「朝はきれいにお化粧が仕上がったのに、夕方になるとほうれい線だけファンデーションがたまる。どうしたらいいですか?」
このようなご質問をいただくことがあります。
結論からお伝えすると、ファンデーションの量や肌の乾燥が原因であれば、塗り方やスキンケアを見直すだけで目立ちにくくなることがあります。
一方、メイクを落として保湿した後も、無表情でほうれい線のシワや影が残る場合は、ファンデーションだけを変えても解決しにくいことがあります。
この記事で分かること
ほうれい線にファンデーションがたまる3つの原因
① 表情で動く場所にファンデーションを重ねすぎている

ほうれい線は、会話や食事、笑顔などで繰り返し折れ曲がる場所です。朝は均一に仕上がっていても、口元を動かすうちにファンデーションが溝へ集まります。
ほうれい線を隠そうとして何度も重ねると、ベースメイクの層が厚くなり、かえって折れ目が目立つことがあります。口元は、顔全体に塗った後のスポンジに残った量で薄く仕上げる程度から試してみてください。
具体的な塗り方は、ほうれい線を隠すメイクのポイントでも解説しています。
② 乾燥でファンデーションが均一に密着していない
肌が乾燥して角層の状態が乱れると、ファンデーションが均一にのりにくくなり、細かなシワや溝にたまりやすくなります。
洗顔後は普段の保湿を行い、肌になじんでから少量ずつベースメイクを重ねます。油分が多く残っているときは、こすらずにティッシュで軽く押さえてから塗ると厚くなりにくくなります。
保湿や紫外線対策などの日常ケアは、ほうれい線の予防法・セルフケアも参考にしてください。
③ メイクを落としてもシワや凹みが残っている
ファンデーションを落とした後も無表情でシワが残る場合は、皮膚に折れ癖がついている可能性があります。また、鼻の横の凹みや頬のお肉が被さってできる段差があると、その境目にファンデーションが集まることもあります。
ほうれい線は、皮膚・脂肪・骨格・表情など複数の要因が重なって見えます。そのため、見た目が似ていても、適した対処法が同じとは限りません。
皮膚に刻まれたシワについては、ほうれい線の折れジワの原因と改善方法でも詳しく紹介しています。
「ファンデーションがたまる=絶対に治療が必要」というわけではありません。メイクだけの問題か、乾燥が関係しているか、無表情でもシワや凹みが残っているかを分けて考えることが大切です。
今日からできる、ほうれい線のメイク崩れ対策
まずはファンデーションを増やすのではなく、ほうれい線の上に残る量を減らしてみてください。
保湿後、肌になじんでからメイクする
保湿剤が多く残っている状態で重ねると、ベースメイクが動きやすくなります。急いでこすらず、なじませてから始めます。
ほうれい線には新しく付け足さない
頬や額へ塗った後、スポンジに残った少量を口元へなじませます。溝を埋めようと厚く塗らないことがポイントです。
一度口を動かし、溝に入った分だけ薄くする
仕上げに軽く表情を動かし、ほうれい線へ集まったファンデーションをスポンジでやさしくなじませます。
崩れた上から重ね続けない
日中にたまった部分は、ティッシュやスポンジで余分な量を整えてから、必要な分だけ薄く足します。
メイクの問題か、無表情でも残るシワかを確認する方法
次の方法は診断ではありませんが、メイクを見直すべきか、医師へ相談するかを考える目安になります。
メイクを落として、普段どおり保湿する
こすった直後や乾燥した状態では判断しにくいため、肌が落ち着いてから確認します。
正面と斜めから、無表情の口元を見る
シワそのものか、鼻の横の凹みや頬との段差による影かを見ます。シワが飛んでしまうため、強い照明の真下だけで判断しないことも大切です。
一度笑ってから力を抜き、シワが残るか確認する
笑ったときだけ現れるのか、表情を無表情時に戻した後にも折れ目が皮膚に残るのかで、考えられる原因が変わります。
メイクの見直しを優先しやすい状態
すっぴんではシワがほとんど残らず、時間がたったときだけファンデーションが集まる場合です。まずは量と塗り方を見直します。
診察で原因を確認してもよい状態
保湿後も無表情でシワや凹みが残る場合、メイクだけでは整えにくいことがあります。気になる程度や希望に応じて治療を検討します。
ほうれい線の見え方の違いは、ほうれい線の種類でも解説しています。
セルフケアでできることと、難しいこと

セルフケアでできること
保湿や紫外線対策によって肌を守り、乾燥によってシワが目立ちやすい状態を整えることです。メイクの厚塗りや摩擦を減らすことも役立ちます。
セルフケアだけでは難しいこと
すでに無表情でも残る皮膚のシワを消すことや、鼻の横の凹み、頬との段差を持ち上げることです。
強くこするマッサージは、赤みや刺激の原因になることがあります。また、マッサージや表情筋トレーニングだけで、無表情でも残るほうれい線を十分に改善できるとは限りません。「早く直したい」と思っても、力任せに行わないことが大切です。
詳しくは、顔の筋トレを行う際の注意点と、ほうれい線とマッサージの注意点をご覧ください。
ほうれい線のどこにファンデーションがたまるかで治療を選ぶ
治療を考える場合、グロースファクターとヒアルロン酸のどちらが上ということではありません。ファンデーションがたまる原因と、いつまでにどのように整えたいかで選びます。
皮膚にシワが残る
無表情でも折れ目が残り、そのシワにファンデーションが入り込む場合は、皮膚のハリや厚みを時間をかけて整える治療を検討します。
鼻の横や上部に凹みがある
凹みや段差の境目にファンデーションが集まる場合は、不足したボリュームを補い、凹みを直接持ち上げる治療が向くことがあります。
| 比較項目 | グロースファクター | ヒアルロン酸 |
|---|---|---|
| 主な役割 | グロースファクター皮膚の土台を時間をかけて長期間改善させる | ヒアルロン酸不足したボリュームを補い、凹みを直接持ち上げる |
| 向いている方 | グロースファクターメイクを落としても皮膚のシワが残る方 | ヒアルロン酸鼻の横やほうれい線上部の凹み・段差が気になる方 |
| 効果の現れ方 | グロースファクター約3〜6か月かけて徐々に変化します。約1か月で変化が見られる場合もありますが、約6か月を目安に評価します | ヒアルロン酸施術直後から効果を実感しやすい |
| 注意点 | グロースファクター深い凹みや大きな段差は単独で十分に持ち上がらないことがある | ヒアルロン酸グロースファクターに比べると、持続時間が短い |
さらに詳しい比較は、グロースファクターとヒアルロン酸の違い、注射治療全体の選び方はほうれい線の注射治療比較をご覧ください。
グロースファクター|皮膚のハリを時間をかけて整える
当院のほうれい線グロースファクターは、皮膚のコラーゲンやエラスチンを増やす反応を促し、皮膚にハリや厚みを出すことでシワを目立ちにくくすることを目的とした注射治療です。効果の現れ方には個人差があります。
ヒアルロン酸のように注入した量で凹みをその場で膨らませる治療ではありません。約3〜6か月かけて徐々に変化します。約1か月で変化が見られる場合もありますが、当院では約6か月を目安に治療前の写真と比較し、追加治療が必要かを判断します。
ファンデーションがたまる原因が皮膚の折れジワに強く寄っている方、急な変化よりも自然な変化を希望する方に検討します。一方、鼻の横の深い凹みや大きな段差が主な原因であれば、ヒアルロン酸を優先する、または組み合わせることがあります。
治療直後の腫れや内出血については、グロースファクター注射直後のダウンタイム、詳しい副作用はグロースファクターの副作用・リスクをご確認ください。
症例1|20代女性・治療前と4か月後
20代女性です。同年代のご友人と比べて、ほうれい線が目立ち、特に笑った後にファンデーションが溜まるのが気になるとのことでほうれい線グロースファクター注射を受けられました。「ほうれい線キャラ」と周囲に言われていたのが気になっていました。治療前と4か月後の比較です。無表情で残っていたほうれい線のシワが、治療前より目立ちにくくなっています。
※治療効果・経過には個人差があります。
本症例の治療内容・経過を見る症例2|50代女性・治療前と3か月後
50代女性。年齢とともにほうれい線が深くなってきて、笑った時のみならず、無表情時もほうれい線が目立つのがお悩みでした。深い刻みジワを伴う症例です。ほうれい線グロースファクター治療にて、治療前と比べて、3か月後にはシワが薄くなっています。
※治療効果・経過には個人差があります。
本症例の治療内容・経過を見る症例3|50代女性・治療前と3か月後
頬の厚みと左右差を伴う症例です。夜勤の仕事もあり、夜勤明けにはほうれい線がくっきり目立つのがお悩みでした。ファンデーションが溜まる「線」のようなシワと、頬の厚みに伴う「影」の要素がどちらもあります。グロースファクターを受けられて、3か月後にほうれい線と左右差が目立ちにくくなっています。
※治療効果・経過には個人差があります。リンク先では6か月後までの経過を確認できます。
本症例の治療内容・経過を見るヒアルロン酸|凹みを直接持ち上げ、早く形を整える
ヒアルロン酸は、不足したボリュームを補い、鼻の横やほうれい線上部の凹みを直接持ち上げる注射治療です。施術直後から効果が得られるため、早く見た目を整えたい方に向いています。
ただし、どこに、どの深さへ、どの程度注入するかが大切です。実際の凹みと異なる場所へ入れすぎると、口元が重く見えたり、かえってほうれい線が目立ったりすることがあります。当院では、正面だけでなく斜めからも凹みや頬との位置関係のバランスを確認します。
また、皮膚に刻まれた折れジワが強い場合は、凹みが持ち上がっても表面のシワが残ることがあります。その場合はグロースファクターとの役割分担を考えます。
ヒアルロン酸注射後、すぐに医療機関へ連絡していただきたい症状
通常の注射後とは異なる強い痛み、または時間とともに増す痛み、注射部位やその周囲の白色・紫色などの皮膚色の変化、見え方の異常、まぶたが下がる、手足の動かしにくさや言葉の出にくさなどがある場合は、様子を見ず、直ちに施術を受けた医療機関へ連絡してください。痛みがない場合でも、ほかの症状があれば連絡が必要です。
リスクの詳細は、ヒアルロン酸注射の副作用・リスクをご確認ください。
症例|30代女性・治療前と注射1か月後

30代女性です。時間がたったときや笑った後に、ほうれい線へファンデーションが溜まることを気にされていました。鼻の横からほうれい線上部の凹みにヒアルロン酸を注入し、治療前と注射1か月後を比較しています。鼻の横からほうれい線上部のシワ及び凹みが治療前より目立ちにくくなっています。
※治療効果・経過には個人差があります。
本症例の治療内容・経過を見る治療費の最新情報は、料金表でご確認ください。表示価格は税込で、診察代・注射針代・麻酔代などを含みます。使用する製剤や必要量、治療範囲によって総額は変わります。なお、相談のみを繰り返す場合、長時間の相談が続く場合、または相談内容によってはカウンセリング料5,500円がかかることがあります。
ほうれい線とファンデーションについてよくある質問
Q. ほうれい線にファンデーションがたまるのは年齢のせいですか?
加齢による皮膚のハリ低下は一因ですが、それだけではありません。塗る量、乾燥、表情による動き、もともとの骨格、鼻の横の凹み、頬のお肉の被さりなどが重なって起こります。若い方でも目立つことがあります。
Q. ファンデーションを変えれば改善しますか?
塗りすぎや乾燥が主な原因であれば、量や塗り方、製品との相性を見直すことで目立ちにくくなることがあります。保湿後も無表情でシワや凹みが残る場合は、ファンデーションだけでは解決しにくいことがあります。
Q. メイクを落としてもシワが残れば、必ず治療が必要ですか?
いいえ。治療が必要かどうかは、ご本人がどの程度気になるかで決めます。保湿や紫外線対策は続けたうえで、メイクで整えにくく、改善を希望される場合に治療を検討します。
Q. グロースファクターとヒアルロン酸はどちらが向いていますか?
皮膚に刻まれたシワが主な方はグロースファクター、鼻の横やほうれい線上部の凹み・段差が主な方はヒアルロン酸を検討します。両方が重なっている場合は、必要な範囲だけ組み合わせることもあります。
Q. 治療を決めていなくても相談できますか?
はい。治療を決めてからご予約いただく必要はありません。診察では、無表情と笑顔、皮膚のシワ、鼻の横の凹み、頬との段差を確認し、適した治療とメリット・デメリットをご説明します。提案内容は一度持ち帰ってから検討していただけます。
参考文献
- Fisher GJ, Kang S, Varani J, et al. Mechanisms of photoaging and chronological skin aging. Arch Dermatol. 2002;138(11):1462-1470.
- Varani J, Dame MK, Rittie L, et al. Decreased collagen production in chronologically aged skin: roles of age-dependent alteration in fibroblast function and defective mechanical stimulation. Am J Pathol. 2006;168(6):1861-1868.
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). ジュビダームビスタ ボリフトXC 電子添文.
まとめ|まずは「メイクの問題」か「シワ・凹みの問題」かを分ける
ほうれい線にファンデーションがたまるとき、最初に行うのは厚く塗り直すことではありません。保湿後に少量で仕上げ、メイクを落とした後にもシワや凹みが残るかを確認してみてください。
すっぴんではほとんど目立たない場合は、メイクや乾燥への対策を優先します。無表情でも皮膚のシワが残る場合はグロースファクター、鼻の横や上部の凹み・段差が主な場合はヒアルロン酸を検討します。ただし、実際には複数の原因が重なっていることもあります。
当院では、治療名を先に決めるのではなく、ファンデーションがどこにたまり、無表情と笑顔でどのように見え方が変わるかを確認したうえで、必要な治療だけをご提案します。
メイクで隠すか、治療するかを一人で決める必要はありません
診察では、皮膚のシワ、鼻の横の凹み、頬との段差、表情による変化を確認します。そのうえで、期待できる変化だけでなく、治療の限界、ダウンタイム、リスク、費用までご説明します。
治療を決めてからご予約いただく必要はありません。必要のない治療を無理におすすめすることはありませんので、まずは現在の状態を確認したい方もご相談ください。
※治療効果・経過には個人差があります。診察後に治療を受けず、提案内容を持ち帰って検討していただくことも可能です。









