皮層)から組織の再生と再構築を促すため、ほうれい線の根本的な原因の一つである「真皮の菲薄化(薄くなること)や弾力性の低下」に直接的にアプローチできます。
ほうれい線への一時的な対処ではなく「根本改善」を目指しませんか?
ニベアクリームは、手軽で優れた保湿アイテムであり、日々のスキンケアにおいて乾燥による肌トラブルの予防や、一時的な見た目の改善には役立ちます。
しかし、その効果は角層レベルの一時的なものであり、ほうれい線の根本原因である肌の構造的な老化を解決することはできません。
本当にほうれい線を改善し、長年の悩みから解放され、自信の持てる若々しい印象を取り戻したいとお考えであれば、美容皮膚科の専門的な治療が有効な選択肢となります。
特に、肌自身の再生能力を最大限に引き出すグロースファクター治療は、真皮層から肌を再構築し、ごく自然で持続的な効果が期待できる根本治療の一つとして、近年注目されています。
「私のほうれい線も改善できる?」「どんな治療が自分に合っているのか知りたい」「副作用やダウンタイムは?」
ほうれい線に関するお悩みや治療に関する疑問は、どうぞお一人で抱え込まずに、ぜひ一度当院へご相談ください。
あなたの肌状態を的確に診断し、あなたにとって最善の治療プランを一緒に考え、ご提案させていただきます。
無料カウンセリングも実施しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。