NASOLABIAL FOLD TYPE GUIDE
ほうれい線は、
「深い」「強い」で治療が変わる。
同じ一本のほうれい線に見えても、頬と口元の段差によって影ができている方と、皮膚そのものに折れジワが刻まれている方では、適した治療が違います。実際の診療では、その両方が重なった「複合タイプ」も少なくありません。大切なのは、治療名から選ぶのではなく、まず何がほうれい線を目立たせているのかを見極めることです。
まずお伝えしたいこと
「ほうれい線を改善したい」とご相談に来られる方の中には、すでに受けたい治療を決めている方もいらっしゃいます。
ただ、私が診察で最初に見るのは、ヒアルロン酸がよいか、グロースファクターがよいかではありません。
今見えているのが、頬と口元の高低差による影なのか、皮膚に刻まれた折れジワなのか、それとも両方なのか。まずそこを確認します。
「深いタイプ」と「強いタイプ」では、治療で優先すべきものが異なります。
深いタイプ
ほうれい線上の段差や影が目立つタイプです。
鼻横の骨格的なくぼみ、頬の厚み、脂肪、たるみなどが関係します。
強いタイプ
無表情でも皮膚に一本の線が残るタイプです。
笑った時に繰り返し折れた部分が、皮膚に「折れジワ」として刻まれています。
複合タイプ
段差や影もあり、皮膚の折れジワも残っているタイプです。
実際の診療では、この複合タイプの方が少なくありません。
「深い」「強い」は、医学的に統一された正式な診断名ではありません。
Houreisenスキンクリニックが、一人ひとりのほうれい線を診察し、治療方針を分かりやすく整理するために使用している臨床上の分類です。
簡易チェック|自分はどのタイプ?
鏡だけでは分かりにくいため、できれば明るい場所で、正面・斜め・無表情・笑顔の写真を見比べてみてください。
見分ける時のポイント
※これはあくまで簡易的な目安です。骨格・脂肪・皮膚・表情・過去の治療歴まで含めた診断とは異なります。
| 見え方 | 深いタイプ | 強いタイプ |
|---|---|---|
| 主に目立つもの | 段差・くぼみ・影 | 皮膚に刻まれた折れジワ |
| 無表情の時 | 線よりも影として見えることが多い | 細い線が皮膚に残る |
| 笑った時 | 頬が前へ出て段差が強く見える | 同じ場所が強く折れ込む |
| メイク | 影は残るが、ファンデーションが溜まらないこともある | 線に沿ってファンデーションが溜まりやすい |
| 治療の主な考え方 | くぼみ・段差・たるみへの対応 | 皮膚のハリ低下・折れジワへの対応 |
「影があるからヒアルロン酸」「線があるからグロースファクター」と、写真だけで完全に決められるわけではありません。
同じ方の中でも、右側は段差が強く、左側は折れジワが強いなど、左右で原因の割合が異なることもあります。
TYPE DIAGNOSIS
治療を決めてから、
ご予約いただく必要はありません。
「ヒアルロン酸がよいのか、グロースファクターがよいのか分からない」という段階でも大丈夫です。まずは段差・影・折れジワ・たるみのどの要素が強いかを確認し、今の状態に合う選択肢をご説明します。
必要のない治療を無理におすすめすることはありません。
「深い」と「強い」は何が違う?
ほうれい線は、一般的には鼻の横から口角方向へ伸びる溝や境界を指します。
ただ、実際に診察していると、患者様が「ほうれい線が深い」と表現されていても、目立っているものは大きく二つに分かれます。
一つは、頬と口元の高低差によって生じる段差や影です。もう一つは、その境界に皮膚が繰り返し折れ、無表情でも残るようになった折れジワです。
「深い」は立体的な高低差。「強い」は皮膚に残る線の強さです。
深いタイプは、骨格・鼻横のくぼみ・頬の厚み・たるみなど、立体構造の影響が強い
強いタイプは、表情による折れ癖と皮膚のハリ低下が関係しやすい
実際には、立体構造と皮膚の折れジワが同時に存在することが多い
「深い/強い」以外も含めた形状別の分類については、ほうれい線形状による分類と対処方法もご覧ください。
深いタイプ|段差・影が目立つほうれい線
深いタイプとは、ほうれい線部分に高低差があり、その段差によって影ができている状態です。
患者様からは「線というより、鼻の横から頬の境目が暗く見える」「斜めから見ると溝が深い」とご相談いただくことがあります。
深いタイプに関係しやすい原因
鼻翼基部周辺の骨が後方にあると、小鼻横に影ができやすくなります。
頬のボリュームが強い方では、頬と口元の境界に高低差が生じます。
頬の組織が下がり、ほうれい線上へかぶることで段差が強く見えます。
若い頃から目立つ方では、加齢より骨格や頬の形が大きく関係していることがあります。
若い方でも、骨格や頬の厚みによって深いタイプのほうれい線が目立つことがあります。
このタイプでは、皮膚に線が刻まれていなくても、立体的な影だけで老けて見えることがあります。
深いタイプで特に注意したいのは、見えている線へ一律に多くの製剤を入れることです。
原因が鼻横の骨格なのか、頬の厚みなのか、たるみなのかを見ずに注入すると、段差は残ったまま周囲だけが膨らみ、不自然に見えることがあります。
骨格で目立つ方はほうれい線が目立つ人の骨格的な特徴をご覧ください。
小鼻横のくぼみについては鼻横のほうれい線のくぼみで詳しく解説しています。
強いタイプ|皮膚に刻まれた「折れジワ」
強いタイプとは、段差や影の大きさよりも、皮膚そのものに一本の線がくっきり残っている状態です。
笑った時に何度も同じ場所が折れ、その折れ目が次第に戻りにくくなったシワを、当院では分かりやすく「折れジワ」と表現しています。
「笑った後に線がしばらく残る」「夕方になると線が濃くなる」「ファンデーションがほうれい線に沿って溜まる」という方は、この要素が強い可能性があります。
強いタイプに関係しやすい原因
笑う・話すなどの動きで、長年同じ場所が繰り返し折れています。
加齢や紫外線などで皮膚の弾力が低下し、折れた皮膚が戻りにくくなります。
薄い皮膚では細い線が目立ちやすく、乾燥によって一時的に強調されることがあります。
脂肪や骨格のボリュームが減ることで、皮膚に余りや折れ込みが生じることがあります。
強いタイプでは、ヒアルロン酸だけで線が十分に消えないことがあります。
周囲のボリュームを補うことはできても、皮膚自体に折れジワが刻まれている場合、その線が残ることがあるためです。
もちろん、強いタイプだからヒアルロン酸が使えないという意味ではありません。段差や骨格的なくぼみもある場合には、ヒアルロン酸を組み合わせた方がよいこともあります。
ファンデーションが溜まる方はほうれい線にファンデーションが溜まる原因もご覧ください。
折れジワについてはほうれい線の折れジワの原因と改善方法で詳しく解説しています。
実際には「複合タイプ」も多くあります
ほうれい線を深いタイプと強いタイプに分けて説明しましたが、すべての方がどちらか一方にきれいに分かれるわけではありません。
実際の診療では、鼻横や頬との境界に段差があり、その境界に折れジワも刻まれている複合タイプの方が少なくありません。
20代や30代でも、もともとの骨格的なくぼみに皮膚の薄さや表情の癖が重なると、複合タイプのほうれい線が目立つことがあります。
一方、40代以降では、骨格・皮膚のハリ低下・脂肪の下垂・たるみなどが重なり、年齢とともに複合タイプへ変化していくこともあります。
複合タイプでは、一つの治療だけで全部を解決しようとしないことが大切です。
皮膚に刻まれた折れジワ、鼻横のくぼみ、頬の段差、たるみのうち、どの要素を先に整えるべきかを考え、必要に応じて段階的に治療します。
口角まで伸びるタイプについては長いほうれい線の原因と改善方法をご覧ください。
左右差が気になる場合はほうれい線の左右差も参考にしてください。
治療が原因と合わないとどうなる?
治療そのものが悪いのではなく、改善したい原因と治療の役割が合っていないと、思っていた変化が出にくくなります。
皮膚のハリが改善しても、骨格的なくぼみや大きな段差が残り、影が十分に変わらないことがあります。
周囲が膨らんでも、皮膚に刻まれた線が残り、「入れたのにシワが消えない」と感じることがあります。
一度に多くの治療や注入を行うと、必要以上のボリュームが入り、不自然に見える可能性があります。
仕上がりに差が出るのは、治療名だけではなく、診断・治療順・注入量・経過の見方です。
当院では「一度で全部を消す」ことを優先するのではなく、自然に改善するために、必要な治療を必要な分だけ行うことを大切にしています。
タイプ別|ほうれい線治療の選び方
ほうれい線治療には、グロースファクター、ヒアルロン酸、糸リフトなどがあります。
どれが一番優れた治療かではなく、何を改善したいかによって役割が異なります。
グロースファクター
皮膚のコラーゲン・エラスチン産生を促し、皮膚に刻まれたほうれい線を時間をかけて自然に整える治療です。
- 特に考えやすいタイプ
- 強いタイプ、折れジワがある複合タイプ、自然さと長期経過を重視する方
- 強み
- その場でボリュームを補う治療とは異なり、時間をかけて皮膚の状態を整えることを目指します。
- 注意点
- 即効性はなく、当院では約6ヶ月後を目安に最終的な経過確認を行います。専用の溶解酵素はありません。
ヒアルロン酸
鼻横の骨格的なくぼみや、頬との高低差を必要な分だけ補い、段差や影をその場で整える治療です。
- 特に考えやすいタイプ
- 深いタイプ、鼻横のくぼみ、明確な段差、即時の形態変化を求める方
- 強み
- 治療直後から変化を確認しやすく、必要に応じてヒアルロニダーゼによる溶解を検討できます。ただし、完全に元の状態へ戻せるとは限りません。
- 注意点
- 折れジワが強い場合は、ボリュームだけを補っても皮膚の線が残ることがあります。
糸リフト
頬のたるみや下垂を引き上げ、ほうれい線上へかかる重みを軽減する治療です。
- 特に考えやすいタイプ
- 頬のたるみが強く、ほうれい線だけでなく口元や輪郭も気になる方
- 強み
- ほうれい線だけでなく、頬からフェイスラインまで全体の印象を整えやすい
- 注意点
- 鼻横の骨格的なくぼみや、皮膚に刻まれた折れジワは単独では残ることがあります。
注射治療を比較したい方はグロースファクター・ヒアルロン酸・ボトックスの比較をご覧ください。
ダウンタイムを比較したい方はグロースファクター・ヒアルロン酸・糸リフトのダウンタイム比較も参考にしてください。
複合タイプへのHoureisen式デュアルアプローチ
折れジワと段差の両方がある方では、当院ではまずグロースファクターで皮膚の土台を整え、最終的な経過を確認した後に、必要であればヒアルロン酸を少量追加することがあります。
土台を整えてから、必要な形だけを補う
グロースファクターで皮膚に刻まれた折れジワを整え、その後も残る骨格的なくぼみや段差に対して、必要最小限のヒアルロン酸を検討します。
最初から多くのヒアルロン酸を入れるよりも、入れすぎを避けながら自然な仕上がりを目指しやすいと考えています。
ただし、すべての複合タイプに同じ順番を採用するわけではありません。たるみが強い場合は、糸リフトなどを先に検討することもあります。
実際のほうれい線グロースファクター症例
症例写真は、治療効果を保証するためではなく、「どのような変化を目指す治療なのか」を具体的にイメージしていただくために掲載しています。
同じほうれい線でも、段差・折れジワ・たるみ・左右差の割合は一人ひとり異なります。
顔立ちを変えすぎず、ほうれい線を自然に整える
男性の患者様では、「疲れて見える」「実年齢より老けて見える」というご相談も少なくありません。顔全体の印象を変えすぎず、ほうれい線部分を自然に整えることを目指した症例です。
本症例の詳しい解説・経過はこちら →
たるみの要素があっても、折れジワを整える
たるみがある方でも、皮膚のハリ低下や折れジワが目立つ場合には、グロースファクターが治療の選択肢になります。たるみそのものをすべて解決する治療ではないため、必要に応じて別の治療も検討します。
本症例の詳しい解説・経過はこちら →※症例写真は効果を保証するものではありません。治療効果、必要回数、経過、持続期間には個人差があります。
私が診察で確認していること
治療名を決める前に、原因の割合を見ます。
ほうれい線は、皮膚・骨格・脂肪・筋肉・たるみのうち、どれか一つだけで生じているとは限りません。
私は診察で、主に次の順番で確認しています。
- 無表情でも線が残っているか
- 正面だけでなく、斜めから見た時に段差や影があるか
- 鼻横に骨格的なくぼみがあるか
- 笑った時に頬がどの方向へ動き、どこで皮膚が折れるか
- 頬の厚み、脂肪、たるみ、左右差、過去の注入治療がどう影響しているか
そのうえで、皮膚の折れジワを先に整えるのか、骨格的なくぼみを補うのか、たるみへの治療を優先するのかを考えます。
私は、グロースファクターを受けること自体を目的にはしていません。グロースファクターよりヒアルロン酸の方が合う方もいますし、糸リフトやほかの治療を組み合わせた方がよい方もいます。
大切なのは、ご自身のほうれい線が「深い」「強い」「複合」のどれに近く、何を優先すべきかを理解したうえで治療を選ぶことだと思っています。
医療法人新月会代表 笹川 新也
OSAKA / TOKYO / NAGOYA
「どの治療を受けるか」より、
まず「何が原因か」を確認しましょう。
深いタイプ、強いタイプ、複合タイプでは、治療で優先するものが異なります。以下に当てはまる方は、治療名を決める前に一度原因を確認した方がよいと思います。
ヒアルロン酸とグロースファクターのどちらが合うか分からない
鼻横のくぼみも、皮膚に刻まれた線も気になる
笑った後にほうれい線が以前より残るようになった
以前治療を受けたが、影や線が思ったほど変わらなかった
ほうれい線だけでなく、頬のたるみや口元全体も気になる
治療を受けるか迷っている段階でも大丈夫です。現在の状態とご希望を伺い、必要な選択肢だけをご説明します。
オンライン相談では、お写真をもとに考えられる原因や治療の方向性をご案内します。
まとめ
Houreisenスキンクリニックでは、ほうれい線を治療する際、段差や影が目立つ「深いタイプ」と、皮膚に折れジワが刻まれた「強いタイプ」に分けて考えています。
深いタイプでは、鼻横の骨格的なくぼみ、頬の厚み、脂肪、たるみなど、立体構造への対応が必要です。
強いタイプでは、表情による折れ癖と皮膚のハリ低下が関係しているため、皮膚の土台をどう整えるかが重要になります。
実際には、影と折れジワの両方がある複合タイプも多く、グロースファクター、ヒアルロン酸、糸リフトなどを、原因と目的に合わせて使い分ける必要があります。
治療名だけで選ばず、ご自身のほうれい線が何によって目立っているのかを見極めることが、不自然な仕上がりや期待とのずれを減らすために大切です。
よくあるご質問
自分で「深いタイプ」「強いタイプ」を見分けられますか?
段差や影が目立つ場合は深いタイプ、無表情でも皮膚に一本の線が残る場合は強いタイプの可能性があります。ただし、実際には両方が重なる複合タイプが多く、左右でも原因の割合が異なることがあります。簡易チェックはできますが、正確な治療判断には診察が必要です。
深いタイプには、必ずヒアルロン酸が必要ですか?
必ずではありません。鼻横の骨格的なくぼみや大きな段差が主因であれば、ヒアルロン酸が分かりやすい変化を出しやすいことがあります。一方、皮膚の折れジワやハリ低下もある場合は、グロースファクターなどを組み合わせた方が自然に整えやすいことがあります。
強いタイプにヒアルロン酸を入れても意味がないのでしょうか?
意味がないわけではありません。周囲のくぼみや段差もある場合は、ヒアルロン酸が役立つことがあります。ただし、皮膚そのものに折れジワが刻まれている場合は、ボリュームを補うだけでは線が残ることがあるため、皮膚側への治療も考える必要があります。
複合タイプでは、どの治療から始めますか?
原因の割合によって異なります。当院では、皮膚の折れジワが目立つ場合は、まずグロースファクターで皮膚の土台を整え、約6ヶ月後を目安に経過を確認してから、必要に応じてヒアルロン酸を少量追加することがあります。たるみが強い場合は、糸リフトなどを先に検討することもあります。
ほうれい線がまだ薄くても治療できますか?
治療できる場合があります。まだ薄い段階で、将来さらに目立つことを心配して相談される20代・30代の方もいらっしゃいます。ただし、治療によって将来の進行を防げると保証するものではありません。薄いほうれい線では見た目の変化が分かりにくいこともあるため、期待できる変化や現時点での治療の必要性を確認したうえで判断します。
糸リフトだけでほうれい線は消えますか?
頬のたるみが主因であれば、糸リフトでほうれい線が軽くなることがあります。ただし、鼻横の骨格的なくぼみや皮膚に刻まれた折れジワは、糸リフト単独では残ることがあります。その場合は注入治療との組み合わせを検討します。













