「太ったら、ほうれい線が深くなった気がする」
「頑張って痩せたのに、かえって老けて見える…」
ほうれい線が気になって、「もう少し痩せた方がいいのかな」と考えていませんか。実は、頬のお肉が増えた時だけでなく、減った時にも、ほうれい線が目立つことがあります。
先に結論をお伝えします
頬の脂肪が増えてほうれい線が深く見える方は、痩せると薄くなることがあります。一方で、脂肪が減ってくぼみやたるみが目立つ方は、さらに痩せると、かえってほうれい線が目立つことがあります。
ほうれい線を改善するために、必ずしも脂肪を減らせばよいわけではありません。頬の厚み、鼻横のくぼみ、皮膚のハリやたるみによって、合う方法が変わります。
こんなお悩みはありませんか?
この記事では、太った時・痩せた時でほうれい線が目立つ理由と、それぞれに合う対策を解説します。当院で実際に治療した方の症例もご紹介します。
太るとほうれい線が目立つのは、なぜ?
頬のお肉が厚くなり、ほうれい線に影ができる
ほうれい線の内側、唇に近い部分と、外側の頬を軽く触れて比べてみてください。内側は歯や骨に近い硬さがありますが、外側はお肉が厚く、ぷにぷにしています。
太って頬の脂肪が増えると、この内側と外側の厚みの差が大きくなり、ほうれい線の段差や影が強調されます。皮膚のシワが急に深くなったというより、頬のお肉の盛り上がりで目立っていることもあるのです。
皮膚のハリが低下すると、増えた脂肪がたるみやすい
加齢や紫外線などで皮膚のハリが低下していると、頬のお肉を支えにくくなります。厚みが増した頬がたるみ、ほうれい線の外側にかぶさると、より深い影ができます。
うまく凹みの中に入ってくれればまだよいのですが、実際には「靱帯」と呼ばれる壁のような構造があるため、ほうれい線の凹み部分に入らず外側にかぶさり、重たいほうれい線になって余計目立つことがあります。
痩せたらほうれい線が目立ったのは、なぜ?
痩せて頬の脂肪が減ると、ふっくらしていた部分がしぼみ、くぼみや皮膚のたるみが目立つことがあります。「体はすっきりしたのに、顔だけ疲れて見える」というお悩みは、この変化と関係します。
頬のふっくらした感じが減り、くぼみが目立つ
頬には、皮膚のすぐ下だけでなく、より深いところにも脂肪があります。こうした脂肪はお顔に丸みを出し、皮膚を内側から支えています。
脂肪が減ると、頬や鼻横のくぼみが目立ちやすくなります。もともと骨格による鼻横のくぼみがある方では、その影が以前よりはっきり見えることもあります。
脂肪が減っても、皮膚のたるみが残る
急激なダイエットやファスティングなどで短期間に大きく痩せると、皮膚が余ってたるみ、逆にほうれい線が目立つことがあります。
特に30代後半以降は、皮膚のハリが低下している方もいらっしゃいます。その状態で急激に体重が減ると、脂肪が減った分だけ皮膚が引き締まらず、ほうれい線や口元のたるみがより目立ちやすくなります。
ファスティングなどの無理な食事制限で、たんぱく質やビタミン・ミネラルまで不足しないようにしましょう。すでに頬がこけている方や、痩せてからほうれい線が目立った方には、ほうれい線を薄くする目的で、さらに脂肪を減らすことはおすすめしません。
減量後に目立ったほうれい線を治療した、30代女性の症例を見る
ほうれい線を薄くするために、ダイエットした方がいい?
最近の体重増加に伴って頬のお肉が増えた方は、食事と運動を見直し、健康的な体重を目指すことが対策になります。ただし、「何kg痩せればほうれい線が消える」という決まった目安はありません。
ダイエットでは、脂肪細胞に蓄えられた脂肪が減り、細胞が小さくなります。体重が戻れば、再び頬のお肉が増えることもあります。急激に落として戻すことを繰り返すのではなく、無理なく続けられる食事と運動を心がけましょう。
もともと痩せている方まで、ほうれい線のために減量する必要はありません。また、頬のお肉が減っても、骨格によるくぼみや皮膚に刻まれたシワが強調されることがあります。
体重管理と一緒に、肌のハリを保つ習慣を
ほうれい線に関係する、頬の脂肪の種類
「メーラーファットを取るといい」「バッカルファットが原因かも」といった情報を見た方もいらっしゃるでしょう。同じ頬の脂肪でも、位置によって見た目への影響は異なります。
- メーラーファット・ナゾラビアルファット
- 頬の比較的浅いところにある脂肪です。ほうれい線の近くにある部分はナゾラビアルファットとも呼ばれます。厚みが増したり、たるんだりすると、ほうれい線の外側の盛り上がりや影につながります。
- バッカルファット
- 頬の深いところにあり、こめかみの方向へも広がる脂肪です。量や位置によって、頬のふくらみや下顔面のもたつきに関係します。
- ジョールファット
- 口角の横から下あごにかけての脂肪です。主に口横のもたつき、マリオネットライン、フェイスラインのたるみに関係します。
太っても痩せても気になるほうれい線は、どう治療する?
頬のお肉が厚い方には脂肪を減らす治療、鼻横やほうれい線がくぼんでいる方にはボリュームを補う治療が合うことがあります。当院では、頬のお肉の厚みとたるみ、鼻横のくぼみ、皮膚のハリを診察し、自然な仕上がりを目指して治療をご提案しています。
余分な脂肪が目立つ場合:脂肪溶解注射・ハイフ
頬のお肉の厚みが気になる方には、脂肪溶解注射や、脂肪減少を目的としたリニアハイフをご提案することがあります。いずれも、減らしたい脂肪の位置や量を見極めて行います。
当院の脂肪溶解注射はデオリポ(カベリン)を使用しています。脂肪が気になる部分に薬剤を注入する方法です。1回での効果は限られるため、1回ずつ経過を見ながら、複数回繰り返して治療します。
- 脂肪溶解注射の目安
- 8cc 35,000円(税込)。1〜2週間間隔で4〜6回が目安です。毎回8ccの場合、4〜6回で140,000〜210,000円。量・回数により総額は変わります。
- 主なリスク
- 腫れ・内出血・痛み・しこり・凹凸・頬こけなど。効果や腫れの程度には個人差があります。
ハイフは超音波の熱を使い、脂肪を減らしたり、皮膚を引き締めたりできる治療です。当院のウルトラセルZiでは、脂肪を減らしたい部分と、ふっくらした感じを残したい部分を分けて照射します。
「ここはこけさせたくない」「脂肪は減らしたくない」というご希望にも合わせて、皮膚の引き締めを中心に行うことができます。照射するモード・深さ・出力を調整し、残したいふくらみを守るように施術します。
- ハイフの目安
- 頬54,800円、頬+顎下69,800円(税込)。1回照射後の変化を見ながら、次の治療を相談します。引き締まりは2〜3か月頃に高まることがあり、半年程度を目安に経過を確認します。
- 主なリスク
- 赤み・腫れ・痛み・やけど・しびれ・頬こけなど。照射する部位・深さ・出力を調整して行います。
くぼみや溝が目立つ場合:ヒアルロン酸注射
鼻横やほうれい線のくぼみには、ヒアルロン酸でボリュームを補う方法があります。ほうれい線をできるだけ早く目立ちにくくしたい方に向いています。
「頬のお肉が多いのに、さらに注入して大丈夫?」と思うかもしれません。ですが、お肉が厚い部分と、くぼんでいる部分は別です。適切な場所・深さ・量でくぼみを補うことで、顔を大きくふくらませずに、ほうれい線を改善できます。
お肌の状態に合わせて製剤や注入方法を選び、自然に仕上がるように設計して注入します。
40代女性|ヒアルロン酸3本で治療した症例

10代からほうれい線が気になっていた方です。無表情の時も笑った時も目立っていたほうれい線に注入し、溝が浅くなっています。
- 治療内容・回数
- ほうれい線へのヒアルロン酸注射。1回、ボリューマXC3本。
- 通常料金
- 1本77,000円、2本目以降1本69,800円。3本の場合216,600円(税込・麻酔代など込み)。
- 主なリスク
- 腫れ・内出血・痛み・違和感・左右差・しこり・感染・アレルギーなど。非常に稀ですが、血流障害による皮膚壊死や視力障害などが起こることがあります。
皮膚のハリ低下や刻まれたシワが気になる場合:グロースファクター
当院のグロースファクター治療は、皮膚のコラーゲンを増やし、ほうれい線を徐々に改善する注射治療です。すぐに大きくふくらませる治療ではなく、自然な仕上がりと、長く続く改善効果を希望される方にご提案しています。
30代女性|減量後に目立ったほうれい線の症例

約1年前に減量されてから、ほうれい線が気になるようになり、自然な仕上がりを希望して来院されました。グロースファクター治療後、6か月の時点で改善がみられています。
左側のほうれい線はうっすら残っていますが、診察・ご相談の結果、この時点では追加注入は行わずに経過を見ることになりました。
- 治療内容・経過
- ほうれい線へのグロースファクター注射。写真は治療から6か月後。6か月の診察では追加注入なし。
- 通常料金
- ほうれい線両側180,000円(税込・麻酔代込み)。追加注入を行う場合は90,000円。
- 効果が出るまで
- 徐々に変化する治療で、効果の確認に半年ほどかかる場合があります。
- 主なリスク
- 腫れ・内出血・違和感・左右差・凹凸など。効果と経過には個人差があります。
頬のたるみも気になる場合:糸リフトとの併用
注入治療でくぼみが改善しても、頬のたるみが残ることがあります。その場合は、糸リフトで頬を引き上げる治療を組み合わせると、口元やフェイスラインも整えやすくなります。
60代女性|糸リフトとヒアルロン酸を併用した症例

特に左のマリオネットラインのたるみや左右差を気にされていた方です。糸リフトで引き上げ、ヒアルロン酸でくぼみを補うことで、ほうれい線と口元全体の改善を目指しました。
- 治療内容・経過
- 糸リフトと、ほうれい線・マリオネットラインへのヒアルロン酸注射。写真は施術直後です。
- 通常料金の目安
- 糸リフトはPCL1本22,000円、PLCL1本27,000円。両側8〜14本が目安です。ヒアルロン酸は1本77,000円、2本目以降1本69,800円(税込)。組み合わせ・本数により総額が変わります。
- 主なリスク
- 腫れ・内出血・痛み・つっぱり感・左右差・凹凸・感染・糸の露出など。ヒアルロン酸には、非常に稀ですが血流障害のリスクもあります。
掲載写真は個々の治療経過で、効果には個人差があります。料金は現在の通常料金であり、掲載症例の実際の支払額とは異なる場合があります。各治療は自由診療です。
脂肪吸引やバッカルファット除去を受ければよい?
「頬のお肉があるから取る」と決めてしまうと、頬がこけたり、皮膚のたるみが目立ったりすることがあります。脂肪の多さが原因なのか、くぼみや皮膚のハリ低下が原因なのかを、先に見極める必要があります。
頬の脂肪吸引
皮膚の小さな切開からカニューレという細い管を入れ、陰圧(掃除機のような吸引力)で皮下脂肪を取り除く手術です。脂肪の厚みを減らせますが、取りすぎると頬がこけ、かえって老けて見えることがあります。
特に皮膚のハリが低下している方では、脂肪を減らした後に皮膚が十分にフィットせず、余った皮膚でたるむことがあります。吸引する場所と量を見極め、なだらかに仕上げるためには、医師の技量が重要です。
当院では脂肪吸引は行っていません。頬の脂肪吸引とほうれい線について詳しく見る
バッカルファット除去
口の中を切開し、頬の深いところにあるバッカルファットを取り出す手術です。皮膚のすぐ下の脂肪を吸引する方法とは異なります。
頬のふくらみやもたつきに合う場合があります。取りすぎによる頬こけや、唾液が通る管・神経の損傷などのリスクもあります。
ほうれい線の外側にかぶさる脂肪の厚みが原因であれば、当院では、バッカルファットを取るよりも、メーラーファットやナゾラビアルファットを減らす方が適していると考えています。小顔になりたいのか、ほうれい線を薄くしたいのかによっても、治療の選び方は変わります。
太る・痩せることとほうれい線について、よくあるご質問
痩せたらほうれい線は消えますか?
ケースバイケースです。頬の脂肪が増えたことで目立っている場合は、痩せると薄くなることがあります。一方、30代後半以降で皮膚のハリが低下している方や、もともとくぼみがある方は、痩せるとかえってたるみや凹凸が強調されることがあります。尚、私がこれまで診療してきた中では、「痩せてからほうれい線が目立つようになりました」と相談される方の方が多いです。
何kg痩せれば、ほうれい線が薄くなりますか?
何kgという決まった目安はありません。同じ体重でも、頬の脂肪の付き方や骨格、皮膚のハリは人によって違うためです。すでに頬がこけていたり、減量後にほうれい線が深くなったりした場合は、さらに痩せようとする前に一度ご相談ください。
痩せて目立ったほうれい線は、太れば元に戻りますか?
頬にふっくらした感じが戻り、目立ちにくくなることはあります。ただし、体重を戻しても、気になる部分だけに脂肪が付くわけではありません。皮膚のたるみが残る場合や、頬の厚みが増えてほうれい線の影が強くなる場合もあるため、改善のために体重の増減を繰り返すことはおすすめしません。
頬のお肉が多くても、ヒアルロン酸注射が合うことはありますか?
はい、あります。頬のお肉が多くても、鼻横やほうれい線の部分はくぼんでいる方がいらっしゃいます。適切な場所・深さ・量でそのくぼみをヒアルロン酸で補うことで、ほうれい線を改善できます。当院では、顔のバランスを崩さず自然に仕上がるように設計して注入します。
バッカルファットを取れば、ほうれい線は薄くなりますか?
必ず薄くなるわけではありません。バッカルファットは頬の深いところにある脂肪です。取りすぎると頬こけにつながるため、適応を慎重に判断する必要があります。
脂肪が多いのか、たるみなのか分かりません。相談だけでもできますか?
はい、カウンセリングのみでも大丈夫です。しっかり診察し、ほうれい線が目立つ原因、おすすめの治療、どこまで改善できるのか、費用や注意点をご説明します。
参考文献
ほうれい線周囲の脂肪・筋肉・結合組織の解剖研究(Kwon ほか、2020)
年齢・BMIと頬の浅い脂肪量との関係を調べたCT研究(Tower ほか、2019)
大幅な減量後のお顔の変化に関する研究(Narasimhan ほか、2015)。大幅な減量後の方を対象とした研究です。
まとめ:頬のお肉を減らす前に、ほうれい線の原因を確認しましょう
ほうれい線は、太って頬の厚みが増えた時にも、痩せてふっくらした感じが減った時にも目立つことがあります。適切な体重管理は大切ですが、それだけでは改善しにくいくぼみやシワ、たるみもあります。
「痩せた方がいいのか、太った方がいいのか分からない」という段階で、ご相談いただいて大丈夫です。当院ではしっかり診察し、おすすめの治療、どこまで改善できるのか、費用や注意点をご説明します。もちろんカウンセリングのみでも大丈夫です。お話を聞いていただいて、一度持ち帰り、ご自宅で再度検討していただいて構いません。
気になるほうれい線について、ご相談ください










